ブログトップ

ニュースの現場で考えること

極右政党が大躍進、英統一地方選

全体で4300議席のうちの「32議席」だから、大した比率ではない。でも、5議席だったものが27も増えて32議席になったのだから、「大躍進」には違いないと思う。5日に開票があった英統一地方選での「英国民党(BNP)」のことである。

英国民党は、いわゆる「極右政党」と言って差し支えないと思う。「EU統合には反対。イギリスはイギリスたれ」とか、「移民はもうたくさんだ!」とか、「イギリス人のカネを外国人や移民のために使うな」とか、簡単に言えばそういう主張を繰り返している。簡単に言えば、「排外主義」だ。で、そのBNPが、低所得者層や先に移民として移り住み、英国に定着している人たち等から最近、熱狂的な支持を受けているのだという。

今回の選挙では、ロンドンのBarking & Dagenham という区で、50議席中11議席を獲得した。ここは元々労働党の牙城だが、「労働党がすっかり中道・右傾化し、働く者の声に耳を傾けてくれなくなった」という不満から、旧来の労働党票がBNPに向かったといわれている。

実は、というか、「実は」と言わなくても自明のことだが、日本の自民党と民主党の政策・政治スタンスに大きな差が無いように、英国でもブレア率いる労働党と、野党の保守党に政策・政治スタンスの差はほとんどない。労働党は、左派をばっさり切り捨てながら政権に就いたのだし、保守党が旧労働的な内容を訴えることもある。双方の政策のポイントを箇条書きにしたうえで、政党名を隠したら、たぶん、ふつうの英国人は見分けがつかないだろうな、などと思ってしまう。

そうなってくると、政権を狙う政党は、党首の見た目とか、言葉の迫力とか、威勢の良さとか、TVでの露出度が高いとか、そんなことでしか「差異」を打ち出しにくくなる。スキャンダルで互いに叩き合う図式もそうだ。で、「移民は出て行け」といった主張は、そういうすき間に入り込み、支持を広げていく。一気に勢力を増やすことは無いにしても。
by masayuki_100 | 2006-05-07 01:02 | ★ ロンドンから ★