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ニュースの現場で考えること

愛媛県警・実名告発した仙波氏の新ポスト

現職の巡査部長でありながら、実名で裏金問題を「告発」した愛媛県警の仙波巡査部長は、その後、たいへんな状況に置かれているようだ。(この問題は当初、テレビ愛媛がリードしていたが、仙波巡査部長の告発からは、愛媛新聞が先行して報道を続けている。双方のHPを見ると、経過がわかる)

たいへんな状況というのは、仙波巡査部長が告発後、突然、「鉄道警察隊」から「県警本部地域課通信指令室」へ異動したことを指す。報道によれば、告発の数日前、何かの面談で仙波部長は上司から異動は無い旨、言われていたそうだから、今回の異動が告発と無縁であるとは、常識的には考えられない。

愛媛県警の内情はよく分からないが、通常、通信指令室主任は警部補ポストである。従って、通常なら仙波氏はこのポストに居る間に巡査部長から1階級昇進しても不思議ではない。逆に言えばそういう「昇進」をエサに(私にはそうとしか映らない)、或いは組織内外への言い訳に使うようなところが、警察組織のありようを示している、と思う。

ところで、仙波氏が「たいへんな状況」になっていると私が感じるのは、そうした目に映る部分だけではない。おそらく、いや、間違いなく、本人には空前の嫌がらせが続いているに違いないと思うからだ。北海道警の裏金問題では、OB二人が実名で登場し、その姿に押されるように、大勢の現職警察官が北海道監査委員の特別監査に対し、真実を語った。ところが、こうした人々は、警察組織にとっては「改革者」ではなく、単なる「裏切り者」でしかなかったようだ。




その後、こうした道警関係者の人々のもとには、実にひどい手紙やファクスが届いている。たまたま、さきほどまでその一部を読んでいたのだが、人間、ここまで品性下劣になれるのか、と思うほどの内容である(もちろん、ここに書くことも憚れるほどヒドイ内容だ)。内容、文面から、どういう人々が書いたのかは、想像が付く。いま、東京地検特捜部の検事が書いた「マスコミはやくざよりひどい」という趣旨の「私信」が話題になっているが、私の読んでいた手紙類はその比ではない。いったい、こういう文章を書きながら、或いは、それを投函した瞬間、その人たちは何を思ったのだろうか。

想像だが、仙波氏のもとでも同様のことが起きているのではないか。或いは、これから起きるのかもしれない。もし仮に、そうしたことを行う人々が警察関係者であったとしても、たぶん、「組織」を離れれば、そうした人々も、ふつうの感性を持った、ごく普通の人だと思う。そこに、日本警察の、いや、おそらく、ありとあらゆる(古びた)組織の病理がある。個人が個人として生きていくことが極めて困難で、組織(一定の価値観)への従属を求めてやまない異常性がある。

それにしても、ほんとに、ひどい。こんな道警関係者に送られてきた手紙類の数々。ご本人の了解が取れたら、一度、どこかでまとめて公開したいくらいだ。真夜中なのに、暗く、陰鬱な気分になってきた。
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by masayuki_100 | 2005-01-30 01:04 | ■警察裏金問題全般