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2008年 05月 26日
木をみて森もみる(16) 罪は罪じゃと思うてました。
英国は、世界で最初に安楽死(尊厳死)の合法化を目指す団体「安楽死協会」ができた国だ。1935年のことである。現在も合法化には至っていないが、協会設立の翌年には早くも安楽死法案が議会に上程され、審議されている。
そんな流れを資料で追っているうち、10数年前に西日本地方で取材した男性のことを思い出した。
◆ ◆ ◆
7月末の暑い日。
私はある中堅都市の弁護士事務所を訪ねていた。書類の山、書き込みだらけのホワイトボード、くたびれた茶色のソファ。弁護士は「クーラーは体に悪いから」と言って窓を開け、扇風機だけを回している。
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by masayuki_100
| 2008-05-26 22:55
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2008年 05月 26日
木をみて森もみる(15) 苦情電話も国境を越える
パソコンのアンチウイルス・ソフトが期限切れになり、ダウンロードで新たな日本語版のソフトを購入した。ところが、どうも私のパソコンと新ソフトは相性が悪いようで、ソフトの文字の多くが化けている。説明書を読みながら何度操作しても、結果は同じだ。もともとがパソコンに詳しくないから、もしかしたら、どこかで操作を間違っているのかもしれない。そう思って製造元のサポート・センターに連絡を取った。
これが、しかし、たいへんだったのだ。
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by masayuki_100
| 2008-05-26 22:43
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2008年 05月 09日
木をみて森もみる(14) 「だれかが見ている」
カメラだけではない。
走行車両については、治安当局が毎日、全体の約4割、約5000万台のナンバーと運転者・助手席搭乗者の顔を自動的に捕捉する。データベースの蓄積は、指紋が600万人分、DNAが350万人分。クレジット・カード利用も、半数以上が行動分析の対象になっている。電話や電子メールの内容、ウェブサイトの閲覧なども何らかの形で記録、分析されていると思った方がいい。
日本も最近の事情は似たようなもので、例えば、いつの間にか東京はカメラだらけになった。そして、こうした監視強化の理由は、いつもこう言われる。
「激増する凶悪犯罪を防ぎ、安全を守るために」
◆ ◆ ◆
3年前に日本で勤務していたころ、「あなた見られてます~監視と安全のはざまで」という連載企画のデスクを担当したことがある。その過程で種々の統計をひもといていると、おもしろいことが分かってきた。日本では、凶悪犯罪はまったく増加していないどころか、減少を続けているのである。
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by masayuki_100
| 2008-05-09 08:00
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2008年 05月 09日
木をみて森もみる(13) 「地下鉄通路の幸せ交差点」
土門さんと初めて会ったのは、今年2月の風が強い午後だった。
ほぼ毎日、どこかの地下鉄駅でギターを弾く土門さんはこの日、ロンドン中心部のサウス・ケンジントン駅にいた。ロイヤル・アルバート・ホールにつながる地下通路で、クイーンの「ボヘミアン・ラプソディー」などを約2時間。行き交う人の群れの、何人かは土門さんの前で演奏に聴き入り、何人かはギター・ケースに小銭を置いた。
地下鉄駅でバスキングを始めて5年。土門さんの前ではこの間、小さな、しかしいろんな出来事があった。
小雨が降る、ある秋の夜。
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by masayuki_100
| 2008-05-09 07:57
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2008年 05月 09日
木をみて森もみる(12) 「甘ちゃん」かもしれないが。
英国に限らず、世界の多くの国では新聞の宅配制度がない。その点、新聞社ごとに自前の販売店を持ち、販売部数の9割が宅配される日本の制度は、やはり特殊である。そして当然のことながら、その仕組みは販売店で働く人が支えている。
◆ ◆ ◆
ずいぶん古い話になる。
高校卒業時に大学入試に失敗した私は、東京・渋谷の朝日新聞販売店で働くことになった。四国から上京したのは、ちょうど今ごろの季節だったと思う。
店に紹介されたアパートは、人が階段を上るだけで振動が全体に伝わりそうな木造だった。2階の一番手前の4畳(4畳半ではない)が私の部屋で、隣が長野県出身の日雇いの60代の男、一番奥が板前の見習い。部屋の窓と隣のビルの壁は、わずかな距離しかなく、昼間でも電球をつけていた。
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by masayuki_100
| 2008-05-09 07:55
| 木をみて森もみる
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