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ニュースの現場で考えること

昨日6月21日、政府税調が個人所得課税のあり方を報告書にまとめた。あちこちで大きなニュースになっているので、ご覧になった方も多いと思う。そして、その内容は予想通り「サラリーマンの増税は避けられない」が基調となっている。

この手のニュースを耳にするたびに「政治の責任はどうなったのか」と思う。そもそも現在の気の遠くなるような政府長期債務残高は、バブル崩壊後に、与党自民党が中心になって、次々と打ち出した景気対策が根底にある。一九九一年度末に百七十一兆円だった国債発行残高は、2000年度末までの十年間で倍以上に膨らみ、その年度の末には三百八十九兆円に達した。

ちょうどそのころ、私は東京で財政担当の記者で、政治家や官僚に「これはそもそも景気対策の失敗のツケではないか。ばらまき型の減税や公共事業を繰り返した結果であり、社会保障や地方交付税といった種々の制度の欠陥・疲労が直接的に赤字を増大させたわけではない。失政の責任をうやむやにして、同じ与党が『構造改革』を叫ぶのはおかしいのではないか」と何度も問うたことがある。膨大な財政赤字をつくった90年代の経済財政政策は、間違いなく、自民党が推進したのであり、いまの小泉首相や有力閣僚、有力議員たちも、景気対策をこれでもかこれでもかと盛り込んだ各年度の補正予算案等には、間違いなく「賛成」していたのだ。

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by masayuki_100 | 2005-06-22 18:53 | ■政治・経済・国際

東京の中国大使公邸にスプレー、というニュースが流れています。各社ほとんど内容は同じですが、共同通信はこれ。 以下は引用です。

東京の中国大使公邸にスプレー 日中関係の悪化に便乗か

 東京都港区元麻布の駐日中国大使公邸で15日夜、スプレーが吹き掛けられているのが見つかった。警視庁は日中関係の悪化に便乗した悪質ないたずらとみて調べている。調べでは、同日午後9時ごろ、公邸の門にある郵便受けや表札に赤色のスプレーがまかれていた。政治的なメッセージはなかった。
 警視庁警備部によると、同公邸は24時間警備の対象にはなっておらず、機動隊や所轄署の警察官が、定期的に巡回していたといい、警視庁がさらに詳しい状況を調べている。現場は中国大使館の敷地内にある。
(引用、終わり)

容疑者が逮捕されないと、確定的なことは言えませんが、これが仮に、中国における「反日デモ」の裏返し的行為なら、もう何をかいわんや、です。これは、ただの器物損壊行為、単なる犯罪です。主義主張がどうであったって、この下手人には、そんなのを語る資格など全くありません。北京で日本大使館にモノを投げ付けるレベルと同じじゃないか。

本当に、必ず、こういう手合いが出てきます。(何かの「謀略」だったら別ですが)何と言うか、ほんと、情けない。
by masayuki_100 | 2005-04-16 03:53 | ■政治・経済・国際

続・中国の「反日」デモ

昨日のエントリ 中国の「反日」デモ の続き。

現地の報道によれば、北京のデモは一万人程度に達し、日本大使館や日本レストランへの投石等が行われ、窓ガラスなどが壊される被害が出ている、という。こりゃあかん、である。

2000年の沖縄サミットのころ、中国も主要国に加え、サミットに参加させるべきだとの議論があった。日本政府も水面下で動き、小渕内閣は中国参加を沖縄サミットの目玉にしようと考えていた。もちろん、実現はしていないし、米英を中心に「共産党独裁の中国と、曲がりなりにも民主主義国家になったロシアとはポジションが異なる」との意見が強く(私もそう思う)、今後もしばらくは、中国のサミット参加は有り得ないだろうと思う。

そして、今回の反日デモである(デモ隊による主張の中身は、取りあえず、脇に置く)。問題は中国政府・公安警備当局の対応にある。およそ、首都において、外国公館に危害が加えられているとき、それを防止することのできない国は、受け入れがたい。非常に問題がある。それも爆弾テロのような「瞬間的破壊」ではなく、デモのように比較的時間をかけた行為なのだ。しかも、逮捕者・検挙者が出ている様子もない。

いかなる政治的主張をまとっていたとしても、暴力行為は暴力行為でしかない。よほどの理性が働かない限り、それは憎悪の連鎖しか生まない。仮に東京の中国大使館にデモ隊が押しかけ、投石等でガラスを破壊すれば、日本警察は必ず関係者を検挙し、刑事手続きに乗せるはずだ。社会は、そういう仕組みによって成り立っているのだ。そして、中国に限らず、同じ事は、どこの国についても言える。c0010784_1748527.gif 
by masayuki_100 | 2005-04-10 14:22 | ■政治・経済・国際

中国の「反日」デモ

中国で「反日デモ」が吹き荒れているそうだ。韓国でも、教科書問題や竹島問題に絡んで、「反日デモ」が散発的に続いているらしい。国内で種々の不都合や矛盾があると、(あえてこの言葉を使うが)後進国や民主主義が未成熟の国では、この種の排外的主張を全面に打ち出したデモンストレーションがしばしば起きる。たぶん、為政者にとっては、都合がいいことなのだろう。ただし、この種の行為は、「レッテル貼り」「思考停止」 と同レベルであり、相手の憎悪を引き出し、それに火をつけ、そして、たいていは相手国の為政者を喜ばせる(=相手国の為政者もヤヤコシイ内政から目をそらせることができる)だけで終わる。

 話は少し変わるが、最近出版された「メディア裏支配―語られざる巨大マスコミの暗闘史」(田中良紹著)を読んでいたら、TBSの報道特集担当記者だった田中氏が、1981年当時、米国で吹き荒れた「反日の嵐」に言及していた。当時は日米自動車摩擦の最中。誕生したばかりのレーガン政権は、日本に強硬姿勢を取り続けていた。

 そんな中、自動車の都市・デトロイトに関しては「日本人は石をぶつけられる」「街を歩けない」といった放送が繰り返されていた。当時のことは私もぼんやり記憶しているが、日の丸が焼かれ、日本車が叩き壊され、デトロイトは本当に怖いな、といった印象を抱いたように思う。

 ところが、田中氏のクルーがデトロイトに行くと、「反日の嵐」はどこにも見当たらないのだという。市民は「トヨタはすばらしい」としか言わないし、ハンマーで日本車を叩き壊した男は逃げ回る。その男は、映像がテレビで流れたとたん、地元で「馬鹿なことはやめろ」と、さんざん諌められたのだという。。。。そう、「反日の火の手」をあげていたのは、デトロイトの自動車労働者でもなく、米国の消費者でもなく、一部産業界の利益を代表していたワシントン=ホワイトハウスだったのである。それが実態だったのに、日本では、アメリカ全体が「反日」になったかのような報道が繰り返されていた、各社のニュースのアタマには必ず「反日の嵐が吹き荒れているアメリカで」という言葉を付け足していた。

 昨日の中国の「反日」デモは1万人だったという。10数億人のうちの1万人を何と評価すべきか、私は良く分からないし、根拠も乏しいが、レーガン政権時代のデトロイト方式のデモンストレーションと大差ない次元の話ではないかと思う。そうでないのならば、「民主主義先行国」の日本としては、「中国にもデモの自由が誕生したのか、そうかそうか、良かったな」と、ひとまずは喜ぶべき話ではないのか。
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by masayuki_100 | 2005-04-09 17:00 | ■政治・経済・国際

先日のサッカーW杯最終予選・北朝鮮-イラン戦の試合中、および試合後、ピョンヤンのスタジアムで、観客による騒ぎがあったと報道されています。観客の騒ぎ方が、サッカーでは良くある水準なのか、まだまだかわいい騒ぎ方だったのか、そのあたりは良く分かりませんが、私は「北朝鮮の人々が騒いだ」という事実だけで、おおおお、と思ってしまいました。

今から5年前の4月にピョンヤンに行ったことがあります。日中国交正常化交渉が久々に開かれるとあって、日本側の政府代表団にくっついて行っただけの話ですが(北朝鮮が拉致を公式に認める前です)、そのときに感じた異様な「秩序」の感覚からすれば、「騒ぐ」こと事態に、何か決定的な差を感じます。当然のことながら、ピョンヤンの街を自由に歩くことが出来たわけではありません。どこに行くにも「案内人」が付いてきましたし、国民との会話も自由にはできませんでした。日朝双方の代表団が河原で焼肉パーティー(肉はアヒルでした)を開いた際、近くには「国民」が居ましたが、それとて、当然に演出でした。

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by masayuki_100 | 2005-03-31 19:58 | ■政治・経済・国際

軍事問題は難しい。しかし、それを語る際は、奇妙な高揚感がある。議論が進めば、最後は「やるかやられるか」「国際常識・軍事常識」が幅を利かしていく、みたいな。

あまり根拠の無いことを材料に、酒場でワアワアとやるには、それなりに刺激もあって、議論の後は、「ふう、あいつをやっつけたぞ」とか、「あんなやつにやられてしまった」とか、まあ自分自身が軍人にでもなったような気分になって。。。雑駁に言えば、そんな感じである。「北朝鮮の脅威」や「イラクの大量破壊兵器(存在は否定されたけど)」などを語る際も、そういう空気があったように思う。

しかし、当然ではあるが、軍事・兵器は、冷徹な、れっきとした技術論の世界でもある。私の苦手な「理科の世界」でもあるのだ。そして、私はそういう知識が相当に不足している。そのうえで「北朝鮮が核兵器保有を宣言」といった報道に接すると、「また適当なことを・・・」と思いつつも、「ひょっとしたら・・・」と思ってしまう。

そんな私のような軍事素人にとって、目を見開かせてくれるHPを最近、見つけました。軍事評論家・神浦元彰氏のHP「日本軍事情報センター」がそれです。おそらくとても有名なHPでしょうし、知らなかったのは私だけ、みたいなところがあるのでしょうが、私自身は最近ハマっています。中でも「日本や世界で現在進行形の最新の軍事情報を選別して、誰にでもわかるような文章で解説します」という最新情報はたいへんおもしろい。例えば、今年2月11日のところを見ると・・・(以下引用)

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by masayuki_100 | 2005-02-26 18:16 | ■政治・経済・国際

クルド人強制送還 妻子5人を仮放免 東京入管

以下はヤフーに掲載された毎日新聞ニュースの転載です
 
 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が難民と認めたにもかかわらず、トルコに強制送還されたクルド人アハメット・カザンキランさん(49)の妻子5人が24日午前、東京入国管理局に出頭し、1カ月の仮放免延長が認められた。当面は強制送還を免れる見通しになったが、法務省は「あくまでも自主的な出国を促していく」と説明している。
 東京入管は5人の中に未成年の学生がいることなどを考慮し、再収容を見送ったとみられる。長女ゼリハさん(21)は「強制送還をすごく心配していた。まだ安心できないが、とりあえず安全になってうれしい」と話した。弁護団は「UNHCRや支援者と協力し、家族の再統合に向けて努力していく」との声明を出し、5人が退去強制令書の取り消しを求めて東京地裁に提訴したことを明らかにした。
 日本政府はカザンキランさんを難民とは認定せず、長男とともに18日に強制送還した。UNHCRは「前例のない措置で憂慮している」と非難したが、南野知恵子法相は「難民とは認められないという東京高裁判決が確定しており、法に従って行動した」と述べている。


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by masayuki_100 | 2005-01-25 01:43 | ■政治・経済・国際

そこまでするか?

昨日、「クルド人親子を強制送還 国連の難民認定者で初」というニュースが流れました。

 日本政府に難民認定を求めたが不認定とされ、東京入国管理局に収容されたトルコの少数民族クルド人のアハメト・カザンキランさん(49)と長男が退去強制処分となり18日午後、トルコに送還された。支援者が記者会見し明らかにした。
 カザンキランさんは国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の難民認定を受けており「認定された人が送還されたのは日本では初めて」(UNHCR駐日地域事務所)という。
 大橋毅弁護士は「退去強制処分の取り消しを求め最高裁で係争中なのに送還するのは不当だ」としている。


過去の経緯は「クルディスタン日本語NEWS」でたどれます。難民認定を受けた人の送還は初めてだそうですが、似たような話は時々あって、そのたびに、なんてことやってるんだろうなあ、と思わずにはいられません。ニュースを知った知人(女性のライター)からは、こんなメールが届きました。

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by masayuki_100 | 2005-01-19 11:53 | ■政治・経済・国際

先だっての総選挙について、ある地方紙の編集委員氏から、
こんな「指摘」をいただきました。
選挙の結果をどう見るか。示唆に富んでいます。

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………「選挙危篤」という言葉が脳裏をかすめました。投票率の
低下は今に始まったことではありません。
けれども、どの党も「わが党にとって投票率はどう響くか」という、
党利の視点でしか投票率への関心はないので、
投票率の低下を重大な政治課題にしようという動きは、
以前から、そして今も、全然見えません。

投票行為がどれほど重大な結果を招くかは、
石原都知事ののさばりを見れば一目瞭然のはずなのに、
有権者にもそういった自覚はないようです。

選挙の耐えられない軽さの責任は、政治と有権者のどちらにあるのか。
鶏と卵でしょうか。

そういう選挙で、憲法の危機だ、戦争だ、言論の自由の崩壊だ、と叫んでみたところで、
無自覚な「お気軽有権者」に届くはずもないのでしょう。
確かに、「左翼」はトドメをさされました。同時に真摯な「右翼」も死んだと思います。
「中道だ」と勘違いしている、あるいは右か左かの意識がない、
「無自覚な右翼」だけが大増殖しました。
これが実は一番危険であることは間違いありません。

「自分が一番普通だ」と思っている人には、
ほかの人はどうかを考える思考回路や、
他人の批判を受け止めようとする精神姿勢はないのですから。

9・11の後、報復戦争は当然だと、ほぼ全員が支持したアメリカ国民と同じ精神構造に、
日本は既になってしまったのでしょうか。

怖いです。
by masayuki_100 | 2003-11-23 20:07 | ■政治・経済・国際

■イラク問題で欧州はどう対応しているのか。
以下は、最初は元外務省局長(在欧州)からのメールです(一部略)。


(1)つまるところ、米欧の対立の根っこには「サダム独裁」に対する
危機意識の差があるように思われる。アメリカにとって「サダムの独裁
」は、9/11以降、米国の安全保障に対する直接の脅威であり、アメ
リカの体現する価値に対する許し難い挑戦ということになった。少なく
とも、現政権、そのネオコンと言われる指導部はそう認識するに至った
。サダム独裁が国際テロリズム、大量破壊兵器と連結して認識される以
上、アメリカ自身の安全保障に対する脅威を取り除くために、これまで
の国際法では許されない先制攻撃の対象たりうるというのが米国の認識
である。大陸欧州には、「サダム独裁」に対するそこまでの危機意識は
9/11の後にも生じなかった。「サダム独裁」は欧州の安全保障を直
に脅かす危険とはついに大陸欧州では認識されなかった。これが大陸欧
州の反応の根っこにあったと思う。

(2)他方、「サダム独裁」によるイラクの人権抑圧と大量破壊兵器の
保有は許せないということは欧州の概ねのコンセンサスでもあった。し
かし、それでは、99年に、欧州は「ミロシェヴィッチの独裁」をたた
くために、国連決議無しで、セルビアの攻撃に踏み切った。NATOが
動員され攻撃の主役は米国になったが、音頭をとったのは、むしろ英国
を始めとする欧州だった。欧州は「人権擁護」のためにアメリカよりも
極的にセルビアを攻撃したのである。今度は欧州がずっと腰をひいた。
何故だろう。セルビアの人権問題は、欧州内部の問題だった。欧州はこ
れを看過できなかった。イラクの人権問題は、セルビアの人権問題に較
べれば欧州にとって遠かった。ドイツがコソヴォに軍隊を派遣しておき
ながら「攻撃されない限り攻撃すべきでない」と言って対イラク戦争絶
対反対を言っているのは、イラク問題がドイツの安全保障とは無関係と
認識されていることに加え、イラクの人権問題は、従来の国際法の枠を
こえてまで解決すべき問題とは全く認識されていないからだ。(この点
は、実はアメリカにとってもそうなのだが、アメリカにとっては、9・
11以降サダムとの闘いは、「イラクの人権」のための闘いなのではな
く、アメリカの安全保障のための闘いになった以上、先制攻撃は完全に
ゆるされることになったのである。)

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by masayuki_100 | 2003-04-18 17:38 | ■政治・経済・国際