2005年 03月 13日
道警元最高幹部、外国人記者を前に語る
ここに講演記録があります。必読です。
(以下は一部抜粋)
2000年、相次ぐ警察の不祥事を契機に民間有識者による警察刷新会議が設けられ警察の改革に関する緊急提言が示されました。そこでは、警察組織の閉鎖性、国民の批判や意見を受け入れにくい体質や、「時代の変化」への対応能力の不足などが指摘されました。今回の一連の裏金問題への警察の対応は、こうした警察の問題点が何一つ改善されていないことを国民の前にさらしてしまったのです。具体的にお話しましょう。
*警察の閉鎖性
警察は、階級組織です。よく鉄のピラミッドと称されます。警察一家として団結が強く、たとえOBになってもそれは続きます。しかし、鉄のピラミッドは、外から内部を窺うことはできませんが、内部から外を見ることができません。
裏金の問題に限って見てみましょう。
そもそも、日本人は、警察に協力するのは善良な市民の当然の義務だとする考えが根強いのです。おそらく国民の大半は警察に「捜査協力謝礼」なる予算があることすら知らないでしょう。一方、警察内部には「金のことを口にするのはタブー視する傾向」があります。現場の捜査員には「武士は食わねど高楊枝」~武士は対面を重んじるのでたとえ食事をしていなくても,食べた後のようにゆうゆうと楊枝を使う~貧しい環境にあっても気位を高く持つべきである~という言葉がありますが、私費で協力者に謝礼を渡して情報を得ることが多かったのです。上層部もそれを知りながら見てみない振りをしていたのです。仕事に必要な経費を自らが負担する。こうした異常なことが何の疑いもなく続けられていたのです。上も下も警察内部の論理でしか行動できないのです。しかも、上位下達は容易ですが、下意上達はほとんどできない組織です。
私は、今回の問題で警察官の自殺が多いのに気がつきました。この10年間で331人もいるのです。稲葉事件でも1人、裏金問題でも1人、いずれも私のよく知っている昔の部下です。話が横道にそれますが、私は、1977年に全国の若い警察官20人ほどを引率してアメリカの警察を視察したことがあります。今でも印象に残っているのはフラデルフイヤの警察署の講堂の壁に掛かっていた殉職警察官の制帽です。(FBIの数字では、2003年の全米の殉職警察官は132人、2.8日に1人)おそらく、日本では殉職する警察官より自殺する警察官の方が多いのではないでしょうか。これは異常です。
(以下、さらに続いていますが略)

by masayuki_100
| 2005-03-13 04:23
| |--元道警幹部らは語った