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ニュースの現場で考えること

そして、年がまた重なる

日付が変わって、とうとう12月30日になった。あと1日と少しで、2005年も終わる。そう言えば、昨年の今ごろは、スマトラ沖地震が年末年始気分を吹き飛ばしていたな、とか、いろんなことを思い出しながらメールをチェックしていたら、学生時代の古い友人から久しぶりにメールが届いていた。

彼はいま、本州の山間の小さな町で家業を継いでいる。学生時代のある時期は、ほとんど毎日のように顔を合わせていた。なかなかの好漢で、冗談好きで、明るく、穏やかで、モテた。しばらく話もしていなかったが。メールには、こう書いてあった。

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こちらはと言えば、ひと言で言えば、家業の不振に喘ぎつつ、三人のこどもと妻、両親のために「死なない」で必死に戦っております。億の位の借金を抱え、体力の限り頑張っても、頑張っても頑張ってもなかなか事態の打開には至らないのが現実です。この状況で精神的にも鍛えられ、学生時代の(略)はすっかり影をひそめてしまいました(笑)

君の「新聞とは何か?」という自問に負けず劣らず、「生きるとは、人生とは?」を毎日考えずにはいられません。「今までの人生、ほんとに甘かった。人に甘えて生きてきたんだな」と自分を責めたり、でも一方でそうは思えない自分もいます。

この一年、身近なところで三人も自ら命を絶ちました。その度に、自身の命も削られる思いです。あまりに過酷だと思います。普通の人間が普通に努力してるだけでは普通に生きられない社会。この現状に憤りと虚しさをおぼえます。そういう意味でも、けして負けるわけにはいかないのです。もがいてはいあがって、必ず事態を変えてみせます。「逃げない」ことがこどもたちへの
自分ができる最大のメッセージだと思っています。

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彼が住む本州の山あいの町は、早くも雪に覆われている。今年の冬は厳しい。東京に居ても本当に寒いから、彼の町はこの何倍も寒く感じるはずだ。

そして、何の脈絡もなく、BigBangさんが少し前に書かれたエントリ「僕はいつ『ブロガー』」などという謎の生き物になったのだろう。」を読んだ。「僕らは静かに消えていく」も読んだ。

友人からのメールも合わせ、どれもが心に染みる。友人はメールの最後に「ありきたりですが、ばらばらにされた一人一人を結ぶ大きな仕事を君の力でぜひ実現してください。期待しています」と書いていた。その言葉を聞くことが、いまは苦しいくもある。けれども、私も他の誰も、進むことを止めるわけにはいかないのだと思う。進んでいる方角が分からなくても、足を前に出すことは止められない。。。いつの間にか、私や私のような世代は、そういう年齢に達しているのだ。

ではまた、来年に。

コメント欄で頂いた書き込みに、ぜひこれは返事せねば、と思うものも多々ありましたが、ごめんなさい、年をまたいでの返答にしたいと思います。
by masayuki_100 | 2005-12-30 05:20 | ■2005 東京発■