2005年 03月 31日
サッカーW杯、ピョンヤンで観客騒ぐ
今から5年前の4月にピョンヤンに行ったことがあります。日中国交正常化交渉が久々に開かれるとあって、日本側の政府代表団にくっついて行っただけの話ですが(北朝鮮が拉致を公式に認める前です)、そのときに感じた異様な「秩序」の感覚からすれば、「騒ぐ」こと事態に、何か決定的な差を感じます。当然のことながら、ピョンヤンの街を自由に歩くことが出来たわけではありません。どこに行くにも「案内人」が付いてきましたし、国民との会話も自由にはできませんでした。日朝双方の代表団が河原で焼肉パーティー(肉はアヒルでした)を開いた際、近くには「国民」が居ましたが、それとて、当然に演出でした。
もちろん、私は北朝鮮の専門家ではありませんから、騒ぎの意味を的確に分析することなどできません。
でも、夜になるとビル街の電気が一部を残して全て消えてしまう、不気味なまでの静けさ、うつ向き加減にひたすら歩く人々の群れ、、、、当時、異様なまでに秩序だったものを感じた体験からすれば、今回の騒ぎは、信じられない思いです(それとも珍しくはない出来事なのでしょうか?)。北朝鮮に行った経験のある方は、多かれ少なかれ、あの異様な「秩序」をそれこそ皮膚感覚で感じたと思います。その観客が、たとえ排外主義的なものだったとしても、秩序を乱して大群衆として騒ぎ、しかも警官や軍人を押し退けるようにしている。こうした騒ぎも演出なら話は別ですが(その可能性は報道を見る限り少なそうです)、そうでないなら、しかも首都ピョンヤンで起きたことに、本当に驚いてしまいました。
爆発寸前のマグマが、相当にたまっているのかもしれない。これが「次」へのきっかけになるのかもしれない。。。何の根拠もなく、そう思ってしまいます。
ピョンヤンでの日本戦に向け、すでに観戦ツアーの販売も始まっていますが、行きたいなあと思わせてくれます、今回の出来事は。ネットでざっと調べたところ、観戦ツアーは一部観光も含まれているようです。日本の感覚からすれば、観光地と呼べる観光地などないのでしょうし、観光ポイントはたぶん、壮大な演出の連続です。でも、私もそうでしたが、移動の際に乗り物の車窓から見える種々の現実は、これは覆い隠しようがない。そんな実情が目にできるのなら、それだけでも、また行ってみたいなあ。

by masayuki_100
| 2005-03-31 19:58
| ■政治・経済・国際