2019年 05月 11日
放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会委員に就任しました。
放送倫理・番組向上機構(BPO)の「放送倫理検証委員会」委員に就任しました。任期は3年の予定です。
2017年 04月 11日
高知新聞社を退社し、東京都市大学メディア情報学部教授に就任しました。
2016年 12月 25日
新刊 「権力に迫る『調査報道』」 のご案内

私のオリジナル原稿は最後の方。昨年秋に日本記者クラブの記者ゼミで、「調査報道とはなんぞや」みたいな話をしました。その記録を再録した内容です。
全体としては「取材ノウハウの共有」を狙った書物ではありますが、かといって単調で無味乾燥なノウハウ本ではありません。まず、読み物として面白く読めるかどうか。そこに力点も置いています。
私自身が特に気に入っているセリフは、イタリア人ジャーナリスト、チャラントラ・アレッシアさん。「**新聞社記者」から「**新聞社」を取ったらただの記者、「日本人記者」から「日本人」を取ったらただの記者、みんなただの記者、なのにどうして**社記者とか、日本人記者とか、言いたがるの? みんなただの記者。それが分かれば記者同士の協働もできるはずなんだけど、その会社の壁を超えられない。。。そんなインタビューでした。
よかったら、ぜひ読んでください。
記者仲間には、取材ノウハウが詰まった実践書として。
ジャーナリストを目指す学生さんたちには、先人のパッションが詰まった本として。
多くの市民の方には、取材最前線のせめぎ合いの、そのスリリングな読み物として。
そこそこおもしろいと思います!
ぜひ、よろしくお願いします m(_ _)m
厳しいご批評もお待ちしています。
★調査報道の取材。そのプロセスや考え方、報道界内部の問題や将来像を語ってくれた8人は以下の方々。共通事項も違いもたくさんありますが、私が意訳すれば「メディア(=情報の運搬道具)や枠組み、協業態勢などは変わっても、報道そのものの意味や意義は変わらない」ということでしょうか。
・秦融さん・木村靖さん(中日新聞、イラク戦争における空自の部武装米兵輸送の取材)
・石井暁さん(共同通信、自衛隊の海外での秘密情報活動に関する取材)
・萩原豊さん(TBS=NEWS23編集長、福島原発取材)
・日野行介さん(毎日新聞、原発事故関連の取材)
・日下部聡さん(毎日新聞、憲法解釈の変更に関する内閣法制局の公文書未作成などの取材)
・アレッシア・チャラントラさん(イタリア人ジャーナリスト、ICIJ、パナマ文書取材)
・立岩陽一郎さん(ジャーナリスト、元NHK、調査報道NPOのiAsia パナマ文書報道などに関して)
★大西祐資さん、松島佳子さんのオリジナル原稿もあります。
★詳細は旬報社のHPで →
http://www.junposha.com/catalog/product_info.php/products_id/1138
2016年 10月 27日
「調査報道セミナー」のご案内
2015年 09月 22日
「2015年 秋のジャーナリスト講座」 のお知らせ
私は10月31日、11月1日の両日、「文章講座」を担当します。文章の書き方は取材方法と裏表。文章力と取材力、ものの見方などには、れっきとした相関関係があります。講座では、それをゆっくりお話ししたいと思います。ご関心のある方は、ぜひ所定の手続きで申し込みをどうぞ。
【日本ジャーナリスト会議(JCJ)
2015年秋のジャーナリスト講座のお知らせ】
記者はどのような仕事をするのか、苦労ややりがいなどについて、現場の記者やOBの方々から、率直なお話をしていただきます。文章の腕を磨く講座もあります。
《開催日時とテーマ・講師》
【10月のプログラム】
★10月4日(日)午後1時半から5時=東京・日比谷図書文化館小ホールで
「記者の仕事とは――原発事故被災者取材で考えた」
毎日新聞特別報道グループ・日野行介記者
★10月10日(土)午後1時半から5時=東京・日比谷図書文化館小ホールで
「現場記者座談会――辛さ・面白さを縦横に語る」
朝日新聞社会部・青木美希記者、沖縄タイムス東京支社編集部長・宮城栄作記者、東京新聞政治部・原田悟記者
★10月21日(水)午後6時半から9時半=東京・日比谷図書文化館小ホールで
「海外取材・調査の理論と実践」
三井物産戦略研究所主席研究員・白戸圭一氏(元毎日新聞ワシントン特派員)
【報道文章講座】
★10月31日(土)午後1時半から5時=日比谷図書文化館セミナールームB
「相手に伝わる報道文章の書き方」① 高知新聞・高田昌幸記者
★11月1日(日)午後1時半から5時=会場未定(10月2日に決めます)
「相手に伝わる報道文章の書き方」② 高知新聞・高田昌幸記者
【11月のプログラム】
★11月7日(土)午後1時半から5時=東京・神保町の岩波セミナールーム
「地方紙記者の新たな役割とは――地域と中央をにらんだ複眼思考」(仮題)
神奈川新聞記者ほか地方紙記者の対談(交渉中)
★11月18日(水)午後6時半から9時=東京・神保町の岩波セミナールーム
「組織内記者の働き方――新聞社に就職して記者になるとは」
共同通信編集局企画委員・美浦克教記者
★11月23日(月)午後1時半から5時=東京・日比谷図書文化館小ホール
「テレビ報道番組の現場」
日本テレビ報道局チーフプロデュサー・谷原和憲氏
(「真相報道バンキシャ!」を担当)
《参加要領》
資料代:各回とも1000円(定員40人)
(報道文章講座のみ2回参加で4000円=定員18人)
要予約:
参加希望の方は氏名・希望日・連絡先電話番号。メールアドレスを明記して、
下記へメールでお申し込みください。確認メールをお送りします。
宛先:jcj13kouza@yahoo.co.jp
なお、報道文章講座(10月31日と11月1日)へ参加ご希望の方は
10月10日までに800字の作文(テーマは「安全」「日本」「記憶」のいずれかで一つを選ぶ)を
あらかじめ上記アドレスにメールでお送りください。選考のうえ、参加の可否をご連絡いたします。定員に制約があるためです。貴意に沿えない場合もございますが、どうぞご了承ください。
主催:日本ジャーナリスト会議
東京都千代田区神田神保町1-18-1千石屋ビル402号
電話03・3291・6475
ファクス03・3291・6478
【会場のご案内】
◎日比谷図書文化館 小ホール(4階) セミナールームB(4階)
東京都千代田区日比谷公園1-4
地下鉄・内幸町か霞ヶ関駅から近い
◎岩波セミナールーム
東京都千代田区神田神保町2-3
岩波ブックセンターが入るビルの3階(階段は裏手に)
地下鉄・神保町駅からすぐ
2015年 02月 27日
文章をどう書けば・・・ 新著「伝える技法」のご案内

新著「伝える技法」は、それらの内容を下敷きにしています。「文章の書き方」本ではありますが、いわゆる実用書とは少し違うと思います。主に高校生、大学生向けです。
文章は本当に難しい。毎日のように文を書き、読み、読み比べているのに、難しさは変わりません。
そんな私がこんな書籍を作っていいのかどうか、今でも惑いが残っていますが、ぜひ手に取っていただけたら、と思います。
目次の主な内容は以下のとおりです。
<第1章 読みたくなる文章を書くには>
オリジナルであること
作文は冒頭がすべて
「一番の一番」を探す
冒頭の「一番の一番」が重要
“起承転結”でながれをつくる
完成度高める「結」
<第2章 一文一文を正確に書く>
曖昧な言葉よりも具体的な言葉を
短いセンテンスで「切れ味」を出す
言葉には順番がある
無駄な文字を削る
接続詞を削る
本当に受動態で良いか?
<第3章 ちょっとした技で見違える文に>
「!」の多用は慎む
「?」の多用も慎む
会話文の「 」は発言主を明確に
体言止めを減らす
適切な改行
豊富な語彙力が役に立つ
決まり言葉を使わない
二重主語を排除する
語尾に変化をもたせる
しゃべり言葉を使わない
<第4章 文章力をみがくには>
“悪文”添削で欠点・短所をつかむ
八〇〇字の作文を仕上げる
詳しくは → 旬報社のホームページでどうぞ
あるいは → アマゾンのページでどうぞ
2014年 10月 14日
早大・花田達朗教授「朝日新聞吉田調書 記事取り消し事件」から
「朝日新聞吉田調書記事取り消し事件」
出来事の名前は重要である。発生した出来事にどのような名前を与えるか。命名の仕方はその出来事の意味の解釈および定義付けを含んでいる。そして、重要なのは、その出来事はその名前ととともに歴史に記録され、人々に記憶されるということである。権力側の視点から命名され、メディアもそれを受け入れた「外務省機密漏洩事件」という名前が「沖縄返還密約事件」に修正されるのに何年を要したことか。
さて、2014年9月11日夜の朝日新聞社の木村伊量社長の記者会見、そして同紙の翌日朝刊の謝罪紙面はどのように見ればよいだろうか。大きな出来事であったことに間違いはない。
9月12日の1面には、次のような見出しが並んでいる。
①吉田調書「命令違反し撤退」報道 本社、記事取り消し謝罪
②慰安婦巡る記事 撤回遅れを謝罪
③池上氏連載判断 「責任を痛感」
見出しは①が特大で、②から③へと小さくなっていく。この順番と比重の違いは社長記者会見の構成と筋書きを忠実に反映している。謝罪の記者会見はこの3部構成および軽重の付け方であった。質疑応答で社長自身が述べたように、それは①のための謝罪会見であり、それがメインと位置づけられていた。社長が①のときだけ起立して頭を深く下げたことにもそれは示されていた。
では、その①はどのような理由で謝罪が行われたのだろうか。紙面掲載の社長のお詫び文から引用しよう。「(・・・)吉田調書を読み解く過程で評価を誤り、『命令違反で撤退』という表現を使ったため、多くの東電社員の方々がその場から逃げ出したかのような印象を与える間違った記事になったと判断しました。」 そこで記事を取り消し、お詫びするというのである。
つまり間違ったのは資料の「読み解き」と記事の「表現」だと言っているのである。そうであるのならば、訂正記事を出せばよく、記事のすべてを取り消す必要はないのではないだろうか。ましてや社長が謝罪記者会見を開く問題ではないだろう。記事の「表現」という問題で、そのようなことをした新聞社があっただろうか。
この不可解さを読み解くためには3部構成のシナリオに戻らなければならない。その関係性の中で見なければならない。それぞれの謝罪の原因と中身が異なっていることに注意しつつ、その比重を吟味してみると、事の重大さからして、順位は逆転して、③、②、①となるのではないか。つまり③は明確な経営による編集への介入事件であり、そこでの非を認めたということである。「編集と経営の分離」は朝日新聞社が長く維持してきた原則であり、それが木村社長のもとで崩れたということである。ほかの全国紙と変わらなくなってしまったということである。コラム原稿の掲載を復活させたからといって、それで済む問題ではない。それは編集局の記者たちにとっても同様であって、かれらは掲載された時点で満足したのだろうか。かれらに「編集と経営の分離」原則への理解と問題意識はあるのだろうか。
このように見てくると、③と②を小さく見せるために①を無理矢理、強引に大きく仕立て上げたのではないかという推測と疑念が生まれる。この工作によって、朝日新聞社執行部(経営)は新たな大きな過ちを犯してしまったと言えるのではないか。つまり、執筆した記者たちに記事の論拠と正当性についての弁明の機会を紙面で与えることもなく、「思い込みや記事のチェック不足」と断罪し、かれらを切り捨てたのである。これも「編集と経営の分離」が一応守られていた時代には考えられない事態であろう。そして、このことを③で上層部への批判の声を挙げた編集局の記者たちはどう考えるのだろうか。
最後に再び、「朝日新聞吉田調書記事取り消し事件」と名付けられ記録されるべき、この出来事の本質とは何であろうか。それは、戦後最大級の経営による編集への介入であり、その介入に論拠を与える日本新聞協会「編集権声明」の問題であり、したがって「内部的メディアの自由」、すなわち「ジャーナリストの自由と自律」が侵害されたという事件なのである。決して「朝日新聞吉田調書誤報問題」ではない。
2014年 09月 06日
文章講座のお知らせ 10月5日、東京
2014年 04月 25日
「真実 新聞が警察に跪いた日」が角川文庫に
2012年に柏書房から出版した「真実 新聞が警察に跪いた日」が文庫本として角川文庫から出版されました。柏書房版に字句の修正などを加えたほか、最終章「秘密」を新たに書き加えています。巻末の解説は、「公安警察」「国策捜査」「トラオ」などの著書があり、テレビでも活躍中のジャーナリスト・青木理さんです。
アマゾンのサイトはココから。
電子書籍版は

「真実」がどんな内容であるかは、これまでの書評を読んでもらった方が早いかもしれません。WEB上で読むことが出来る書評には、次のようなものがあります。
【週刊文春「文春図書館」2012/05 「新聞はなぜ権力に屈したか」】から
登場する歪んだ精神の持ち主たちとその人間模様だけに目を奪われていては、本質を見失ってしまう。この作品の凄さは、企業(組織)ジャーナリスト、ジャーナリズムが抱える「いびつな社内文化」による「ジャーナリズムの崩壊過程」を見事な筆致で描写している点である。
ジャーナリズムの機能のひとつに「権力監視」がある。この作品を「ジャーナリズムを放棄した北海道新聞」として読むのではなく、同様のことが日本の企業ジャーナリズム、いや企業そのものに巣食うていることを再認識すべきであろう。
【月刊「選択」本に遇う(連載150)「やがて悲しき調査報道」】から
新聞には二種類ある。面白い新聞と面白くない新聞と。発表ものばかりの新聞が面白いわけはない。面白い新聞とは、独自の調査報道に満ちている新聞である。警察裏金を追及する高知新聞や道新は連日きっと面白かったろう。ところが高田昌幸著『真実 新聞が警察に跪いた日』を読んで愕然とした。これは一体どうしたことか、なぜこんなことになるのか。
【装丁家・桂川潤さんのサイト(2012/08)】から
いったい何が真実で、何が正義なのか。取材者対権力、個人対組織の葛藤。「良心」だけで生きることのできないジャーナリストという仕事の厳しさを突きつけられる。もちろん本書の問いかけは、ジャーナリズムだけに向けられたものではないはずだ。
2014年 04月 13日
「調査報道セミナー 2014夏 in 関西」のお知らせ
以下のURLで開催要領のPDFが開きます。内容はこのエントリの情報と同じです
7月26日(土)13:00~17:30(12時50分開場)
「2012春」「2012夏」「2013冬」に続いて、今回は4回目。これまでと同様、会社員記者、フリー記者、研究者、学生など調査報道に関心を持つ人に集まってもらい、議論する予定です。「調査報道」に興味のある方は、どうぞ足をお運び下さい。
【報告1】原発事故を重層的に検証 13:10~14:25(質疑25分)
東京電力テレビ会議記録の公開を迫るキャンペーンを展開、開示映像から音声部分を文字化した。東電本店、福島第1原発の現場、官邸、福島で起きた出来事を同時間で重ね合わせ、その時、何が起きていたのを詳細に分析した。
【報告2】福島県の健康調査の実態を詳らかに 14:40~15:55(質疑25分)
日野行介さん(毎日新聞記者)
福島第1原発事故を受けた「県民健康管理調査」の第三者委員会の前に、秘密会を開いて県と第三者委が意見調整している実態を明らかにした。被ばくによる健康被害を小さくみせるためであることを証明した。
【報告3】防衛機密の壁を越える 16:10~17:25(質疑25分)
石井暁さん(共同通信編集委員)
5年半の取材を経て、陸自の秘密情報部隊「別班」が冷戦時代から、首相、防衛相にも知らせず独断で海外情報活動をしていたことを報じた。文民統制を完全に逸脱した行為の問題点を追及する。
参 加:定員80人。要予約。
お名前、連絡先、所属などを明記し、申込専用アドレスへメールをお送り下さい。
折り返し、整理番号を連絡します。
☆アドレスは tyousahoudou @ hotmail ドット シーオー ドット ジェーピー (こぶち宛)
(@以下は英小文字・スペースなし)
参加費:一般2,000円・学生1,000円(資料代を含む)
懇親会:セミナー終了後、会場近くで懇親会(会費制)を予定しています。
セミナー申込メールで、懇親会参加の有無もご連絡ください。
会場アクセス:
会 場:キャンパスプラザ京都・第4講義室(JR京都駅前)
京都市営地下鉄烏丸線「京都駅」、JR「京都駅」、近鉄「京都駅」下車。徒歩5分。
※ビックカメラ前、JR京都駅ビル駐車場西側
〒600-8216 京都市下京区西洞院通塩小路下る東塩小路町939
主 催:調査報道セミナー実行委員会
日本ジャーナリスト会議(http://www.jcj.gr.jp)
アジア記者クラブ(http://apc.cup.com)
平和・協同ジャーナリスト基金(http://www.pcjf.net)
同志社大社会学部・小黒純研究室
問合せ:tyousahoudou @ hotmail ドット シーオー ドット ジェーピー (こぶち宛)
(アット以下は英小文字・スペースなし)