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ニュースの現場で考えること

役所は「裏金」と縁を切ることができるのか

千葉県庁で2007年度までの5年間に30億円の裏金がつくられていたことが判明したと、各紙が報じている。少し前は、名古屋市で4000万円の裏金が発覚した。その前は岐阜県でもあったし、宮崎県でもあった。それよりも10数年前の1990年代半ばには、それこそ全国の道府県で裏金が次々と発覚し、日本は「裏金列島」と化したこともある。あのときは各紙が大キャンペーンを続け(北海道新聞もその先頭を走っていた)、各自治体も職員の負担で裏金の一部返還を行うなど、「反省」もそれなりに行われたように思う。

しかし、「反省」など全く表面的なものでしかなかったことは、その後も次々と各役所で裏金が発覚したことが見事に証明している。裏金の手口も、各地で共通している。カラ出張、カラ会議、カラ会食、カラ雇用、カラ発注、カラ残業、カラ工事。最近になって注目を浴びているのは、業者とつるんだ「預け」である。

裏金づくりの主体も、一般行政部門から病院、公営事業、学校・教育委員会、そして警察まで。中央省庁で裏金が発覚した事例はさほど多くないが、数年前には財務省が「架空勉強会」をつくり、そこへの支出として毎年、数千万円を計上していたことがあった(参考 財務省予算の「架空計上」問題 )。

日本でこれだけ「裏金文化」が続いているのは、役所に「民主主義」意識が全く浸透していない証左である。当たり前の話だが、予算は住民・国民の代表たる議会のOKがあって、初めて決まる。予算の使途を決めているのは、議会なのだ。裏金はマネーロンダリングであり、議会が厳格に決めた予算の使用目的という縛りを、公務員が勝手に外し、公務員が自由に使える金をつくりあげることだ。裏金こそは、純然たる議会無視、国民無視、民主主義無視の「犯罪」である。

いや、「犯罪」にカギカッコを付ける必要もない。役所は公文書、私文書等を作成しないと裏金をつくれないから、裏金発覚のウラでは、おびただしい数の文書が不正に作成され、行使されている。虚偽公文書作成、同行使、私文書偽造・同行使、そして詐欺、横領…。まさに犯罪のデパートである。しかも、これを取り締まる側の警察も組織的な裏金作りが方々で発覚してきたから、まともに摘発することもできない。

日本の役所文化の普遍性、「裏金文化」の浸透ぶりからすれば、おそらく、中央省庁レベルでも相当の裏金が存在してきたのだろうし、現に今も、それが幅広く横たわっている可能性は少なくない。民主党の新政権は、徹底した情報公開で、この宿痾にも徹底的に斬り込む必要がある。
by masayuki_100 | 2009-09-08 11:03 | 東京にて 2009