ニュースの現場で考えること:|--元道警幹部らは語った
2005-03-19T04:33:08+09:00
masayuki_100
「真実 新聞が警察に跪いた日」。北海道警察の裏金問題の報道と舞台裏の総括です。角川文庫から発売中です
Excite Blog
道警元最高幹部、外国人記者を前に語る
http://newsnews.exblog.jp/1093635/
2005-03-13T04:23:42+09:00
2005-03-13T21:47:24+09:00
2005-03-13T04:21:35+09:00
masayuki_100
|--元道警幹部らは語った
ここに講演記録があります。必読です。
(以下は一部抜粋)
2000年、相次ぐ警察の不祥事を契機に民間有識者による警察刷新会議が設けられ警察の改革に関する緊急提言が示されました。そこでは、警察組織の閉鎖性、国民の批判や意見を受け入れにくい体質や、「時代の変化」への対応能力の不足などが指摘されました。今回の一連の裏金問題への警察の対応は、こうした警察の問題点が何一つ改善されていないことを国民の前にさらしてしまったのです。具体的にお話しましょう。
*警察の閉鎖性
警察は、階級組織です。よく鉄のピラミッドと称されます。警察一家として団結が強く、たとえOBになってもそれは続きます。しかし、鉄のピラミッドは、外から内部を窺うことはできませんが、内部から外を見ることができません。
裏金の問題に限って見てみましょう。
そもそも、日本人は、警察に協力するのは善良な市民の当然の義務だとする考えが根強いのです。おそらく国民の大半は警察に「捜査協力謝礼」なる予算があることすら知らないでしょう。一方、警察内部には「金のことを口にするのはタブー視する傾向」があります。現場の捜査員には「武士は食わねど高楊枝」~武士は対面を重んじるのでたとえ食事をしていなくても,食べた後のようにゆうゆうと楊枝を使う~貧しい環境にあっても気位を高く持つべきである~という言葉がありますが、私費で協力者に謝礼を渡して情報を得ることが多かったのです。上層部もそれを知りながら見てみない振りをしていたのです。仕事に必要な経費を自らが負担する。こうした異常なことが何の疑いもなく続けられていたのです。上も下も警察内部の論理でしか行動できないのです。しかも、上位下達は容易ですが、下意上達はほとんどできない組織です。
私は、今回の問題で警察官の自殺が多いのに気がつきました。この10年間で331人もいるのです。稲葉事件でも1人、裏金問題でも1人、いずれも私のよく知っている昔の部下です。話が横道にそれますが、私は、1977年に全国の若い警察官20人ほどを引率してアメリカの警察を視察したことがあります。今でも印象に残っているのはフラデルフイヤの警察署の講堂の壁に掛かっていた殉職警察官の制帽です。(FBIの数字では、2003年の全米の殉職警察官は132人、2.8日に1人)おそらく、日本では殉職する警察官より自殺する警察官の方が多いのではないでしょうか。これは異常です。
(以下、さらに続いていますが略)
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札幌の市川弁護士は国会で何を語ったか
http://newsnews.exblog.jp/238784/
2005-01-01T17:16:00+09:00
2005-03-19T04:33:08+09:00
2005-01-07T17:34:31+09:00
masayuki_100
|--元道警幹部らは語った
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札幌から参りました。
私が昨年の十二月、北海道警察の不正経理疑惑問題にかかわるようになって、私の身の回りからいろいろなことの忠告を受けました。一番大きいのは、大丈夫か、身辺に気をつけた方がいいぞという忠告が多かったのです。これはどういう意味かといいますと、警察というのは、どういうところか、わけのわからないところだから、身辺によっぽど気を配った方がいいよという忠告なんですね。
私は、それを聞いて非常に驚きました。警察というのは本来、国民の市民生活、国民の生活を守るための組織にもかかわらず、国民の多くの人、少なくとも私の身の回りの人たちは、警察はわけのわからないところだ、警察の疑惑問題なんて追及していると身が危ないよという忠告をする、そういう国民意識が世論として少なくとも私の身の回りにはあるということに実は驚いたわけです。そういう国民の世論を前提とするならば、現在問題となっている警察の疑惑を徹底して明らかにして信頼できる警察にするということは、かなり至難のわざではないかというふうに考えているところです。
ところで、不正経理疑惑といいますのは、もう先生方御存じだと思いますけれども、国費、北海道あるいは都道府県費を問わず、支出関係書類を偽造して、真実支出していないにもかかわらず、支出したことにしてそれを裏金に回す、裏金に回したお金がどのように使われているかは国民には全くわからないという疑惑です。
これが北海道で発覚したのは、昨年の十一月、旭川中央警察署からの内部告発がもとでした。その関係書類によりますと、捜査用報償費、これは道費です、その使用使途について、架空人あるいは死人、そういう人を協力者としてつくり上げ、そういう人たちの領収書を添付して、あたかも支出されたかのように関係書類が整っていた、あるいは、実在している人でも、名義を勝手に使われて知らぬ間に自分が協力者になっていたということを指します。その結果、お金が裏金に回ったということです。
その後、弟子屈署という道東にある小さな警察署ですが、そこの元次長が実名で告白をしました。彼は、みずから金庫番として裏金をプールしていました、その裏金を幹部交際費等に渡しておりましたという告白をしました。
それだけではなくて、釧路方面本部本部長をされていた原田宏二さんも実名告発をいたしました。彼によりますと、彼は内閣委員会で証言しておりますけれども、退職するまで十七の所属でいわゆる裏金づくりに関与していた、また、その一部を受け取り、または接待などに費消したことがあると言っております。具体的には、会計担当者が本部会計部門から内示された予算を、架空の支出関係書類を所属の職員などに作成させ、これを現金化、各所属のナンバーツーの副署長等が裏帳簿で管理するシステムが厳然と存在していたと証言いたしました。対象予算は、道費に限らず、国費の旅費、捜査費、あらゆる費目に及んでいるということでした。
このような不正疑惑が現在北海道で起こっているわけですが、最近は、北海道にとどまらず、全国にこのような疑惑が指摘されているというふうに報道で知っております。
では、このような不正疑惑を引き起こす警察が信頼回復のために必要なことは何なのか。単純だと思います。二つ。一つは徹底した真実の究明、もう一つは迅速な情報公開。この二つさえあれば、警察は優に信頼を回復できるだろう。
徹底した真相の究明という点では、一つは、原田宏二さんが指摘するような厳然としている裏金づくりシステム、これを明らかにすることである。もう一つは、つくった裏金をどのように使ったか、使い道を明らかにすることだろうと思います。
きょうは時間がありませんので、その裏金システムについて、では、今まで真相が明らかになったのかどうかについて触れたいと思います。
まず一つは、弟子屈署の問題です。
弟子屈署では今監査が行われておりまして、きょう監査結果が発表されるというふうに聞いておりますけれども、道費に限らず、捜査費が裏金に回っていた。
今、私の手元に、その捜査費の設定書というものがあります。設定書というのは、裏金をつくるに当たって、だれにどのような領収書を書いてもらうのか、にせの領収書を書いてもらうのかという設定書です。
ここでは、毎月三万円ほどの協力者に対する謝礼というものが払われておりますが、これが固定協力者ということです。固定ということは、長年にわたってその架空の協力者に支払う。つまり、領収書をつくるに当たって月々の領収書の筆跡が異なってはいけないので、その架空人の書く領収書、それを職員に特定する、ある職員に書いてもらうということです。その職員が転勤したらどうなるのか。これは、架空の協力者を違う架空の協力者に変えるということをやっておりました。
私の手元には、平成八年以降の固定の協力者に対する設定書というものがあります。具体的に、だれに書いてもらったのか、どこで渡したことにするのか、月々の金額。例えば、平成十二年は四月十五日に三万円、五月七日に三万円というふうに、日付まできれいに書かれております。
さらに、この捜査費というのは、方面本部から現金書留で来ます。現金書留の封筒の中に、交付申請書と領収書が書かれている。交付申請書は領収書より後になっては困るので、その前に本来交付申請するものですから、鉛筆書きで、方面本部の会計課から、この日を書いて出すようにという指示まで具体的にあります。
そのような形で、弟子屈署では、国費である捜査費が長年にわたって裏金に回っていた。それは現在の監査ではできません、道費ではありませんので。では、警察が中間報告で発表したかというと、しておりません。この点でも、弟子屈署においてもまだまだ真相は明らかになっていないということです。
二点目。私の手元に、ある内部告発者の方が裏金帳簿を出してくれました。これはちょっと古いんです、どこの警察署かは本人との約束で言えません。これによりますと、副署長の領収印があります。これは中規模の警察署で、人件費を除いた警察予算が約四千万円、そのうち、約六百万円が裏金に回っていた。一五%です。人件費を除いた予算の一五%が裏金に回っていた。
これは中規模署ですから、五十人前後の小さな警察署です。これが百人、二百人、三百人規模の警察署では、一体、年間どのくらいのお金が裏金に回るのでしょうか。つまり、北海道においても、弟子屈と旭川中央署は明らかになっているけれども、まだまだほかにいっぱい警察署がある、疑惑を指摘されるべき警察署がいっぱいあるということです。これについては何も明らかになっていないということです。
もう一点言いたいと思います。
私の手元に、北海道警察本部会計課がつくった「新任副署長・次長研修資料」というものがあります。取扱注意と。
最初読んだとき、何だかよくわかりませんでした。普通の、会計は適正にやりなさいと指摘している文書のように思えました。しかし、そうであればなぜ取扱注意なのか、それがわからなかった。
中をいろいろ読み進むうちに、こういう記述があります。「捜査費を使用する捜査員の中には、その経理に疑問をもつ者もあり、これらの職員がときとして内部告発となって現れることが考えられることを常に念頭におく必要がある。」つまり、内部告発されることを常に念頭に置いて経理をしなさいと。これは、裏金をつくりなさいという指示書だと思います。つまり、裏金をつくるに当たって、新任の副署長、次長に対して、北海道警察本部会計課が、研修のための資料までつくっているということです。
そのほか、どういうものがあるかというと、会計職員として不適格と認められる者は英断をもって排除すると。
副署長というのは人事権を持っていないと私は理解しております。その副署長に対する研修で、会計職員として不適格である場合英断をもって排除する、つまり、排除しなさいと。疑問を持つような、正しく利用を考えるような会計職員は直ちに排除するように、英断をもって排除するように、こういう研修を行っているということであります。
時間がありません。これ以外にも、例えば、監査用のチェックリスト、こういうものを提出しなさいとか、チェックしなさいとか、あるいは問答集ですね、監査においてこういう指摘があったけれども、こうこうこういうふうに答えなさいというような資料も内部告発として私の手元に入っております。
このようなことを考えますと、依然真相は全くやみの中、解明されていないということです。ですから、真相が解明されていない以上、これからやらなければいけないし、やらない以上は警察の信頼は絶対に回復できないであろうと私は思っております。
以上です。(拍手)
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元道警最高幹部は何を語ったか(1)
http://newsnews.exblog.jp/238582/
2005-01-01T16:57:00+09:00
2005-02-25T18:17:57+09:00
2005-01-07T17:01:55+09:00
masayuki_100
|--元道警幹部らは語った
2004年2月10日。 元道警釧路方面本部長の原田宏二氏が、札幌市内で記者会見した際に、告白文を配布しました。以下はその内容です。
**************************************
実態を明らかにする理由
これまで、いくつかの社から何回も、元旭川中央署長との理由で取材を受けました。その際、私がお話しするときが来れば、匿名ではない形でしたいとお願いをしてきました。監査結果が出た現在、それなりの立場にいた者が真実を話すべきときが来たと判断しました。皆さんからその無責任さを指摘されるでしょう。昔の仲間からも裏切り者とのそしりを受けるのではなど、ずいぶんちゅうちょもしましたが、その理由は次のとおりです。
(一)どんどん道警の信頼が失われていくなかで、現場の警察官やその家族の人はさぞ肩身の狭い思いをしているのではないでしょうか。一日も早く現場の警察官が誇りを持って仕事ができるようになってもらいたいと思うのです。今回が道警が更生できる最後のチャンスだと思います。
(二)少なくとも私が退職した平成七年まで裏金が存在し、組織的に行われていました。従って、今問題になっている旭川中央署の二人の元署長は、かつてともに仕事した仲間ですが、彼らだけが責められる問題ではなく、関与した全組織の幹部やOBも責任を負うべきだと思います。現在もこうしたことが行われているかどうかは、確認できません。
(三)在職中に地元出身の最高幹部の立場にありながら、保身と甘えと自らの力量不足から改善に積極的に取り組まなかったことに責任を感じ、長い間、後悔の気持ちが続いてました。かつて、道庁などの問題が明るみに出た際、道警のみが追及をのがれました。しかし、私がそうであったように、現職の皆さんに、真実を語ることを求め、改善を期待することはできないのかもしれません。だとすれば、OBの私が事実を公表しなければと思ったのです。
裏金はどのようにつくられていたか
対象は国費の旅費、捜査費、道費の報償費、旅費のほか日額旅費、参考人旅費などに及んでいました。これらの予算は四半期(道費は上期、下期?)に一度本部会計課から書面で内示されます。本部各課、警察署など各部署ではその金額(毎年ほぼ同じ)の範囲内で会計課(係)(本部では経理主幹や庶務係)が毎月これを消化します。その際、領収書などの支出に必要な書類が作られます。その金額に応じた小切手が本部から送られ、会計課が銀行で現金化します。(このあたりの手続きは正確ではないかもしれません)
これが、裏金として副署長(本部では管理官、次席など)に渡されます。副署長は現金を小型金庫に入れ、裏帳簿で管理します。裏金は全額が副署長の金庫に入るのではなく、その一部は本部へバックされると聞いていましたが、その割合などは知りません。
この間、署長(課長など)は一切決裁をすることはありません。裏金つくりは、ヤミの仕事で正規の手順はとらないのです。必要な会計上の書類は全て経理担当者がひそかに下書きを作成し、署員(課員)に記入を依頼していたようです。裏金は副署長(次席、管理官など)が管理し、署長は月一回裏帳簿に決裁をしてました。本部に還流する裏金の詳細は、副署長、経理担当者と本部会計課のみが承知していたようです。これに触れるのはタブーであったように思います。
一部の新聞に道警本部総務課長が裏金の金庫番で各部に上納を指示していたとの記事がありましたが、私の総務課長時代にはありません。また、私が在籍した道警本部防犯部には部長経費がありました。他の部でも同じと思いますが、私は課(隊)長として在籍していただけですから、私からは申し上げません。
いわゆるキャリアの方が、どのように関与されたかは、それなりの立場でのご判断があるでしょうから、申し上げません。防犯部では部の管理官が裏金を管理し、事務は経理主幹が担当、部長経費は部内の各課が拠出していました。警ら部門、交通部門などのパトロール活動をする警察官には日額旅費が支給されますが、その一部を部署の運営費(裏金)にするためピンハネしていたようです。この問題は釧路時代に是正しようとしましたが、釧路方面だけが全額支給するのは適当でないとの理由でできませんでした。
裏金は何に使われたのか
署長交際費、異動の際のせんべつ、部内などの懇親会費、冠婚葬祭費、タクシーチケットの支払い等が主たるもので、本部では上級官庁や他官庁の接待費や議会対策にも使われていました。防犯部長時代に自ら歳末警戒視察への謝礼の意味で道議会議員を接待した経験があります。そのほか、警察署では各課(係)には運営費が渡され、緊急事件捜査の際の夜食代や小額の捜査費用などに充てられていたようです。特別に、捜査などで必要となる費用(旅費、報償費など)は、課長などの申し出により副署長が裏金から現金で渡していました。署員の出張の際に作成されるべき(正規の)旅行命令簿に私が決裁した記憶もありません。
署長などの交際費について
署長などには交際費が必要でした。一般の警察行政的な情報は、部内部外の非公式ルートの情報がいります。他官庁、民間の方、OBや警察に協力していただいている方やマスコミの方とのお付き合いもありました。転勤を重ねるとお付き合いも増えます。当時、予算の上では確か署長の交際費はなかったと思います。正規の交際費を受け取った記憶がないからです。組織として、裏金からの支出に暗黙の了解をしていたことになります。旭川中央署長のときは、毎月五万円前後。本部長や部長のときには七-八万円と記憶しています。
旭川中央署の会計書類について
こうした書類は監査の際にしか見ることはありませんでしたが、様式は同じだと思います。領収書もそうです。私は決裁印を押した経験がないので、印鑑は経理担当者が押印していたと思います。
着任したとき、同じ印鑑が二本作られ一本は自分のデスクに置き日常の決裁用に、一本は副署長か経理担当者が保管していたようです。領収書の印鑑は経理担当者がたくさん保管しているものなどを使っていたようです。各部署の担当者間で互いに交換し合っていると聞いたことがあります。名前は、実在の人物は電話帳か何かを、実在しない人は架空だと思います。架空の名前を考えるのは大変で、時として同じになってしまうとこぼしていたのを聞いたことがあります。
私はさっと(問題の書類に)目を通しただけですが、一つ一つ詳細に検討して使用者などに説明を受けるとすぐ真偽がわかります。
「捜査上の秘密」が問題となっていますが、捜査の秘密を守らなければならないことは、法令上当然です。私はどうしても名前を伏せなければならないときは、捜査報告書にその旨を明確にしていました。偽名を使うことはありません。そんなことをすれば、捜査自体の信用性が疑われることになります。
実際に、協力者の存在が外部に漏れ、その方に危害が及びあるいは及ぶ恐れが生じた経験はありません。
国や道の監査対策について
記憶では二回監査を受けたことがあります。一回は昭和五十九年ころ生活課長のときに会計検査院の、二回目は旭川中央署か札幌西署のとき道監査を受けた記憶があります。いずれも、何の指摘も受けませんでした。監査対象は、先ほどの書類のほか監査用の出勤簿(二重帳簿)、旅行命令簿などで、捜査書類などは対象ではなかったし、最初から署員などの面接調査はしないことになっていました。道の監査は形式的で、署長は監査委員に概況説明をするだけ。国の監査は大変で、書類の付き合わせ、会計の証拠書類に見合った-言葉は悪いですが-架空の事件をデッチアゲ、そのメモ書きの作成などに数カ月かかりました。その間、警察庁や本部会計課の予備検査が行われ、普段は見たこともない書類の名称を覚え、正規の決裁の手順を知るため何回も予行演習した記憶があります。
領収書に偽名を使うことについて
私は聞いたことはありません。そうしたケースでは、書類に「領収書の提出を拒否した」と記入されていたと思います。偽名を使う旨を口頭で報告させるとすると書類上何も残らず、後の署長が監査を受ける際に説明ができません。署長交代後も監査がありますので明らかにしておかないと説明ができないではないですか? 私の体験では、報償費を正規に支出したことは一度もないので、そんな報告は受けたこともないのです。
裏金づくりはいつ始まったのか
こうした問題を耳にしたのは、昭和三十三年ころの札幌中央署です。出勤簿にまるで囲んだ「出」という印が押してあるので先輩に聞くと「あれは空出張」と教えてもらったのが最初です。かなりおおっぴらにやられていたのです。その後、数多く転勤しましたがすべての部署で同じことが行われていたのは紛れもない事実です。時には、ニセ領収書などを命じられるままに作り、茶封筒入りの現金を受け取っていました。せんべつももらいました。階級が上がるに従って受け取る額も増えていったのです。
こうした仕組みは、私が道警に入る前からと思われ、始まりは知る由もありません。昔は、警察に協力するのは当然という考えが支配的であり、警察にも情報を買うという発想は警備公安警察以外は乏しく、優秀な捜査員は畑と称する自腹の協力者を持っていました。しかし、時代の変化が進むにつれ次第に情報が取れなくなってきました。しかし、すでにこうした費用が別の目的に使用されるシステムができあがり、現場まで報償費が十分下りていかないことになりました。その上、協力者を組織的に管理するシステムが確立されず、これを使う能力のある捜査員も育てていかなかった。稲葉元警部の問題は単なる個人の過ちではなく、こうした点にも要因があったと考えています。かつての優秀な現場の部下たちが命を絶ち、病に倒れ、職を失い、重い処分を受けました。
道警に対して期待すること
私はこの問題が出てから、(芦刈勝治)本部長が議会で質問に顔をそむける姿をテレビで見て正視できませんでした。(佐々木友善)総務部長はかつて、ともに仕事をした仲間ですが、立場上彼が世間の常識では通用しない答弁をしているのを聞き、気の毒で、先輩として申し訳なく思いました。私の発言で彼が苦しい立場になるのではと心配ですが、道警の更生のため努力してほしいと願っています。
かつて、こうした問題を内部に抱えながらも、道警では毎年重点目標を決めていました。その基本は「道民の期待と信頼に応える」ことにありました。しかし、現在は空々しいものに感じます。
四月には、新人が警察学校の門をくぐります。時代は変わっても警察官を志す若者は「社会正義のため」と希望に燃えていることでしょう。かつて、私もそうでしたように。しかし、三十八年の間に手を汚してしまいました。
現在はこうした不正行為が行われていないことを祈っておりますが、過去にこうした行為が組織的に行われていたのは事実で、それが今回明るみに出た以上、私たちOBと現職幹部は事実を認め、道民に謝罪しなければならないでしょう。そして、道庁などの問題に際し、現職とOBの人たちがそれを返済したことを見習うべきではないでしょうか。組織に人格はありませんが、構成員あるいは構成員であったわれわれにはあります。私に続いてくれる人が一人でも多いことを願っています。
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元道警最高幹部は何を語ったか(2)
http://newsnews.exblog.jp/238526/
2005-01-01T16:50:00+09:00
2005-02-25T18:18:21+09:00
2005-01-07T16:54:29+09:00
masayuki_100
|--元道警幹部らは語った
2004年3月4日。道警裏金問題を審議する北海道議会層武威委員会の冒頭、元道警釧路方面本部長の原田宏二氏は、次のように語りました。(詳細はココ)
信頼回復へ私情抑えて現在の心境や行動に至ったこれまでの経過を説明したいと思う。
私が裏金づくりに直接タッチしたのは、一九六四年四月に配置された当時の北見方面本部刑事課が最初。階級は巡査部長だった。初めて領収書や関係書類を、命じられるままに偽造した。その後、退職した九五年まで十七カ所の所属(部署)を転勤したが、何らかの形で裏金づくりに関与し、一部を受け取り、その存在を知っていた。
最初は立場が下で関心は無かった。階級が上がり、ほぼ全ぼうを知ったが、気持ちの奥底にしまい、現場の仕事に打ち込んでいた。しかし、道警中枢の管理部門で仕事をするようになって全体を知り、こんなことをしていていいのか、自省の気持ちが強くなった。
九〇年二月の旭川中央署長時代、道監査を受け、こんな会計処理がいつまで続くのか疑問を持った。九四年の会計検査後に私なりの行動を起こしたが、少数意見でしかなく、機は熟しておらず、何の改善をすることなく退職した。
その後、民間会社に七年勤めたが、ある官庁(道庁)出身の方が同じような(裏金)問題で一部を返還しており、その人に「道警は組織がしっかりしていていいね」と言われたのが忘れられない。この問題は、つまり官公庁では公然の秘密である。私は(道庁裏金)問題が浮上した時、すでに退職していたが、道警に自浄能力を発揮してほしいと思っていた。
しかし稲葉問題(道警の稲葉圭昭元警部=服役中=が在職中に覚せい剤や拳銃の密売に手を染めていた事件)があった。(稲葉元警部が所属した)銃器対策室が発足した時、私は(上司の)防犯部長で、事件に強い関心を持った。背景には協力者の運用あるいは捜査費の問題、人事管理の問題などがあると予想された。
さらに昨年、今回の旭川中央署の問題が明るみに出た。実は、問題になっている当時の署長二人は以前、私の直属の部下だった。彼らは真相を語る立場にはない、語れないということを強く感じた。他のOBも同じ。現職はなおさらだ。彼らはどんな場所でも機会でも多分、真実を語ることはない。警察組織はそういう組織だ。
二人が窮地に陥ったのを見かねて、同じことをした私が名乗り出て、道民に謝罪し、真実を話すべきだと判断した。
その後、マスコミなどで私が英雄のごとく扱われることになりつつあるが、本意ではない。私はこの問題に手を染めた男であり、何の改善もせず退職した男だ。道民におわびするために、ここへ来た。私も道警に三十八年勤め、組織への愛着もある。かつての上司もいる。部下もいる。同僚もいる。マスコミに話す時も非常に大きな葛藤(かっとう)があった。
再び話すことにより、かつて側近だった部下、お世話になった方々に再び迷惑を掛けることもあろう。しかし、これは彼らの責任ではない。私は、道警に残した過去の負の遺産を清算し、現在と将来の道警の信頼回復のため、私情を抑えて体験した事実を話したい。
(道議会総務委員会の)委員にもお願いがある。今、現場の警察官は肩身の狭い思いをし、士気も衰えている。「もうこの組織にはいたくない」という人もいる。みな優秀な警察官だ。むろん、真相解明や上層部の責任追及も大事だ。どうか、現場で働く多くの人を忘れないでいただきたい。例えば報償費の問題でも、どうしたら現場で使いやすくなるのか、議論していただきたい。
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「裏金の金庫番」だった元次長が語ったこと
http://newsnews.exblog.jp/238625/
2005-01-01T16:05:00+09:00
2005-02-25T18:18:45+09:00
2005-01-07T17:08:54+09:00
masayuki_100
|--元道警幹部らは語った
2004年3月1日。斎藤さんが札幌市の記者会見で配布した「私の主張」はこんな内容です。
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道警の報償費不正疑惑について自分のやったことを正直に述べます。
原田宏二さんの実名告白の後に高橋はるみ知事の「勇気を持って実名で話す人が出ることによって道民も私自身も一番知りたい事実が明らかになることを求めたい」との話がありました。悩み抜いた末、知事の発言も踏まえて市川弁護士と相談し、体験したありのままをお話しすることを決意しました。
今後は、疑惑解明に向けて、北海道知事をはじめ、北海道監査委員の皆さま、北海道議会議員の皆さま、マスコミ関係の皆さまなどのご理解とご支援をお願いする次第です。道警現職の皆さんやOBの方々には、私に続いて真実を述べてくれる方々が出てくれることを望んでいます。
【退職の経緯】
私は二〇〇一年三月に釧路方面弟子屈署次長(退職前警部、退職時警視)で退職しました。定年まで七年間ありましたが、五十三歳で退職しました。今問題になっている裏金づくりにイヤ気がさし、「おまえはバカか。何のためにこんなことをしているんだ」と自問自答し、悩み続けた末の結論でした。当然、家族は猛反対でした。当時はそれなりの収入があり、沈黙を守りイヤイヤながら定年まで勤めれば良かったかもしれません。
しかし、家族には「退職後の仕事が失敗して、収入が半減しても三分の一になっても、自分の生き方に正直でありたい」と説得して静かに道警を去りました。「悪魔の呪縛(じゅばく)」から解放され、安どの気持ちになったのも事実です。
【告白するに至った経緯】
道新に提供した資料は、私の手控えメモとして作成していたもので、公文書ではありません。
疑惑のニュースは、強い関心を持って見守ってきました。そして今回の原田(宏二・元釧路方面本部長)証言でした。
道警側の反応は予測したとおり「のらりくらり」。沈黙を守り、嵐が過ぎ去るのをこらえる組織にしか映りませんでした。この不誠実な対応に「道民をバカにしている。なめきっている」と怒りを抑えきれなくなったのです。道警が目標としている「道民の期待と信頼に応える強靱(きょうじん)な組織の確立」はどこへ行ったのか、と落胆の気持ちでいっぱいでした。加えて原田さんが孤軍奮闘する姿を見て、男として沈黙を守り通すことができませんでした。
道警と対決する決意を固めて身辺整理し、これまでいた職場を先月退職し、無職となった今、道民の前に名乗り出て謝罪し、事実を告白することにしたのです。
【裏金づくりの実態】
私は、旭川方面本部地域課次席と弟子屈署次長の時に裏金づくりに関与したことがあります。
<1>旭川方面本部地域課次席時代(一九九七年四月-二〇〇〇年三月)
同課には捜査に使える報償費(道費)や捜査費(国費)はありませんでした。裏金原資は、部下に指示してやらせたカラ出張です。道庁のカラ出張問題のほとぼりがさめやらない時期と記憶しており、部下から「次席、ヤバイんじゃないですか」と警告されましたが、カラ出張の書類を作らせていました。記憶では三回くらい、金額で一回一万二千円くらいです。回数や金額は間違っているかもしれません。
そのほか、地域課員の警ら作業手当と記憶していますが、当時はまだ(振り込みではなく)手払いだったため、ピンハネした現金を受領していました。記憶は定かでありませんが、着任前からピンハネ金額は決まっていたようで、毎月十日すぎ(?)に、庶務係長から五、六万円(?)を受領していたと思います。
裏金は、運営費や自分を含めた幹部の交際費にしていました。金額は数万円だったと記憶しています。自分は二カ月ほど受領しましたが、自責の念にかられ、以後は受領しませんでした。
その後、所属長(上司)の課長が交代して「次席、もうそんなことは止めれ」と言われ、その指示で幹部への交際費配分は止めました。しかし所属長から言われても、作業手当のピンハネだけは続けていたと記憶しています。課の運営費がゼロになるのと、全道の問題に波及するからでした。
<2>弟子屈署次長時代(二〇〇〇年四月-二〇〇一年三月)
(記者会見で)配布した資料の「ウラ金メモ」は、当時作成した裏金のメモの一部です。他の資料は、今後の手続きもありますので提出を差し控えさせてください。裏金づくりの実態はおおむね次の通りでした。
(ア)会計課から動態表のコピーをもらいます。
(イ)動態表とは、毎月の署員の動きを一覧表にしたもので、署長の動きを中心に署員の出張・当直など正規の事実が記載されています。そのすき間に、捜査員が報償費を(捜査協力者に)支出したように作り上げるのです。例えば、本当は事件書類を釧路の検察庁に公用車で送付に行っていれば、協力者と釧路市内で接触し、情報提供謝礼を交付したとして架空の報償費支出ができる。署長が本当の全道警察署長会議に出席していれば、支払精算書は「後閲」として決裁印を押せます。
他の部署にいた時、どうしても動態表がうまく組み立てられない時は、(署員が)正規消化した年次休暇を取得しないで勤務したように(偽装して)休暇届の書類をボツにしたこともあります。
(ウ)架空領収書
署員の「地域・交通・会計係」に書いてもらったほか、会計係長に頼んで、他部署の知り合い(窓口は同じ会計係の人?)に郵送して偽造してもらったこともあり、逆に私がどこかの次長に頼まれて署員に書いてもらったこともあります。従って国費であれ道費であれ、どの領収書をだれが書いたかは絶対と言っていいほど解明できません。
ただ、書いてくれる警察職員も腹立たしさがあってか、無意識か分かりませんが、先に押印だけしたものを渡すと、その印鑑の上に氏名をボールペン書きしてくるものがあり(日本人は署名の後に押印が一般的)、会計の予備監査でチェックされた記憶があります。
(エ)支払精算報告書
捜査員に直接書いてもらう(次長が赤ペンで下書きしたものを見ながら書いてもらう)のですが、弟子屈署では刑事係、生活安全係に書いてもらいました。交通係もあったかもしれません。
(オ)印鑑
偽造に使う印鑑は有り余るほどあり、自署の分のほか、他署の(偽造書類)にも使えます。印鑑が足りなくなればいくらでも他署に頼んで用意できます。
(カ)報告書用の印鑑と印肉
これは署長のもの、これは次長のもの、と印肉の濃淡にまで気を配りました。印肉スタンプを五個くらい用意し、書類に適宜自分で押印しました。捜査員の印鑑は会計係で全署員の印鑑を一括管理していたのでこれを使用していました。
<3>警察庁、道警本部、方面本部会計課の関与
会計検査院の場合、事前に予備監査、書類監査、本庁監査(ぶっつけ本番と同じく、所属長が警察庁職員に厳しく質問される)があって本番になります。
道監査の場合、弟子屈署時代は二、三カ月に一回、釧路方面本部会計課員が(事前に)来署し、会計係長が対面審査や書面審査を受けていた記憶があります。書類チェックは予想以上に厳しく、間違っている個所にはどんどん付せんを張られ、修正に大変な労力と時間を使いました。
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