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ニュースの現場で考えること

イラク まだ何も終わっていない

自衛隊のサマワ撤退が21日にも正式発表される、というニュースが流れている。サマワなどのイラク南部は、比較的治安が安定し、外国軍隊に頼らなくても、「イラク人による安全確保」が可能になってきたからだ、という。

そう聞くと、イラクはずいぶん平穏になったんだな、と思ってしまうが、実際はそうではない。今年に入っても、種々の自爆行為や英米軍などによる戦闘は続いている。先月だか先々月だかは、月別の犠牲者がイラク戦争後、最悪を記録したとも言われている。イラク戦争の犠牲者数を数えている英国の団体Iraq Body Countによれば、犠牲者はすでに、少なく見積もって、38、355人、多く見積もれば42、747人を数えるという。そのデータベースに分け入って種々の数字を眺めていると、それが無機質なデータの羅列だけに、いっそう悲惨さが伝わってくる。

欧米のイラク報道を見ていると、事態は「終結」とは、ほど遠い。日々の自爆事件だけでなく、この3年余りの期間に起きた忌まわしい「事件」も、次々にあぶりだされている。ベトナム戦争のときの「ソンミ村虐殺」に匹敵すると言われる「ハディサの虐殺」も、その一つだ。似たような事件は、過日、BBCなども「特ダネ」として伝えた。

すでに、事態は終わった感じが漂っていたアフガンでは、東部地域で住民を武装化させる計画も進んでいるという。旧支配勢力のタリバンが再び活動を活発にさせているため、治安対策として、住民に銃などを与える内容だ。計画が実行されるかどうかは不明だが、仮に住民に次々と武器が供与されたとしたら、これはもう、悪夢という他は無いように思う。付近の人口は、承知していないが、おそらく何万という数の人々が住んでいるはずだ。そのうち、どの程度の割合を武装させるにせよ、武器が広く流通すれば、争いごとの惨禍は、必ず拡大する。

結局、まだ、何も終わっていない。手厚い警護の中、米大統領が専用機でバグダッドに降り立って見せたとしても、事態は、終焉に向かっているわけではない。
by masayuki_100 | 2006-06-17 00:35 | ★ ロンドンから ★