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ニュースの現場で考えること

今度の選挙は面白そう

任期中に行われた言動の全てが分かりやすかったわけではない。行財政改革一つとっても、公務員の削減、財政赤字の縮減など、当初の公約はほとんど実現していない。それでも、衆院解散に際しての小泉純一郎首相の言動は、ある意味、非常に分かりやすかった。

「郵政民営化」の旗を立て、それに賛同しない者は来るべき選挙で公認もしないという。郵政民営化がそれほどの争点かどうかの評価は別にして、過去の自民党ならば、ここで赤坂近辺の料亭に篭り、虚虚実実の駆け引きを連夜にわたって続け、そして、あっちの派閥とこっちの派閥が離合した、集散したと、お得意の「政局」を繰り広げていたのだと思う。ところが、聞き及んでいる限りにおいては、小泉首相は今回、そういった輪の中には入らなかったようだ。

郵政民営化法案が否決されたら衆院を解散すると言い続け、そして、本当に解散してしまったのだ。

郵政民営化論議は低調だったし、この問題に対する国民の関心もさほど高くないとされているが、しかし、曲がりなりにも、ときの政権が政策の是非を問い、それによって衆院を解散したのだ。これほど明確な態度を示した政権は、最近では珍しいのではないか。

小泉首相の掲げた旗は「郵政」だ。しかし、当人がどの程度意識しているかは別にして、結局のところ、首相は、経済においては、「徹底した規制緩和路線を歩んで米国型社会を目指すか、それとも政府にによる富の再分配機能を重視していくのか」を問い、外交・軍事面では「米国との一体化をますます強めるのか、それともアジア重視の姿勢を強めるのか」を問うているように感じる。この種の問題設定は、ほかの分野でも可能だ。つまるところ、橋本派が引き継いだかつての「保守本流」路線を、いよいよもって、バッサリと切り捨てようとしているのだと思う。

かつて、中曽根首相は、自らその地位に就いた際、「戦後政治の総決算」だと言ったが、「田中曽根内閣」と言われたように、実際は「総決算」内閣では無かった。歴史がそこまで進んでいなかったのだ。その点で言えば、小泉首相の志向こそが「総決算」に該当するのではないか。その意味でも、今度の選挙は非常に分かりやすいと思う。だから、私個人は今のところ、今度の選挙は「小泉志向」か、「非小泉志向」か、の争いだと、ぼんやり感じる。敢えて言えば、問題は、「非小泉志向」の議員たちが、どれだけ明確な「旗」を打ち立てることができるかにある。

もちろん、小泉首相以下、すべての候補者の言動については、仔細に観察する必要がある。そこには当然、過去の言動も含まれる。ブログやホームページを持つ議員も、相当に多くなった。「あの言葉は本当か」「あのとき彼はどう行動していたのか」「言葉と行動は一致しているのか」といったことも、以前よりは検討しやすくなった。その点から言っても、今度の選挙は、なかなか面白そうだ。
by masayuki_100 | 2005-08-09 01:22 | ■2005 東京発■