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ニュースの現場で考えること

有事、自治体は米軍指揮下に

国民保護法が成立したからには、当然、こういう動きが出てくる。関係法令では、「有事」の際の自治体の役割が定められているから、今後、各地で粛々と(私はこの表現は嫌いですが)、こうした動きが始まるのだ。

この記事を読んだ方は、「ああこうやって真剣に国民を守ることを考えてくれている、まだまだ安心できないけど、日本は国家らしくなってきた、大丈夫だ」と思うのだろうか。

以下は、yahooニュースからの引用(4月2日配信、元原稿は読売新聞)。

日米共同図上演習、初の自治体参加を検討

(以下、引用。下線は私)
 陸上自衛隊は2日、来年2月に熊本で行われる米陸軍などとの共同図上演習に、九州・沖縄8県の危機管理担当者らを参加させる方向で検討に入った。国民保護の基本指針が先月末に閣議決定されたのを受けたもので、図上演習とはいえ、戦闘を目的とする自衛隊の訓練に地方自治体が参加するのは初めて。演習では、弾道ミサイル攻撃など具体的な有事を想定し、住民避難や救援方法を検証することにしている。
 昨年6月に成立した国民保護法で、自衛隊は「有事の際、外敵の排除に支障のない限り、住民避難などで地方自治体を支援する」と規定された。

 一方の都道府県は、基本指針を下敷きに来年3月末までに、原発や離島へのゲリラ攻撃、都市部での市街戦などの有事を前提に、地域の特性に応じた「国民保護計画」を策定しなければならない
 だがこれまで、国民保護を目的とする法律がなく、陸自は「すでに住民は避難している」という前提でしか訓練してこなかった。また地方自治体も、防災訓練を除いて自衛隊の演習に参加した経験がなく、有事の際、自衛隊や米軍がどんな行動を取るのか、ほとんど把握できていない。
 このため、陸自は「米軍や自衛隊の行動を知ってもらうことはもちろん、効率的に住民を避難させたりするには、様々な有事を想定したシナリオに沿って、自治体の担当者らと意見交換しながら訓練する必要がある」と判断した。すでに一部の自治体とは参加方法などを調整している。
(後略)

日本は法治国家だから、法律が制定され、そこで決まったことが、粛々と実行に移される。それは当然である。しかし、このニュースを読む限り、どうしても「現実とのギャップ」を感じてしまう。ここで展開されるのは、図上演習とはいえ、現実の演習である。しかも、その舞台は、(自衛隊が事実上、米軍の一部として機能している以上、当然なのだが)自衛隊単独ではなく、日米の「共同」演習である。



この計画がこのまま進めば、日本の自治体は、「有事」の際、米軍の指揮下に入ることになる。そんなことがあっていいのだろうか、と思う。私はそもそも、最終的には、米国が日本を守ることなどないのだろうと感じている。かつての米中国交回復にしても、最近の円ドル戦略にしても、米系資本による日本の食い方を見ても、当然ながら、米国は圧倒的に自国のことしか眼中にないのであって、それは多くの人も感じていることではないか、と思う。

で、この記事に戻れば-。

「戦闘を目的とする自衛隊の訓練に地方自治体が参加するのは初めて」
「弾道ミサイル攻撃など具体的な有事を想定し、住民避難や救援方法を検証」
「米軍や自衛隊の行動を知ってもらうことはもちろん、効率的に住民を避難させたりするには、様々な有事を想定したシナリオに沿って、自治体の担当者らと意見交換しながら訓練する必要がある」

これを読んで、現実感を持て、という方が無理ではないか。少年漫画雑誌の戦闘ものの方が、よほど出来が良い。実際、こうした訓練を経て、自治体職員が多少慣れたとしても、それはあくまで演習の世界のことであって、現実はそうはいかない。

そもそも、日本はどこも人口が過密なのだ。万が一、某国が狙うとしても、都合よく、山岳地帯を狙ってくれるわけではない。狙うとしたら、都市しかない。「某国からミサイルが飛んできました(きます)ので、みなさん逃げる準備をしてくださぁーい」と、役場や役所の広報車で回っていくのか? テレビの緊急放送で「みなさん逃げてください。ミサイルが来ます!」と叫んで後は逃げるに任せるのか? いったい、数十万人はどこへ逃げたらいいのだ? 東?西? 川沿いに?それとも山に?・・・

考えれば考えるほど、これは戯画にもなりはしない。そう、ミサイルを前に、日本国民が逃げる場所など、どこにも無いのだ。それに、万が一、国内が「有事」になったら、自衛隊や米軍は日本国民に構っている暇はないだろう。戦闘は、そんな悠長なものではない。それとも、「非常時」や「危機」「不安」を先頭に突き出して、ただ「邪魔するな」と?
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by masayuki_100 | 2005-04-03 03:03 | |--戦争と平和