「ほっ」と。キャンペーン

ブログトップ

ニュースの現場で考えること

北海道警の裏金問題を実名で告発した原田宏二さん(道警元釧路方面本部長)が先日、外国特派員協会で講演しました。

ここに講演記録があります。必読です。

(以下は一部抜粋)
2000年、相次ぐ警察の不祥事を契機に民間有識者による警察刷新会議が設けられ警察の改革に関する緊急提言が示されました。そこでは、警察組織の閉鎖性、国民の批判や意見を受け入れにくい体質や、「時代の変化」への対応能力の不足などが指摘されました。今回の一連の裏金問題への警察の対応は、こうした警察の問題点が何一つ改善されていないことを国民の前にさらしてしまったのです。具体的にお話しましょう。

*警察の閉鎖性
警察は、階級組織です。よく鉄のピラミッドと称されます。警察一家として団結が強く、たとえOBになってもそれは続きます。しかし、鉄のピラミッドは、外から内部を窺うことはできませんが、内部から外を見ることができません。

裏金の問題に限って見てみましょう。 

そもそも、日本人は、警察に協力するのは善良な市民の当然の義務だとする考えが根強いのです。おそらく国民の大半は警察に「捜査協力謝礼」なる予算があることすら知らないでしょう。一方、警察内部には「金のことを口にするのはタブー視する傾向」があります。現場の捜査員には「武士は食わねど高楊枝」~武士は対面を重んじるのでたとえ食事をしていなくても,食べた後のようにゆうゆうと楊枝を使う~貧しい環境にあっても気位を高く持つべきである~という言葉がありますが、私費で協力者に謝礼を渡して情報を得ることが多かったのです。上層部もそれを知りながら見てみない振りをしていたのです。仕事に必要な経費を自らが負担する。こうした異常なことが何の疑いもなく続けられていたのです。上も下も警察内部の論理でしか行動できないのです。しかも、上位下達は容易ですが、下意上達はほとんどできない組織です。

私は、今回の問題で警察官の自殺が多いのに気がつきました。この10年間で331人もいるのです。稲葉事件でも1人、裏金問題でも1人、いずれも私のよく知っている昔の部下です。話が横道にそれますが、私は、1977年に全国の若い警察官20人ほどを引率してアメリカの警察を視察したことがあります。今でも印象に残っているのはフラデルフイヤの警察署の講堂の壁に掛かっていた殉職警察官の制帽です。(FBIの数字では、2003年の全米の殉職警察官は132人、2.8日に1人)おそらく、日本では殉職する警察官より自殺する警察官の方が多いのではないでしょうか。これは異常です。

(以下、さらに続いていますが略)
c0010784_1748527.gif
by masayuki_100 | 2005-03-13 04:23 | |--元道警幹部らは語った | Comments(3)

北海道警の裏金問題を追及する市川守弘弁護士は2004年4月28日、衆院内閣委員会で参考人として出席し、裏金問題をどう捉えているかを語りました。冒頭発言は以下の通りです。詳細は国会議事録で読めます。

**************************************


 札幌から参りました。
 私が昨年の十二月、北海道警察の不正経理疑惑問題にかかわるようになって、私の身の回りからいろいろなことの忠告を受けました。一番大きいのは、大丈夫か、身辺に気をつけた方がいいぞという忠告が多かったのです。これはどういう意味かといいますと、警察というのは、どういうところか、わけのわからないところだから、身辺によっぽど気を配った方がいいよという忠告なんですね。

 私は、それを聞いて非常に驚きました。警察というのは本来、国民の市民生活、国民の生活を守るための組織にもかかわらず、国民の多くの人、少なくとも私の身の回りの人たちは、警察はわけのわからないところだ、警察の疑惑問題なんて追及していると身が危ないよという忠告をする、そういう国民意識が世論として少なくとも私の身の回りにはあるということに実は驚いたわけです。そういう国民の世論を前提とするならば、現在問題となっている警察の疑惑を徹底して明らかにして信頼できる警察にするということは、かなり至難のわざではないかというふうに考えているところです。

 ところで、不正経理疑惑といいますのは、もう先生方御存じだと思いますけれども、国費、北海道あるいは都道府県費を問わず、支出関係書類を偽造して、真実支出していないにもかかわらず、支出したことにしてそれを裏金に回す、裏金に回したお金がどのように使われているかは国民には全くわからないという疑惑です。

 これが北海道で発覚したのは、昨年の十一月、旭川中央警察署からの内部告発がもとでした。その関係書類によりますと、捜査用報償費、これは道費です、その使用使途について、架空人あるいは死人、そういう人を協力者としてつくり上げ、そういう人たちの領収書を添付して、あたかも支出されたかのように関係書類が整っていた、あるいは、実在している人でも、名義を勝手に使われて知らぬ間に自分が協力者になっていたということを指します。その結果、お金が裏金に回ったということです。

続きを読む・・・
by masayuki_100 | 2005-01-01 17:16 | |--元道警幹部らは語った | Comments(2)


2004年2月10日。 元道警釧路方面本部長の原田宏二氏が、札幌市内で記者会見した際に、告白文を配布しました。以下はその内容です。

**************************************


実態を明らかにする理由

 これまで、いくつかの社から何回も、元旭川中央署長との理由で取材を受けました。その際、私がお話しするときが来れば、匿名ではない形でしたいとお願いをしてきました。監査結果が出た現在、それなりの立場にいた者が真実を話すべきときが来たと判断しました。皆さんからその無責任さを指摘されるでしょう。昔の仲間からも裏切り者とのそしりを受けるのではなど、ずいぶんちゅうちょもしましたが、その理由は次のとおりです。

(一)どんどん道警の信頼が失われていくなかで、現場の警察官やその家族の人はさぞ肩身の狭い思いをしているのではないでしょうか。一日も早く現場の警察官が誇りを持って仕事ができるようになってもらいたいと思うのです。今回が道警が更生できる最後のチャンスだと思います。

(二)少なくとも私が退職した平成七年まで裏金が存在し、組織的に行われていました。従って、今問題になっている旭川中央署の二人の元署長は、かつてともに仕事した仲間ですが、彼らだけが責められる問題ではなく、関与した全組織の幹部やOBも責任を負うべきだと思います。現在もこうしたことが行われているかどうかは、確認できません。

(三)在職中に地元出身の最高幹部の立場にありながら、保身と甘えと自らの力量不足から改善に積極的に取り組まなかったことに責任を感じ、長い間、後悔の気持ちが続いてました。かつて、道庁などの問題が明るみに出た際、道警のみが追及をのがれました。しかし、私がそうであったように、現職の皆さんに、真実を語ることを求め、改善を期待することはできないのかもしれません。だとすれば、OBの私が事実を公表しなければと思ったのです。

裏金はどのようにつくられていたか

 対象は国費の旅費、捜査費、道費の報償費、旅費のほか日額旅費、参考人旅費などに及んでいました。これらの予算は四半期(道費は上期、下期?)に一度本部会計課から書面で内示されます。本部各課、警察署など各部署ではその金額(毎年ほぼ同じ)の範囲内で会計課(係)(本部では経理主幹や庶務係)が毎月これを消化します。その際、領収書などの支出に必要な書類が作られます。その金額に応じた小切手が本部から送られ、会計課が銀行で現金化します。(このあたりの手続きは正確ではないかもしれません)

これが、裏金として副署長(本部では管理官、次席など)に渡されます。副署長は現金を小型金庫に入れ、裏帳簿で管理します。裏金は全額が副署長の金庫に入るのではなく、その一部は本部へバックされると聞いていましたが、その割合などは知りません。

この間、署長(課長など)は一切決裁をすることはありません。裏金つくりは、ヤミの仕事で正規の手順はとらないのです。必要な会計上の書類は全て経理担当者がひそかに下書きを作成し、署員(課員)に記入を依頼していたようです。裏金は副署長(次席、管理官など)が管理し、署長は月一回裏帳簿に決裁をしてました。本部に還流する裏金の詳細は、副署長、経理担当者と本部会計課のみが承知していたようです。これに触れるのはタブーであったように思います。

一部の新聞に道警本部総務課長が裏金の金庫番で各部に上納を指示していたとの記事がありましたが、私の総務課長時代にはありません。また、私が在籍した道警本部防犯部には部長経費がありました。他の部でも同じと思いますが、私は課(隊)長として在籍していただけですから、私からは申し上げません。

いわゆるキャリアの方が、どのように関与されたかは、それなりの立場でのご判断があるでしょうから、申し上げません。防犯部では部の管理官が裏金を管理し、事務は経理主幹が担当、部長経費は部内の各課が拠出していました。警ら部門、交通部門などのパトロール活動をする警察官には日額旅費が支給されますが、その一部を部署の運営費(裏金)にするためピンハネしていたようです。この問題は釧路時代に是正しようとしましたが、釧路方面だけが全額支給するのは適当でないとの理由でできませんでした。

続きを読む・・・
by masayuki_100 | 2005-01-01 16:57 | |--元道警幹部らは語った


2004年3月4日。道警裏金問題を審議する北海道議会層武威委員会の冒頭、元道警釧路方面本部長の原田宏二氏は、次のように語りました。(詳細はココ

信頼回復へ私情抑えて現在の心境や行動に至ったこれまでの経過を説明したいと思う。

 私が裏金づくりに直接タッチしたのは、一九六四年四月に配置された当時の北見方面本部刑事課が最初。階級は巡査部長だった。初めて領収書や関係書類を、命じられるままに偽造した。その後、退職した九五年まで十七カ所の所属(部署)を転勤したが、何らかの形で裏金づくりに関与し、一部を受け取り、その存在を知っていた。

 最初は立場が下で関心は無かった。階級が上がり、ほぼ全ぼうを知ったが、気持ちの奥底にしまい、現場の仕事に打ち込んでいた。しかし、道警中枢の管理部門で仕事をするようになって全体を知り、こんなことをしていていいのか、自省の気持ちが強くなった。

 九〇年二月の旭川中央署長時代、道監査を受け、こんな会計処理がいつまで続くのか疑問を持った。九四年の会計検査後に私なりの行動を起こしたが、少数意見でしかなく、機は熟しておらず、何の改善をすることなく退職した。

続きを読む・・・
by masayuki_100 | 2005-01-01 16:50 | |--元道警幹部らは語った

元弟子屈署次長斎藤邦雄さんは、裏金づくりの実務を担当していました。
2004年3月1日。斎藤さんが札幌市の記者会見で配布した「私の主張」はこんな内容です。

**************************************

 道警の報償費不正疑惑について自分のやったことを正直に述べます。

 原田宏二さんの実名告白の後に高橋はるみ知事の「勇気を持って実名で話す人が出ることによって道民も私自身も一番知りたい事実が明らかになることを求めたい」との話がありました。悩み抜いた末、知事の発言も踏まえて市川弁護士と相談し、体験したありのままをお話しすることを決意しました。

 今後は、疑惑解明に向けて、北海道知事をはじめ、北海道監査委員の皆さま、北海道議会議員の皆さま、マスコミ関係の皆さまなどのご理解とご支援をお願いする次第です。道警現職の皆さんやOBの方々には、私に続いて真実を述べてくれる方々が出てくれることを望んでいます。

 【退職の経緯】

 私は二〇〇一年三月に釧路方面弟子屈署次長(退職前警部、退職時警視)で退職しました。定年まで七年間ありましたが、五十三歳で退職しました。今問題になっている裏金づくりにイヤ気がさし、「おまえはバカか。何のためにこんなことをしているんだ」と自問自答し、悩み続けた末の結論でした。当然、家族は猛反対でした。当時はそれなりの収入があり、沈黙を守りイヤイヤながら定年まで勤めれば良かったかもしれません。

 しかし、家族には「退職後の仕事が失敗して、収入が半減しても三分の一になっても、自分の生き方に正直でありたい」と説得して静かに道警を去りました。「悪魔の呪縛(じゅばく)」から解放され、安どの気持ちになったのも事実です。

 【告白するに至った経緯】

 道新に提供した資料は、私の手控えメモとして作成していたもので、公文書ではありません。

 疑惑のニュースは、強い関心を持って見守ってきました。そして今回の原田(宏二・元釧路方面本部長)証言でした。

 道警側の反応は予測したとおり「のらりくらり」。沈黙を守り、嵐が過ぎ去るのをこらえる組織にしか映りませんでした。この不誠実な対応に「道民をバカにしている。なめきっている」と怒りを抑えきれなくなったのです。道警が目標としている「道民の期待と信頼に応える強靱(きょうじん)な組織の確立」はどこへ行ったのか、と落胆の気持ちでいっぱいでした。加えて原田さんが孤軍奮闘する姿を見て、男として沈黙を守り通すことができませんでした。

 道警と対決する決意を固めて身辺整理し、これまでいた職場を先月退職し、無職となった今、道民の前に名乗り出て謝罪し、事実を告白することにしたのです。

続きを読む
by masayuki_100 | 2005-01-01 16:05 | |--元道警幹部らは語った