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ニュースの現場で考えること

検察官リークを事実と認定した判決

東京地検特捜部の元検事、郷原伸郎氏の「検察の正義」(ちくま新書)を読んでいたら、ライブドア事件に関連し、ライブドア株で損失を被った機関投資家が、ライブドアに損害賠償を求めた民事事件について触れたくだりがあった。

裁判自体の筋立ては、ややこしいので省略するが、郷原氏の著作(83~84頁)によると、この裁判の判決理由の中では「…検察官が、司法記者クラブに加盟する複数の報道機関の記者に、報道されることを前提として…容疑事実の一部を伝達したこと」が認定され、さらに「…検察官によって粉飾決算容疑についてのリークが行われた事実を正面から認定し」たのだという。また昨年5月には、一般株主がライブドアを相手に起こしていた、同様の損害賠償訴訟においても「検察官のリークの事実を認定した上で」判決が言い渡されたという。

判決については、「御器谷法律事務所」さん、「弁護士阪口徳雄の自由発言」さんのページで、要点が解説されている。

それにしても、である。記憶力の乏しさとは恐ろしいもので、確かにそんな裁判はあったし、種々の報道に接したことも覚えてはいたけれども、2008年6月の一審東京地裁が、検察官のリークを判決で認定していたとは知らなかった。無知は罪、とは良く言ったものだと思う。引き合いに出して恐縮だが、私だけでなく、多くの報道関係者も知らなかった・忘れていたでのではないかと想像している。
by masayuki_100 | 2010-02-19 12:09 | 東京にて 2009