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ニュースの現場で考えること

木をみて森もみる(14) 「だれかが見ている」

英国に「監視研究ネットワーク」という団体がある。やや古い数字だが、そこが1年ほど前に出した報告書によると、この国では約420万台の監視カメラが稼働しているそうだ。外出すれば、1日で300台のカメラに捕捉(ほそく)されるという。

カメラだけではない。

走行車両については、治安当局が毎日、全体の約4割、約5000万台のナンバーと運転者・助手席搭乗者の顔を自動的に捕捉する。データベースの蓄積は、指紋が600万人分、DNAが350万人分。クレジット・カード利用も、半数以上が行動分析の対象になっている。電話や電子メールの内容、ウェブサイトの閲覧なども何らかの形で記録、分析されていると思った方がいい。

日本も最近の事情は似たようなもので、例えば、いつの間にか東京はカメラだらけになった。そして、こうした監視強化の理由は、いつもこう言われる。

「激増する凶悪犯罪を防ぎ、安全を守るために」

  ◆  ◆  ◆

3年前に日本で勤務していたころ、「あなた見られてます~監視と安全のはざまで」という連載企画のデスクを担当したことがある。その過程で種々の統計をひもといていると、おもしろいことが分かってきた。日本では、凶悪犯罪はまったく増加していないどころか、減少を続けているのである。


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by masayuki_100 | 2008-05-09 08:00 | 木をみて森もみる