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ニュースの現場で考えること

憲法改正の国民投票は?

自民党と公明党の与党が300議席以上獲得し、おまけに、改憲論者である前原誠司氏が民主党の新代表になったことで、ここ数年、政権がやりたくてもできなったことが一気に(あるいはジワリと)進む雰囲気が漂っている。たぶん、その一つが憲法改正である。こう書くと、憲法改正をやりたがっているのは国民だ、各政党の議席比率はそれを示しているじゃないか、等々と反論されそうだが、それはひとまず脇に置いておく。

で、憲法の関係でいえば、最初に議論になるのは、「憲法改正国民投票法案」の行方だろう。これまでの議論では、この法案の中身は相当にいい加減だということが分かってきた。人権擁護法案や共謀罪などに勝るとも劣らぬ「みんな黙っておれ法案」なのである。そのことは、ずいぶん前に札幌のイベントでも発言したし、いい加減さの詳細は、ヤメ記者弁護士さんのブログ「情報流通促進計画」などでも詳しく論じられている。事実上の言論統制(ネット含む)だとか、問題点は種々あるのだが、それはまた別の機会に詳しく書くとして、大枠で言えば、私は問題は2つあると思っている。いずれも、法案が通って、実際に憲法改正案が提示された仮定した場合の話である。

一つ目。国民投票は、改正部分の賛否を個別に問うのか(=投票用紙には賛否を問う項目がたくさんある方式)、それとも一括で賛否を問うのか(=○×の記入箇所が一つしかない方式)、そこはどうするのよ、という問題だ。当たり前の話だが、憲法改正に賛成の人が国民の過半数を占めているからといっても、「賛成」の内容は一様ではない。24条は改正すべきだけど、9条改正はダメだとか、その逆とか、まあ、いろいろあるのである。

で、衆参両院が発議する改正案の改正箇所が1箇所、あるいは特定の一つの条文なら話は簡単なのだが、そうはなるまい。改正箇所が多数に上るのなら、その一つ一つを国民に判断させよ、というところが私の主張である。「この選挙は郵政民営化の賛否を問う国民投票だ」というセリフが先の衆院選では繰り返されたが、それと同じことを憲法改正でやってはいけないのではないか、と強く思う。

2つ目は、もし、発議された内容が国民投票で否決されたら、どうなるの?ということだ。例えば、9条について「自衛軍明記」の改正案が出されたとする。国会の人々の議論は、それが否決された際の対応については、これまでほとんど触れていない。地方自治体の住民投票などでは、たとえば産廃施設の立地が住民投票で否決されたら、その後、その自治体は住民投票で示された住民意思を尊重し、事実上、それに縛られる形で「脱・産廃宣言」を出すみたいな方向に進んだりするのだろうけれど、じゃあ、憲法の9条改正案が否決されたら、国会や国は「戦力不保持を定めた憲法が是認されたので、今後、自衛隊は縮小させます」みたいなことになるのだろうか。どうもそのへんが曖昧なのだ。
by masayuki_100 | 2005-09-22 12:41 | ■2005 東京発■