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ニュースの現場で考えること

愛媛県警の裏金、国会質疑

全国区ではなかなか大きなニュースにならないが、再び愛媛県警の裏金問題を取り上げる。(全国紙とNHKは、もうどうにかしている。ことこの問題に限っては、完全に警察当局に忠誠を誓っており、報道機関の名に値しない)

現職でありながら、堂々と実名で警察の裏金問題を暴露した仙波敏郎巡査部長。その問題は、「組織的不正を知った場合、その者はどう行動すべきか」ということも問いかけている。

それに関する国会質疑が2月23日、衆院の内閣委員会であった。ここで極めて重要なことは、警察に限らず、公務員が組織内で不正を発見した場合は、告発の義務があると政府が明確に認めていることだ。その義務を果たさなかった場合は、その者が公務員法上の懲戒処分の対象にもなり得るという。しかも、その考え方は、鉄建公団などの「公費天国」が指弾され、全国的に(おそらく戦後初めて)カラ出張などが問題になった1980年ごろからの政府の変わらぬ見解であると言い切ったのだ。恥ずかしながら筆者は大平内閣当時、そのような政府統一見解が出ていることを知らなかった。以下は国会議事録からの転載である(一部略)。質問者は共産党の吉井英勝氏。少し長い引用だが、なかなか面白いので、ぜひ目を通してもらいたい。




■吉井委員 官房長官に伺いますが、今、官庁の裏金問題というのは、警察だけじゃなしに、社会保険庁、厚労省労働基準局など各所で見られます。裏金問題は、最近だけの問題じゃなくて、以前からずっとあるわけですね。例えば、一九七九年から八〇年にかけて、ちょうど官房長官はそのころまだお役所におられたころかもしれませんが、通産省、鉄建公団などのいわゆる空出張などによる裏金づくりの問題などが大きな問題になりました。当時、大平内閣は、この問題の対策として、政府統一見解を当時の伊東正義官房長官が示しております。各省庁に徹底を図ったというはずでありますが、そこで、官房長官に、どういう内容の見解を示したものなのかを最初に伺います。
■細田国務大臣(官房長官) 大平内閣のときの伊東官房長官が、昭和五十五年三月七日の予算委員会におきまして、法務省、総理府など関係省庁と協議をして取りまとめた見解といたしまして、当時問題となっておりました空出張等の不正経理、これはわかりやすく言うと、出張していない人が出張したかのようにいったり、短い出張であったのに長い出張であったりして、文書をいわばつくって、このような形での不正経理があったということで、これに随伴して、公務員がその職務に関し虚偽の内容の公文書を作成してこれを行使した場合には、虚偽公文書作成同行使罪が成立し得るという答弁をしたということを承知しております。一般論といたしまして、公務員がその職務に関し虚偽の内容の公文書を作成しこれを行使した場合は、虚偽公文書作成同行使罪が成立し得るということについては御質問のとおりでございます。
■吉井委員 このときに、あわせて、伊東官房長官の方からは、また、公務員の告発義務の問題につきましては、刑事訴訟法第二百三十九条はその第二項において、官吏または公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならないということなので、右の要件を満たす場合には、原則として公務員の告発義務が課せられていると言えますというふうにも示していると思うんですが、そのとおりですね。
■細田国務大臣 先ほど申しましたときと同時に、伊東官房長官は、刑事訴訟法第二百三十九条第二項において「官吏又は公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない。」と定めており、この要件を満たす場合には、原則として公務員には告発義務が課せられる旨答弁したということを承知しておりまして、一般論として、そのとおりであると考えております。
■吉井委員 それで、この大平内閣の統一見解を小泉内閣が撤回したとか変更したというふうには私は伺っておりませんが、この統一見解の立場というのは小泉内閣としても継承している、こういうふうに理解していいですね。
■細田国務大臣 これは法律の解釈の問題でもありますし、そのとおりでございます。
■吉井委員 なぜ当時こうした政府見解を出したかといいますと、通産省、鉄建公団などの裏金が繰り返しはびこっていた、起こっていた。ですから、公務員が虚偽の公文書をつくることは犯罪である、虚偽公文書をつくるように命ぜられたら公務員はこれを告発する権利と義務を持っている、こういう見解を内閣が明らかにして、こういうことが繰り返されないように示すことによって、抑制的にといいますか、こういうことを起こらないようにしていこうという考え方があった。こういう見解を内閣は明らかにして、各省と公務員に、空出張とか不正経理、また虚偽の公文書をつくらないように徹底する、これが根本の考え方だったと思うんですが、念のために伺っておきます。
■細田国務大臣 おっしゃるとおりであると考えております。告発義務を行った公務員に対する制裁論も含む御議論だと思います。こういった告発義務違反に対して刑罰は設けられておりませんが、一般論として言えば、懲戒処分の理由となり得るわけでございますが、具体的には、当該公務員の任命権者において個別に判断をすべきものと考えております。
■吉井委員 いや、余りややこしいことを聞いているんじゃないんです。この統一見解というのは、これは、今の小泉内閣のもとでもこの立場をとっておられるんだから、それぞれの、各省もあれば、警察庁もあれば、どこであっても、この統一見解の立場を求めていくということですねということですから、一言で結構です。
■細田国務大臣 それは先ほど御答弁申し上げたとおり、そのとおりでございます。
■吉井委員 ところが、そうした政府の立場が徹底されていないから裏金問題というのが相次いで起こってきているというふうに思うわけです。一月二十日に、愛媛県警の仙波敏郎さんという巡査部長さんが、現職警察官として初めて実名を明かして裏金づくりを告発しました。仙波さんは、記者会見をした動機を次のように言っています。現場の良識ある警察官は裏金づくりの根絶を願っている、志を持って警察官を拝命する若い人が思う存分活躍できる警察にしたい。また、この時期に会見したことについては、大洲警察署の裏金づくりの調査結果が余りにも実態からかけ離れ、県警総務室長の県議会答弁が全く事実に反している、この特別監査が終わると警察の再生の機会が失われてしまう、そういうふうに考えて告発に踏み切ったというふうに語っておられます。仙波さんの告発というのは、裏金づくりをやめてほしいというまじめな現場で働いている多くの警察官の叫びを代表しているものだと思うんです。昨年の北海道警OBの原田さんもそういう趣旨で告発をされました。そこで、国家公安委員長に伺いますが、あなたはこの現職警察官の叫びをどのように受けとめておられるか、伺います。
■村田国務大臣(国家公安委員長) 愛媛県警におきます現職警察官のそうした事実の発表につきましては、事実関係を愛媛県警本部においてきちんと調査するということがまず必要であると考えております。
■吉井委員 仙波さんは、警察官として三十八年間、実際に体験したこととして、にせ領収書づくりと裏金の使途について語っております。一九七三年から九五年にかけて、県内七つの警察署で、にせ領収書、にせの名前の領収書を作成するように上司から依頼された。領収書の金額は三千円から一万円、年に二回ほど、一回につき三枚の作成を依頼されたという話です。
 仙波さんは、にせ領収書の依頼について、ほかのことは協力しますが、犯罪はしたくありませんと拒否したというんですね。また、捜査員が協力者に謝礼を払ったということも聞いたことがない。会計課員の話として、捜査費制度は裏金づくりのためのシステムと言っていたということも述べておられます。
 裏金は、ほとんどが管理職の飲み食いなどプライベートに使われた。どれだけの額をつくるかは次長の腕次第。八幡浜署では、当時の署長が一年に五百万円使い、副署長が苦労していたと言われていますが、公務員が職務に関連して裏金づくりのためににせ領収書をつくることは、虚偽公文書作成罪、これを行使すれば同行使罪、公金を幹部が私的に流用すれば、背任、横領罪に当たると思うんです。法務省に伺っておきます
■河村政府参考人(法務省大臣官房審議官) 犯罪の成否につきましては、収集された証拠に基づきまして、個々の具体的事案に即して判断されるべきものでございますが、あくまで一般論として申し上げますと、公務員が作成すべき公文書につきましては、公務員が、その職務に関し、行使の目的で、虚偽の文書を作成する、あるいはそれを行使いたしますと、虚偽公文書作成罪、あるいはその行使罪。それ以外の文書にございましては、行使の目的で、権利、義務、事実証明に関する文書を偽造いたしますと、私文書偽造罪等々が成立するということが一般論としては申し上げることができます。(発言する者あり)
■吉井委員 はっきり大きい声でお願いしたいと思います。
 虚偽公文書作成同行使罪というのは、刑法百五十六条違反で、一年以上十年以下の懲役刑ということになります。これは明白な犯罪であるわけであります。
 法務省に引き継いで聞きますが、既に先ほどもお話ありました、御答弁ありました伊東官房長官の八〇年答弁の中でも、公務員には告発義務が課せられているということですが、犯罪を知ったら告発する義務がある、その立場で法務省は臨んでおられると思うんですが、そういうことですね。
■松下委員長 法務省河村審議官、大きな声で発言願います。
■河村政府参考人 一般論として……(発言する者あり)申しわけありません。地声でありまして、申しわけございません。
■松下委員長 マイクに近づいてください。
■河村政府参考人 一般論として……(発言する者あり)済みません。申しわけございません。よろしゅうございますか。
 一般論として申し上げますと、刑事訴訟法第二百三十九条第二項は、公務員がその職務を行うことにより合理的根拠に基づき犯罪があると思料する場合には、告発しなければならないという、公務員の一般的な告発義務を定めているものと理解いたしております。
■吉井委員 犯罪事実があり、告発しなければいけない義務がある。
 刑事訴訟法二百三十九条二項の規定というのは、公務員に対する義務規定があり、公務員がこの告発を怠った場合には、国家公務員なら国公法第八十二条一項二号、地方公務員なら地公法二十九条一項二号による「職務上の義務に違反し、又は職務を怠つた場合」に該当して、懲戒処分の対象になってしまうんじゃないかと思うんですが、総務省に伺います。
■須田政府参考人(総務省自治行政局公務員部長) 地方公務員の懲戒処分についてのお尋ねでございますが、一般的に、職員に非違行為があった場合には、任命権者は、その非違行為の性質、内容、その他の事情を考慮し、個別案件ごとに懲戒処分の対象となるか否か判断するものでございます。
 一般論として申し上げさせていただきますと、正当な理由なく刑事訴訟法第二百三十九条第二項の規定に違反した場合には、懲戒処分の対象となり得るものと考えております。
■吉井委員 ですから、やはりそういう重たいものなのですから、ぜひ、こういう事実を知った人は告発をして正すということで頑張っていただきたいというのが国民の期待であるというふうに思うわけです。
 仙波さんは犯罪への協力を拒否してきたわけですが、その仙波さんに対して、警察は昇任ストップという攻撃を加えてきました。
 八〇年七月の警部補昇任試験をめぐって、仙波さんは宇和島警察署次長とのやりとりがあったというふうに記者会見などで語っておられます。
 次長の方からは、試験を受けた後、試験どうだったと聞かれて、学科試験はよくできていると言われましたから、合格すると思っています。そうしたら、次長の方は、君は通らぬよと。どうしてですかと聞くと、君は領収書を書いていないだろう。私はマル特ですか。そういうことだ。それでは、今後も試験は通らないんですね。いやいや、君が領収書さえ書けば、来年の昇任試験には間に合うよと、こういう状態なんですね。
 にせ領収書を書かなければ昇任させないということは、これは地公法第十三条平等取り扱いの原則に違反し、同十五条の任用根本基準の規定、職員の任用は、受験成績、勤務成績その他能力の実証に基づいて行われなければならないという規定に反していると思うんですが、総務省、どうですか。
■須田政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘のケースにつきましては、具体的に私ども把握しておりませんので、お答えしかねるところでございますが、あくまで一般論として申し上げさせていただきますれば、明らかに適法性を欠く職務命令が発せられたと認められる場合において、これに従わなかったことを理由として、不平等な取り扱いを受けたり、能力に欠けるという判断を下されたりすることは、地方公務員法第十三条あるいは第十五条の考え方と相入れないものと考えております。
■吉井委員 実際にそういうことなんですね。
 これは、まず、にせの領収書をつくるということは、虚偽公文書の作成に当たりますから、犯罪なんです。その犯罪の事実を知ったら、本来は、荷担するんじゃなくて、共犯関係になるんじゃなくて、犯罪を知ったら告発する義務があるんですね。その義務を果たさないときには懲戒処分までかかってくるぐらいですから、本当はそれをやっていくというのが普通なんです。だから、仙波さんがされたことが普通であって、これは国民の普通の感覚だと思うんですね。
 その告発する人に対して、いきなり告発しているんじゃないですね、内部告発されたんじゃなしに、まず次長の方などから領収書を書くようにと言われて、この方は七回転勤されて、もう行った先々でも言われて、毎回断っておられるわけですね。それは、そういうにせの領収書を書くというふうな、それに荷担したくないという思い、それに荷担するということは、次々と、連鎖反応的に広げるわけですから、そういうことをやっちゃならないという思いで拒否されたんですね。
 そうしたら、昇任試験のときには、君は通らぬよと。普通のことをやったら試験に通らない、これはどう考えても異常なことだと私は思うんですね。それは国民的な常識というものじゃないかというふうに思います。仙波さんは記者会見で、要するに、にせ領収書づくりに協力することは共犯者づくりに協力することだ、こういうふうに言っています。警察は、犯罪をつくるところではなくて、犯罪を防ぐところなんです。内部でいささかなりとも異常なことが起こらないようにするべきところなんですね。そのことがちゃんとやられていないということが、昨年の北海道警の問題で、この内閣委員会を初めとして随分取り上げてきましたけれども、そういうことなんですよ。
 そこで、国家公安委員長に伺いますが、昇任試験がにせ領収書に協力しなければ合格させないようにするなんというようなことはあってはならないことだと思うんです、普通の感覚でいったら。どうですか。
■村田国務大臣 本人が記者会見で、先生が今言われたようなことを発言したということでございますので、今愛媛県警において、本人を含めて事実関係を調査しているもの、こういうふうに聞いております。
 なおかつ、昇任試験でございますが、昇任試験につきましては、厳正かつ公正になされなければいけないものだと私自身存じております。


さて、この愛媛県警の問題は2月18日、衆院の予算委員会でも取り上げられた。一部は全国中継されていたので、ご覧になった方もいると思う。ここでの国家公安委員長の答弁に、いまの警察の思考形態が如実に現れている。再び引用(一部略)を以下に記したい。質問者は民主党の中井議員。

■中井委員 それでは、愛媛の問題に移ります。この間、長官は、我が党の議員の発言に対して、愛媛のいわゆる内部告発者異動、報復人事ではない、いじめでもない、公益情報通報者保護法の精神に反してもいない、こういうお答えを二度にわたってやられました。間違いありませんか。
■村田国務大臣 先刻御答弁申し上げたとおりでございます。
■中井委員 このいわゆる内部告発をした仙波敏郎巡査部長は何というポストへ異動になったんですか。
■村田国務大臣 改めて正確に申し上げますと配置がえでございますけれども、地域課の通信指令室でございます。
■中井委員 その下の肩書。肩書を言ってくださいよ。
■村田国務大臣 企画係の主任でございます。
■中井委員 地域課通信指令室企画主任ですね。このポストはいつつくられたんですか。公安委員長、どうぞ。
■村田国務大臣 一月二十七日と聞いております。
■中井委員 異動の内示があったのはいつですか。
■村田国務大臣 内示がございましたのは、一月の二十四日でございます。
■中井委員 内示が二十四日、異動の命令が二十六日、そしてポストができたのは明くる日と、こんなばかなことがありますか。何なんですか、これは。それでは、村田さん、聞きますが、この企画主任という仕事は何ですか。村田さん、答えてよ。
■村田国務大臣 仕事は通信関係でございまして、一一〇番の、要するに、電話を受けて、それに基づきましてパトカーに指示したり、そういうたぐいのポストでございます。
■中井委員 仕事は松山城を眺めることなんですね。五人ずつおって、五人の職員が配置されて、当人はぽつっと一人だけのところにおって、窓の外、松山城を見ておるだけ。これをいじめというんですね。こういう措置をしておいて、何も……(発言する者あり)城が見えてもいいとおっしゃった議員、これは伊藤公介君だけれども、ちょっと見識を疑うな、君、幾ら友達でも。だめだよ、そんなことを言っちゃ。
 公益情報通信者保護法というのは、こういうことをやらないために、守るためにつくった。あなたは、何も外れていないと、きのう、おとといか何か、当委員会で答えていた。情報が公益情報かどうか、それはこれからでしょう。しかし、現職警察官で内部情報をしたというのは、これは初めてですよ。僕らもびっくりしました。よくやったなと思います。これを報復人事でやる。そして、それを公安委員長が、普通の異動ですとぬけぬけと国会で答える。これでは、警察を監督する公安委員会として役割を果たしていない。警察から上がってきた資料をあなたは読まれておるだけだ。言いますが、ピストルを取り上げた。記者会見をした、帰ってきたらもうピストルがなかった。聞きますが、愛媛県警、二千七百人ぐらいいらっしゃるんですか。二千七百人で、ピストルを持っていない人はだれで、何人ですか。
■村田国務大臣 松山城を眺めるだけだというお話でしたけれども、しかしながら、私ども、報告……(中井委員「そんな弁解せずに、調べりゃいいじゃないか」と呼ぶ)いやいや、報告を受けているところでは……(中井委員「報告が間違っていると言っているんだよ」と呼ぶ)
■甘利委員長 そのまま答弁を続けてください。
■村田国務大臣 いや、間違っているかどうか、とにかく報告を受けているわけでございますが、それを、報告で聞きますと、四月から、警察署が再編によりまして減っていく、こういう中で、本人にはそうした配置がえに伴ういろいろな事務をやってもらう、そういうことにしたわけです。
 その事情はどうかといいますと、要するに記者会見が特にそのスタートになった、こういうわけではなく、しかも、それが不利益処分に該当するということでもございませんで、同じ課内の中の配置がえである、こういうことでございます。
 それから、仕事の内容としては、先ほど申しましたように、大変暇な仕事ではありませんでして、いろいろな、これからの配置がえに備えまして大変な事務があるということでございます。
なお、ピストルを所持していない警察官につきましては、六名ということだそうでございます。
■中井委員 ピストルを所持していない警察官は仙波君だけだという話もあります。それは、みんなは保管所に置いてあるんですから、県警本部長以下。
 それから、仕事を本当にしているのかということを含めて、村田さん、あなたの役割は、この告発した中身が本当かどうかというのを調べることがあなたの役割。
 あなたは何だ。警察は悪いことをしていない、告発した人はおかしい男だと、私にあるパーティーの席上で言った言葉まで僕は覚えておる。(発言する者あり)それはあえて言わないけれども。国家公安委員会として、もう少し考えた方がいい。あなたが警察全体を掌握し、指揮命令するんですから、組織上。これはぜひ再調査をいただきたい。
 特に、去年ですか、あなたらの改正の中で、例えば、愛媛県の公安委員会は特別検察官を任命することができる、公安委員の中から。そういう人を早く任命して、そして仙波君の聞き取りをやる、このことが大事だと僕は思います。
 一番心配していますのは、彼は、平成七年まで、それぞれ異動した署において、全部、にせ領収書を書けと言われたが断り続けた、こういったことを内部告発しました。今、ここを中心におやりになっていると思いますが、もう平成七年ですと書類もありません。関係者も、やめたり亡くなっている方もおられるでしょう。県警は二十三人の体制で調査をされているようですが、初めからもうこうやって、組織の裏切り者、変わり者扱いして、本当の調査をおやりになるかどうか、大変疑わしいと私は思っています。
 県の特別検査が今行われています。これは知事命令。だけれども、これは十三年度分。そして、この検査の委員の方々は、仙波巡査に会ったけれども、平成十三年のことだけ尋ねて、あとは聞いていない。
 問題は、私どもが主張しているように、この捜査費、県費で行われる捜査報償費、これはほとんどにせだ、にせ領収書を片っ端からある程度以上の階級の方が書いてやってきた、このことを証明した、これが一つであります。それから、旅費等その他含めて、つい今の今まで税金を私する会計処理が行われてきた、このことを証言しております。
 私は、警察が憎かったり、何だからと言っているわけじゃありません。本当に警察が国民に信頼されて、犯罪に真っ正面から立ち向かう、治安維持のために頑張ってくれる、これほど大事な組織はないと思っています。
 しかし、だれもがチェックできないシステムの中で、いつの間にかこういう残念な状況が出てきている。私どもは、幾らも幾らも、いろいろな方にお目にかかって、承認してくれ、しゃべってくれと言いました。だけれども、残念ながら、みんな警察一家、組織を裏切れません、今勤めている職場がなくなりますとおっしゃって、私ども、個々の話に終始しています。マスコミ関係者も、匿名の情報者には会って報道していますが、名前を出してというところにいきません。今回初めて名前を出して現職警官が内部告発した。これをきちっと受けとめて、私は、警察の会計処理のあり方、これを正すべきだ、洗うべきだ、こう考えています。
 国家公安委員長が、警察庁の言うとおりに信じてやらずに、私どもの言うことにも耳を傾けられて、国民の信託を得た指示を出される、あるいは処理をされるように重ねて要望いたします。
 それからもう一つ、愛媛県について言いますと、例えば、知事は、こういう事件にかんがみて、平成十年までの会計書類を残す、こういうことを県警に依頼いたしました。私どもが県警本部長にこのことを尋ねましたら、考慮中だと言うのです、考慮中。どうしてだと言ったら、理由がわからぬ、こう言うんです。
 都道府県警察にあって、宮城県でも愛媛県でも、知事の言うことを聞かなくて済むというシステムになっている。災害のときどうするんだ。災害のときですら、知事は県警本部長に対して命令権はない。都道府県警察だといいながら、国家警察のシステムの中にある。うまくできているといえばできているけれども、今、このシステムが悪用されている。だから、愛媛も宮城も、知事は捜査報償費の予算計上を削り飛ばして対抗しておる、こういう状況にあります。
 このことについて、麻生さん、あなたは地方自治担当だ。だけれども、警察に対して何か指揮命令、あるいは物を言える状況にあるのか。こういう状態の日本の警察状況についてどう思うか、聞かせていただきます。
■甘利委員長 時間が過ぎております。簡潔な答弁をお願いします。
■麻生国務大臣(総務大臣) 御存じのように、都道府県知事は、政治的な関係の立場でもありますので、警察に対して直接指揮命令権を有しているわけではありません。それのかわりに、所轄いたします公安委員会というものを通して指揮命令を出すという形になっております。ちょっと延びて恐縮ですけれども、現実問題として、今いろいろなところで、警視以上になりますと国家警察になり、警部以下は御存じのように地方警察ということになりますので、そういった二重構造という形になってきておる。そのゆがみがいろいろ出てきているのだという感じがいたしてはおりますが、これを今すぐどうしろこうしろということを考えているわけではありません。

長々と読ませてしまいました。でも読んでいただき、ありがとうございました(高田)
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by masayuki_100 | 2005-03-05 14:45 | ■警察裏金問題全般