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ニュースの現場で考えること

ナカムラさんより 「1月23日の記事」について

「ナカムラ」さんという方からメールをいただきました。

1月23日の記事にコメントさせていただこうと思ったのですが、パスワードが必要なようで失敗してしまいました。なので、メールにてコメントを送らせていただこうと思いました。

パスワードがないとコメントできないのでしょうか?私はいまだに、このエキサイト・ブログの仕組みをきちんと理解できていないところがあって、「ええ、そうなのか?」と思ってしまいました。それはそれとして、以下にナカムラさんからのメールを転載します。本来は1月23日の「質問、質問、また質問、、、が必要では?」という私のエントリに対するコメント部分を想定して書いたものだそうです。以下に引用します(引用部分はゴシック)





「独立した、何人からも干渉され、又は規律されることがない」はずのメディアが与党議員に番組内容を事前に説明して回っていて、それを「当然のこと」とし、しかも、その番組に一言も二言もありそうな(日本の前途と歴史教育を考える議員の会の)議員だからこそ説明に行ったのだと堂々と言っている。そして、そういうメディアに対して、(政府の要職にもついていた)与党議員が、「情報が寄せられ」「事情を聴いた」し、「明確に偏った内容であることが分かり」「公正中立の立場で報道すべき」と「指摘した」などと自信を持って回顧し、言い切った。

やはり、私もどうかと思います。NHKにしても安倍さんたちにしても「どこが問題なの?」という感じですね。本音はどうだかわかりませんが、少なくとも最初のコメント出した時点では問題があるとは思ってなかったようですね。この鈍感さはどうかと思います。

朝日については正直どうでもいいと思っています。上の事実について朝日はもう関係なくなってますからね。朝日については、問題提起をしたということについては功績もあると思いますが、みなさんが指摘してるようにつめが甘すぎますね。みなさんが懸念するように、朝日のつめの甘さのせいで、このままNHKや政治家の方々が開き直ったままでいるようなことになれば朝日の罪は重いですね。メディア全体の痛手になると思います。そうならないために、他のメディアも踏ん張らなければならないと思います。なんだか他のメディアは及び腰ですが。

*上の事実について問題視するということは、朝日の記事や長井氏の発言に頼らなくてよいということです。これは、もし朝日の記事や長井氏の発言が崩れたときのための戦略という側面もあるようですね。

坂本衛の「すべてを疑え!! MAMO's Site」
http://www.aa.alpha-net.ne.jp/mamos/

>これだけで立派な取材テーマであり、これを問題と思わない記者がいれば、
>どうかしていると思う。

有力政治家の周りにいる政治部の記者たちの「使命」は「食い込む」ことであって、緊張感をもって「ぶつかる」ことではないと巷では言われてますね。NHKの政治部(現経営陣はその典型)や権力闘争にまで深く関わったナベツネさんなんかその典型だと言われています。そして、安倍さんや中川さんのような、現在の永田町で権勢を誇っている政治家の気分を害する取材を政治部はあまりしたがらないのでは?そして、テレビ局や新聞社では政治家とのいろいろなコネを持つ政治部の力はすごいので、全体として及び腰になってしまうのでは?と素人ながらに思うのですが、どうなんでしょうか?日本のメディアのダメさの典型としてこのようなことがよく言われるますよね。

ここ数年、朝日批判、マスコミ批判がネット上(朝日批判は保守論壇の得意メニューですが)でたけなわですね。批判はどんどんやるべきだと思いますが、私の問題意識からすると少々ベクトルがずれているような気かしますね。彼らの問題意識からするとそれは正しいベクトルなんでしょうが。

国境無き記者団の報道の自由度ランキングで日本は42位だったようです。私からすると、朝日も同じ穴の狢です。記者クラブ制度などについて、クラブ加入のメディアの記者さんたちはどのように考えているのか興味があります。


 国境なき記者団の自由度ランキングは、私も情けなく思いました。記者クラブ制度もその要因なのでしょうが、記者クラブ制度の適否よりも前に、結局、新聞やテレビ報道の多くが、「客観報道」という衣をまとい、その実、「面倒なこと」「現実を直視すること」を回避してきた、今も回避していることが、問題なのだろうと思います。

 例えば、森達也氏の「放送禁止歌」などを読むと、部落問題をいわば勝手にタブー視して、触らぬ神に祟りなし、とばかりに問題を掘り下げることを回避してきたことが分かる。旧ソ連や東欧圏、北朝鮮の「楽園」などを一方的に美化した歴史も、天皇の戦争責任に真正面から言及した経験もないのに(回避してきたのに)それを口にした人が撃たれると(例えば元長崎市長のことです)、とたんに「言論の自由が撃たれた」と言う。そうした事柄は結局、「面倒を回避する姿勢」に通じるものがある。権力や圧力団体、宗教など色んなところにタブーをつくってきたのは、結局、メディア自身が内部に抱える「事なかれ主義」だったのだろうと、思います。

 だから、週刊新潮の広告を一部削除したり、あるいは気に入らない広告を拒否したり、はたまた「右翼」に対する言論弾圧は軽視したり、共産党のビラ配り逮捕には不感症だったり、、、そういうことが続くのかな、と。つまり、思想がどうのこうのではなく、単に「面倒はいや」というだけはないか、と。そんなことまで考えてしまいます。そうでなければ、例えば、今の状況では、当該議員さんたち、あるいはNHK幹部に対しては、担当記者は質問に次ぐ質問を重ねるはずだと思うのですが。

 結局、田中角栄首相の金脈問題の際、政治記者たちが「知ってたけど書かなかった」(本当は書けるレベルになるまで取材していなかった)と繰り返した30数年前と、何にも変わっていないんですよね。
 ナカムラさんからのメール、とくに 国境なき記者団の自由度ランキングに関する、それが私の感想です。
ナカムラさんより 「1月23日の記事」について_c0010784_17453890.gif
by masayuki_100 | 2005-01-25 00:40 | |--調査報道について