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ニュースの現場で考えること

結局、「個人」なのだ。

時々、「うおおおお」と叫びたくなる。それほど、ここ数年のメディアの閉塞ぶりは、すさまじい。このブログを立ち上げた理由も、何とも言えぬ閉塞感をどうにかしたいと思ったからだった。でも、こんなちっぽけな試みとは無縁なところで、メディア企業内部の「事なかれ主義」は怒涛のように渦巻いている。しかも渦巻きは激しくなる一方だ。

いまのメディアが最大の病は、組織が官僚化し、事なかれ主義・前例踏襲主義が蔓延し、だれも責任を取ろうとしない、新たな試みに臆病になっていること等々に最大の原因がある。そのことは、この10ヶ月、私もこのブログで書き続けてきたし、最近出した対談集「ブログ・ジャーナリズム 300万人のメディア」でも力点を置いて喋ったつもりだ。先日、集英社新書の「ご臨終メディア」を読んだときも、その内容があまりに的確で、かつ私の感覚と似ていて唸ってしまったほどだ。それほど、病気は重い。

しかし、ほんのわずかではあるけれども、「これじゃイカン」という動きは、細々と動き始めている。最近は企業内記者やフリーを問わず、そういう鬱屈した思いが、じわりじわりとマグマの胎動になり始めているのではないか、と。そうした類の危機感は、既存メディアの心ある記者は、十二分に抱いている。そしてチャンスを待っているのではないか、と。

この数ヶ月、いろんな人に会ったが、みんな驚くほど、「ヨコのつながり」を欲していた。「企業や組織の枠を超えて、個人が個人でつながるネットワークができないか」と口にする人も、何人もいた。大事なのは「個人」なのだ。会社の看板を外し、それでも「記者」として良心と力と役割を発揮していきたい、そのためにはどんな方法があるのか・・・。多くの人がその部分で考えをめぐらせている。時として、官僚組織以上に官僚的に振舞う編集幹部の姿を目の当たりにしながら、「自分はどうすべきか」と真剣に考えている。今はまだ、会社の看板の陰に隠れているけれど、そんな思いは、種々の組織でマグマのように熱を持ち始めている。

もちろん、メディア組織外でも「このままではダメだ」という人が増えているし、何らかの具体的アクションを起こそうという動きが、これもわずかだが、出始めているのは間違いない。私も「自由記者クラブ」構想なる夢想を虚空に放り投げ、それがどこに落ちるのか、目を凝らしている。

この先、何がどうなるか、明言はできない。結局、何も動かないかもしれないし、マグマが噴き上げることになるかもしれない。でも、「自分の胸の内でもマグマがたぎっている」と自覚する人は、どんどん増えているのだと感じる。そして早晩、そうした人たちは、こんないくつものネットワークのどこかに、「個人」として集まってくるのだと思う。
by masayuki_100 | 2005-10-28 16:29 | ■2005 東京発■