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ニュースの現場で考えること

れれれ、逮捕前に「容疑者」? 中津川事件

岐阜県中津川市で家族ら5人が殺害される痛ましい事件があった。各メディアによれば、無理心中を図った結果らしい。ところで、この事件を報じた朝日新聞のHPには、こうある。

乳児含む家族5人殺害、容疑者は自殺図る 岐阜・中津川

27日午後1時50分ごろ、岐阜県中津川市坂下、会社員藤井孝之さん(39)から「義父に刺された」と、110番通報があった。中津川署員が、藤井さんの妻の父親で同市職員の原平(はら・たいら)容疑者(57)方に駆けつけたところ、家の中で計6人が首を絞められるなどして倒れていた。うち乳幼児2人を含む5人が死亡したほか、原容疑者宅から逃げようとしていた藤井さんも腹を刺されて重傷。原容疑者は、自分が殺したことを認めているが、自分の首を刃物で刺しており、重体。同署は回復を待って殺人容疑で取り調べる。
 同署によると、死亡したのは、原容疑者の長男で整体業の正さん(33)と母親のチヨコさん(85)、長女の藤井こずえさん(30)と、こずえさんの長男の孝平ちゃん(2)、長女彩菜(あやな)ちゃん(生後3週間)。
 調べだと、同日午前11時すぎ、原容疑者が約1キロ離れた藤井さん宅を訪れ・・・


記事はまだ続くのだが、なぜ、この57歳男性は「容疑者」なのか。もちろん、状況から見れば、彼が実行行為者であることは、ほぼ疑う余地はない。しかし、「容疑者(被疑者)」とは通常、裁判所発付の逮捕令状によって、捜査当局が身柄を拘束した人のことを指す。あるいは、書類送検された段階の人を指す。従って、「容疑者」呼称は、その当人の刑事司法手続き上での法律的立場を示すものであって、それを決め得るのは、司法捜査権を持った機関である。目の前で犯行を目撃しても、その行為者が直後に入院するなどして司法当局が回復を待っている場合は、「容疑者」ではない。

少なくとも私はそう理解していたのだが。実際、各新聞のHPを見ると、多くは「原事務長」などの表記を使っている(座りの悪い言葉ではあるが)。

いったい、朝日新聞は何をもって、「容疑者」としたのか? それとも57歳男性は(記事には出て来ないが)逮捕されたのか? 朝刊でも「容疑者」で通しているのか?
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by masayuki_100 | 2005-02-28 05:23 | ■事件報道のあり方全般