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ニュースの現場で考えること

昨年、「日本」に上陸した台風は10個か13個か

5年ぶり、いや6年ぶりでしょうか。先日、郷里の高知に足を運んできました。高知と言えば、台風銀座。私の子供時代も随分と強い台風が何度も襲来した記憶があります。板塀が全部倒れたり、床下で濁流が渦巻いたり。子供にとっては、そんな「非日常」は怖さの一方で、ワクワクもするもので、まだ存命だった祖父が馬鹿力で畳を飯台の上に揚げていた光景などを思い出します。

その高知で、沖縄と台風の話になりました。昨年(2004年)、日本に上陸した台風の数は10個であると本土では言っているが、沖縄では13個と言っていると。そんなことがあるのか?と思ったのですが、私の認識不足だったようです。

ムジュウカラのチャンネルさんのブログ内に「今年、台風は日本に何回来たか」というエントリがありました。内容はこうです。

(以下引用。一部略)
大きな被害をもたらした台風23号について、NHKは「日本に上陸した10回目」の台風と放送していた。一方琉球朝日放送はストリーミング動画ニュースで13回目と放送していた。一体、何回目が正解なんだろう。それとも両方とも正しくて、沖縄は日本じゃないからというのが正しいとらえ方なんだろうか。



琉球朝日放送によれば、沖縄でも相当な被害が出ている模様。NHKの台風23号の被害を振り返る放送でも沖縄のことには何もふれていない。本土の放送は沖縄での基地被害についてほとんど放送しないのは政治的な理由からと理解していたが、台風という非政治的なことがらもこのありさま。この報道姿勢は「無視」という二文字で理解するのが一番いいのだろうか。何故、せめて日本「本土」という二文字をいれる配慮がないのだろう。もし、沖縄も日本の一部だという認識なら、沖縄への台風上陸は当たり前でニュースにならないというのだろうか。そして基地だらけなんだから被害があってもニュースにならないということでもあるのだろうか。(引用終わり)

少し調べたところ、気象庁は台風の統計の基準において、以下のように判断していることが分かりました。

「接近」=台風の中心が日本の海岸線から300km以内に入った場合が「日本に接近した台風」。
「上陸」=台風の中心が北海道、本州、四国、九州の海岸線に達した場合を「日本に上陸した台風」。ただし、沖縄本島などや小さい半島を横切り短時間で再び海に出る場合は「通過」。

気象庁の台風統計には「本土に接近した…」のように「本土」と明確に記しているものが多数あります。1972年の沖縄返還以前から、気象庁は同一基準で統計を取っているのでしょうから、それはそれで分かるのですが、ムジュウカラのチャンネルさんの言うように、本土メディアの側には、沖縄軽視の視座があるのは間違いない感じがします。昨年8月、沖縄国際大に米軍ヘリが墜落した際も、全国紙などは実に冷淡な扱いでしたし、最近の基地問題の報道ぶりについても私は似たような感想を持っています。

「沖縄の基地問題は地域問題だ」と昨年、全国紙の編集幹部はある会議の席上で、堂々とそう語りました。私の数日前のエントリ「北方領土が遠くなる」でも言いたかったことなのですが、日本の両端が直面する課題は、いつの間にか「東京発」の報道の中では片隅に追いやられ、地域の問題であるかのような扱いを受けている感じがしてなりません。

NHKが報じたように、昨年「日本」に上陸した台風は、本当に10個で良いの?

(追記)もちろん、きょうのように「2プラス2」などで基地問題が報じられることはあります。しかし、それは私の上記のような感覚を覆すものではないんだな。


昨年、「日本」に上陸した台風は10個か13個か_c0010784_17453890.gif
by masayuki_100 | 2005-02-24 16:56 | |--沖縄、北方領土