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ニュースの現場で考えること

「1人」

有名ブログ・ガ島通信さんが、「記者を辞めたほうがいいよ」というエントリを立てています。要は、何故記者をやっているのか、自分は記者に向いていないのではないか、ということを自問自答された内容です。

一般的にどの職業だって、得手不得手、向き不向きがあるわけです。さらに「何のためにこの仕事をしているのか」という問いかけにしても、どんな職業であれ、誰しも自分に問うてみるものです。私は転職で今の会社に就職しましたが、そのときも、その後も、それこそ何度も「なんで北海道まで来たのか」「なんでこんなことしているのか」と、それこそ繰り返し繰り返し自問しました。今だって、くだらない出来事に遭遇すると、しょっちゅう辞めたくなります。

それでも何とか続けてきたのは、「取材して、書き記す」という作業自体は、おもしろいと思うからです。仕事として単純におもしろい。とくに調査報道など、探偵ごっこ、知恵比べみたいな側面があって、ああ、面白いな、と思います。「○○のために」などというのは、後知恵みたいなもので、最初からそんなことを考えていたら、たぶん、この商売は続かないでしょう。ガ島通信さんは、友人の言葉を引用し、「取材先や街のおばあちゃんとかに『この前の記事良かったよ』とか言われて嬉しい」という話を書かれていました。私もそう思った時期がありますが、それは入社1、2年目のころで、その後は、そういうことではない部分で楽しさを感じたように思います。



それと、これは結構大事なことだと思うのですが、私は今の勤務先について、「この会社は」とか、そういう風には考えないようにしています。組織ですから、いい人もヘンな人もいるし、ヒラメも居れば孤高の人も居る。アホじゃないの?と思う人もいれば、さすがだなあと思う人もいる。当たり前ですが、いろいろです。そして、最後に信じられるものは自分しかありません。
ですから、私は上でも下でも、平気でモノを言います。飲んでグダグダ言うのは大嫌いですから、批判であれ何であれ、本当に言いたいことは昼間に正面で言うようにしています。

ガ島通信さんはまた、「連日の夜回りとデスクとの攻防の末に何があるのか…」と書かれていました。それも良く分かります。私もつまらぬ夜回りは、大嫌いでした。そんなものは無意味だと思った夜回りなど、全くしたことがありません。行け、と言われても、行かなかったことが度々です。たとえ上司・先輩であっても、おかしいと思ったことに対しては、どんどんモノを言ってきました。

ただ、そういう半面、自分で信じるところの取材は、徹底してやりました。自分で見つけてきた材料を元に自分で取材していく。それは本当におもしろいのです。で、やがて気付いたのです。(当たり前じゃないかと怒られそうですが)上司の指示から外れていようと、指示をサボタージュしていようと、それに代わる記事をきちんと書いていれば、そうそうボツにはされないし、徹底してそういう行動を取り続けていれば、(批判はあっても)原稿自体は受け取ってもらえる、ということです。つまらぬ上司や幹部がいても、そういう人に文句を言わせない仕事をしていれば、何とかなるものだと。

ガ島通信さんとは職場環境も職場の文化も違うでしょうから単純な比較はできませんが、最後は自分しかありません。会社員であってもフリーランスであっても、職種が記者である以上は、「1人」です。この業界にありがちな「なあなあ」の部分、体育会的な精神構造、組織のぬるま湯、事なかれ主義・・・、そういうものとは一線を画し、堂々と「1人」を目指してほしいと思います。
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by masayuki_100 | 2005-02-18 03:22 | ■ジャーナリズム一般