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ニュースの現場で考えること

警察官の職務質問が「強制」になる?

日本各地を猛烈な寒波が襲っている。ほんのこの間まで、「暑い、暑い。東京の夏はどうなっているんだ?」と思っていたのに、本当に時間はあっという間に過ぎる。相変わらず、バタバタと忙しく、しかも夜は連日の飲み会である。このブログは仕事時間外に書いているのだが、さすがに連日の午前様だと、自宅でパソコンのスイッチを入れる間もなく眠ってしまうことが多々あるのだ。

で、そうこうしていいるうちに、書こう書こうと思っていた記事の引用元がリンク切れになってしまった。読売新聞が11月28日夕刊2面で報じた記事について、である。リンク元のURLは、もう無意味なので省略するが、当該記事は「テロ緊迫時の重要施設警備、警察官の権限強化 法整備へ/政府」という見出しが付いていた。(以下、引用)

<政府は28日、テロ攻撃の危険性が高まった際に、首相官邸や原子力発電所など重要施設の警備に関する警察官らの権限を強化する法整備を行う方針を固めた。警察官職務執行法など現行法の改正に加え、新法の制定も検討する。早ければ来年の通常国会に提出する考えだ。
 警察官職務執行法などによれば、警察官や海上保安官による職務質問や車両検問はすべて任意で、拒否されると強制はできないため、重要施設へのテロリストの侵入を防ぎきれない可能性が指摘されている。 このため、政府内では「テロ攻撃を未然に防ぐには、警察官らによる立ち入り制限や強制的な職務質問が必要だ」との見方が強まっている(略)。
 検討している法整備は、国内や日本周辺でテロ攻撃の恐れが出てきた際、重要施設などの周辺を警戒区域に設定し、区域内での警察官らによる職務質問や警察施設への同行要請などに強制力を持たせる内容だ。重要施設としては、〈1〉首相官邸〈2〉国会〈3〉原子力発電所〈4〉大規模イベント会場〈5〉重要港湾施設--などを具体的に列挙する(後略)> (引用終わり)

私の生まれる2年前、1958年には、この警察官職務執行法(警職法)改正があり、これに対して、大きな反対運動が起こったそうだ。「デートもできない警職法」とか、そういう言われ方をしたらしい。でも、まあ、そんな古い話はどうでも良い。

これに関連する報道は、私の知る限り他に見当たらないが、仮に上記の記事がその通りだとすると、「ムムムムッ」である。住居侵入容疑などを適用すれば、「重要施設へのテロリストの侵入を防ぎきれない」ことはないようにも思うのだが、それでは足りないので、職務質問を「任意」から「強制」にすべきだ、と政府は考えているという趣旨だ。

これに関する警職法改正案が出ているわけではないので、何とも言えない部分は残るが、「強制的な職務質問」とは、どういう概念なのだろうか? 職務質問を拒否したら、その場で逮捕なのか? 首相官邸や国会、大規模イベント会場等々の地域制限は付す考えのようだが、そうであっても、例えば、「愛・地球博」や東京・有明の○○ショー、幕張メッセでのイベント付近で、怪しい行動を取っていたら「強制職務質問」の対象になるのだろうか? 

1958年の改正時には「デートもできない警職法」と言われたそうだが、だいたいにおいて、カップルは暗がりを好むし、そういう姿は怪しいといえば怪しい。だいたい、誰が怪しくて怪しくないか、「強制職務質問」の対象に誰を選び・選ばないか、そういう「基準」をどう定めるのか(もちろん、机上で決めた「基準」など簡単に拡大解釈されていくことは歴史が証明している)。共謀罪創設やら憲法改正国民投票法案の上程の動き、人権擁護法案の制定の動き等々に眼を奪われているうちに、また新たな、もしかしたら、とんでもない社会を招きかねない法改正が、実現に向けて動き出しているのかもしれない。

参考・「忍び寄る警察国家の影」 元国家公安委員長(国務大臣)白川勝彦氏のサイト
by masayuki_100 | 2005-12-19 12:48 | ■2005 東京発■