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ニュースの現場で考えること

少し前、ルクセンブルク国会が安楽死法案を可決したというニュースがあった。この夏にも正式に成立する見込みだという。ベネルクス3国では、オランダが2002年、世界で初めて安楽死を合法化し、ベルギーも安楽死を認めている。

英国は、世界で最初に安楽死(尊厳死)の合法化を目指す団体「安楽死協会」ができた国だ。1935年のことである。現在も合法化には至っていないが、協会設立の翌年には早くも安楽死法案が議会に上程され、審議されている。

そんな流れを資料で追っているうち、10数年前に西日本地方で取材した男性のことを思い出した。

◆ ◆ ◆

7月末の暑い日。

私はある中堅都市の弁護士事務所を訪ねていた。書類の山、書き込みだらけのホワイトボード、くたびれた茶色のソファ。弁護士は「クーラーは体に悪いから」と言って窓を開け、扇風機だけを回している。


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by masayuki_100 | 2008-05-26 22:55 | 木をみて森もみる

5月に入って間もない、深夜のことである。

パソコンのアンチウイルス・ソフトが期限切れになり、ダウンロードで新たな日本語版のソフトを購入した。ところが、どうも私のパソコンと新ソフトは相性が悪いようで、ソフトの文字の多くが化けている。説明書を読みながら何度操作しても、結果は同じだ。もともとがパソコンに詳しくないから、もしかしたら、どこかで操作を間違っているのかもしれない。そう思って製造元のサポート・センターに連絡を取った。

これが、しかし、たいへんだったのだ。

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by masayuki_100 | 2008-05-26 22:43 | 木をみて森もみる

英国に「監視研究ネットワーク」という団体がある。やや古い数字だが、そこが1年ほど前に出した報告書によると、この国では約420万台の監視カメラが稼働しているそうだ。外出すれば、1日で300台のカメラに捕捉(ほそく)されるという。

カメラだけではない。

走行車両については、治安当局が毎日、全体の約4割、約5000万台のナンバーと運転者・助手席搭乗者の顔を自動的に捕捉する。データベースの蓄積は、指紋が600万人分、DNAが350万人分。クレジット・カード利用も、半数以上が行動分析の対象になっている。電話や電子メールの内容、ウェブサイトの閲覧なども何らかの形で記録、分析されていると思った方がいい。

日本も最近の事情は似たようなもので、例えば、いつの間にか東京はカメラだらけになった。そして、こうした監視強化の理由は、いつもこう言われる。

「激増する凶悪犯罪を防ぎ、安全を守るために」

  ◆  ◆  ◆

3年前に日本で勤務していたころ、「あなた見られてます~監視と安全のはざまで」という連載企画のデスクを担当したことがある。その過程で種々の統計をひもといていると、おもしろいことが分かってきた。日本では、凶悪犯罪はまったく増加していないどころか、減少を続けているのである。


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by masayuki_100 | 2008-05-09 08:00 | 木をみて森もみる

土門秀明さんは、どちらかというと、とつとつした喋り方をする。「バスカー」と聞けば、派手そうな印象があるが、人柄は穏やかで気負いもない。それでいて、話を交わせば、実はとても芯が強い人だと分かる。

土門さんと初めて会ったのは、今年2月の風が強い午後だった。

ほぼ毎日、どこかの地下鉄駅でギターを弾く土門さんはこの日、ロンドン中心部のサウス・ケンジントン駅にいた。ロイヤル・アルバート・ホールにつながる地下通路で、クイーンの「ボヘミアン・ラプソディー」などを約2時間。行き交う人の群れの、何人かは土門さんの前で演奏に聴き入り、何人かはギター・ケースに小銭を置いた。

地下鉄駅でバスキングを始めて5年。土門さんの前ではこの間、小さな、しかしいろんな出来事があった。

小雨が降る、ある秋の夜。

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by masayuki_100 | 2008-05-09 07:57 | 木をみて森もみる

少し前、日本のある全国紙が新聞輸送の業者を切り替え、それが原因で宅配が大混乱に陥ったというニュースが流れていた。

英国に限らず、世界の多くの国では新聞の宅配制度がない。その点、新聞社ごとに自前の販売店を持ち、販売部数の9割が宅配される日本の制度は、やはり特殊である。そして当然のことながら、その仕組みは販売店で働く人が支えている。

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ずいぶん古い話になる。

高校卒業時に大学入試に失敗した私は、東京・渋谷の朝日新聞販売店で働くことになった。四国から上京したのは、ちょうど今ごろの季節だったと思う。

店に紹介されたアパートは、人が階段を上るだけで振動が全体に伝わりそうな木造だった。2階の一番手前の4畳(4畳半ではない)が私の部屋で、隣が長野県出身の日雇いの60代の男、一番奥が板前の見習い。部屋の窓と隣のビルの壁は、わずかな距離しかなく、昼間でも電球をつけていた。


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by masayuki_100 | 2008-05-09 07:55 | 木をみて森もみる