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ニュースの現場で考えること

小泉総理の、元「慰安婦」の方々へのおわび

来年春から使用される中学校の教科書検定が先ごろ終わった。その検定によって、各教科書から「従軍慰安婦」の記述が消えたという。

ところで、小泉純一郎首相は2001年、いわゆる「アジア女性基金」の関連業務の中で、<元「慰安婦」の方への総理のおわびの手紙>に署名し、「従軍慰安婦問題」は「当時の軍の関与の下に」あったとして、総理大臣として謝罪している。そのうえで、「おわびと反省の気持ちを踏まえ、過去の歴史を直視し、正しくこれを後世に伝える」と言っている。この<おわびの手紙>は、橋本龍太郎、小渕恵三、森喜朗の各歴代総理が署名しており、文面は毎回、同じものらしい。

アジア女性基金の基礎となったのは、1993年のあの河野洋平氏による官房長官談話である。それより前に行われた調査の結果、従軍慰安婦は「慰安所は、当時の軍当局の要請により設営されたものであり、慰安所の設置、管理及び慰安婦の移送については、旧日本軍が直接あるいは間接にこれに関与した」(談話より抜粋)と結論付けている。このときの調査、官房長官談話に対しては、その後、国会で種々の議論があり、調査がずさんだとか、多くの指摘がなされたようだ。

ただし、もし、「慰安婦問題」が存在しなかったとして、或いは、していなかったかのように、現在の日本政府の閣僚や要人等が振る舞い、種々の施策に反映させるのならば、まず、当時の官房長官談話を政府として撤回し、さらに、上で紹介した<手紙>等を破棄することを正式に表明しなければならないのではないか。それが、政治のルールだと思うのだが。

以下は<手紙>の引用。



拝啓

 このたび、政府と国民が協力して進めている「女性のためのアジア平和国民基金」を通じ、元従軍慰安婦の方々へのわが国の国民的な償いが行われるに際し、私の気持ちを表明させていただきます。
 いわゆる従軍慰安婦問題は、当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題でございました。私は、日本国の内閣総理大臣として改めて、いわゆる従軍慰安婦として数多の苦痛を経験され、心身にわたり癒しがたい傷を負われたすべての方々に対し、心からおわびと反省の気持ちを申し上げます。
 我々は、過去の重みからも未来への責任からも逃げるわけにはまいりません。わが国としては、道義的な責任を痛感しつつ、おわびと反省の気持ちを踏まえ、過去の歴史を直視し、正しくこれを後世に伝えるとともに、いわれなき暴力など女性の名誉と尊厳に関わる諸問題にも積極的に取り組んでいかなければならないと考えております。
 末筆ながら、皆様方のこれからの人生が安らかなものとなりますよう、心からお祈りしております。
 
敬具

平成13(2001)年
日本国内閣総理大臣 小泉 純一郎
(歴代署名:橋本龍太郎、小渕恵三、森喜朗)


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by masayuki_100 | 2005-04-11 05:36 | |--戦争と平和