2005年 08月 05日
明徳義塾高校、甲子園出場を辞退
明徳義塾高校は、記憶では確か、私が中学校を卒業する年にできた(当時は「明徳高校」)。同級生の野球部員が「俺は野球が上手くなりたいから」と言って、明徳に進学したことを覚えている。開校当時から野球には力を入れていた証しだと思うし、その同級生の出場する試合を高知市営球場に応援しに行った記憶もある。ユニフォームは今と違って、白い帽子にエンジ色のアンダーシャツ、胸にはローマ字で「MEITOKU」と綴っていたと思う。明徳義塾に替わって出場する高知高校は、私の実家から歩いて10分程度の距離しかない。そんなこともあって、このニュースには特段の関心を持ったが、2つの野球部員たちに対しては気の毒としか言いようがない。
出場辞退のニュースを聞いて、私は過去に数回遭遇した「高校野球部の不祥事の内部告発」を思い出した。甲子園の大会が近づくと、「○○高校で実は不祥事があった」という類の、匿名の投書や電話が新聞社に届く。もちろん毎年ではないし、甲子園への出場が決定した高校のみが対象になっているわけでもない。しかし、私が直接関知しただけでも過去に数回あった。甲子園大会を主催している同業他社の友人に聞くと、彼らのところにも、同じような匿名告発が結構届くそうだ。おそらく、匿名の告発主は、全国大会への出場が取り消されることを期待して、電話や手紙を送っているのだと思う。そういう具体的な期待は無くとも、その高校野球部が困った状態に置かれるのを見てみたい程度の願望はあるに違いない。
こう言えば語弊があるかもしれないが、しょせん高校生の部活動の話である。どこかの官公庁や政治家等々が、不正を働いたといった話とはレベルが違う。
だけれども、そんな匿名告発が途切れないのは、やはりメディアの存在抜きには語れない。甲子園だけを特別の存在として取り扱ってきた新聞やテレビの所作が、大いに影響している。NHKの全国中継や新聞の大々的な報道が無いのであれば、明徳義塾高校の監督も「内々に不祥事を処理しようと思った」(昨日の記者会見の趣旨)などという心情には至らなかったのではないか。
進学校に進むために他府県の高校に行く生徒も居るし、野球留学が悪いとは思わない。野球学校はあっていい。しかし、それは、その程度の話でしかないし、個人的には甲子園、甲子園と騒ぐのは、もうそろそろ止めませんかと思う。私は何年も前に匿名告発に遭遇したとき、正直言って、全く取材する気力は無かった。たぶん、いまそんな告発を受けても、同じ感覚になると思う。
by masayuki_100
| 2005-08-05 14:30
| ■2005 東京発■