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「真実 新聞が警察に跪いた日」を柏書房から出版しました。北海道警察の裏金問題をめぐる報道、その顛末を「私」の目線で切り取った1冊。一連の問題の総括です。


by masayuki_100

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「@Fukushima 私たちの望むものは」の前作とも言える「希望」はこちらです。ふつうの人々の声に耳を傾け、聞き取ることの大切さ、すばらしさをお分かりいただけると思います。クリックすると、「まえがき」を読むことが出来ます。

「権力vs調査報道」は権力監視型の調査報道に関する(おそらく)これまで日本になかった書物です。「リクルート報道」「大阪地検特捜部検事による証拠改竄」など調査報道に携わった記者たちに取材手法などをインタビューしました。

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「格差社会は悪くない。悪いのは、あなただ!」

「格差社会」について、あちこちで種々の意見が交わされている。しかし、それらの格差(主に経済的なそれ)を若い人々はすでに、すんなりと受け入れているのだとしたら、議論のありようは根本的に違ってくるはずだ。「格差?それがどうしたの?それのどこが問題なの?」という人々が大多数だと仮定すれば、では、今の格差社会論議は、いったい、社会の何をどう解明し、その先、どう展開していくのだろうか?

以下、少々長いけれども、山口二郎北海道大学教授のHPからの引用。06年8月:対抗軸としての社会民主主義の創造

(引用開始)

去年の総選挙で若者・都市住民が小泉自民党に雪崩れてうっていきました。「騙された」という説明もあり得ますし、ドラマ化された政治、「刺客」とか「セレブ」とか面白いトピックを繰り出していくエンターテイメントとして選挙をやったということをいう人もいます。しかし、それですべてを説明するのは無理だと思います。私は、実体的な理由があったと思うわけです。そこで考えたことが、再分配あるいはリスクを社会化するという仕組みについて人びとが大変大きな不満を持っているということです。日本人がみんなアメリカンイデオロギーに染まって、平等や公平を放棄したのではなく、歪んだ平等主義や正義感によって、「小さな政府論」を支持しているという捻れた状況があると思うのです。再分配政治は、何となくうさんくさいものに見え、無駄が多い、腐敗がいっぱいある、一部の人間だけを太らせているという一連のイメージが一般的にあり、それらを大掃除する手段として「民営化」はすごく魅力的な手段に見えたのでしょう。
 私は、最近、「プチ不平等」という言葉をよく使います。ヒルズ族と「おんぼろアパート」との間の格差は、もはや政治的争点にならないのですが、「おんぼろアパート」と公務員宿舎の格差は政治の問題になるわけです。非正規雇用が急激に増え、リストラで大変辛い目にあった民間企業の人たちが大勢いるなかで、雇用のリスクがない公務員は特権階級に見えちゃうわけです。あるいは、農業などに対するサポートも、輸入食料品で食費を安くあげる生活をしている人から見れば、「弱者面をした人間」にいっぱい金をまいていると見えちゃうわけです。
 公共セクターは平等をもたらす仕組みではなく、むしろ格差や特権を部分的にこしらえている存在で、「官から民へ」「小さな政府」にすることが、むしろ世の中を公平にして風通しをよくすると思えちゃうのです。そこをキチンと理解しないと、小泉人気の説明がつかないと思います。

(引用終わり)



そうだろうな、と実感。種々の「格差」を当然のように人々が受け入れている、何の違和感もないのだとしたら、彼らからすれば、格差の問題を声高に言い立てる人々は、相当に違和感を抱く対象であろう。格差社会の問題は、今年初頭から種々の新聞でも大きく扱われるようになってきたが、それらの記事に得心していたのは、格差社会を問題にしている人々だけであって、「容認派」はもしかしたら、嫌悪感を抱いたかもしれない。

なかなかうまく表現できないが、格差その双方の溝みたいなものが、今の社会では、一番大きいのだろうと思う。

昨年の総選挙後、名前は忘れたがどこかのブログで、「この選挙で敗北したのは、労働組合という特権階級だ」という記述があった。また最近では、例のオーマイニュース日本版に関連して、(これも有名なブログだったが、名前は失念)、「小泉政権を批判するのは左翼。オーマイニュースは“市民”を騙る左翼だ」みたいな言説があった。どちらも、皮相的な見方であり、それを一蹴することは容易いのだろうが、しかし、そういう「反格差社会」的な行為・言説自体が、もう影響力を持ちえていないのではないか。なにしろ、長く伸びたマラソンレースの後方に位置する人々が、その現状を受け入れ、「格差は悪くない」「悪いのはそれを言い立てるあなただ」と叫んでいるのだ。

「格差容認」の言説は、その人の生活実態がどうであれ、多くの場合は「下から」の言説である。下から上を見て(或いはその形をとって)、社会を射抜こうとしている。「下からの言説」は、その内容はどうであれ、かつての労働運動・大衆運動がそうであったように、民衆に依拠しているからこそ、「絶対的に善」みたいなところがあり、そして、民衆に依拠しているからこそ、「われわれの言説は非常に強固だ」と言い張ることが出来るようにも思う。

私自身はそういう現状を前にして、なんともすっきりしない、どうにも居心地が悪い、そんな感じを拭えずにいる。
by masayuki_100 | 2006-09-10 17:38 | ★ ロンドンから ★ | Trackback(14) | Comments(3)
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http://newsnews.exblog.jp/4528619 昨年の総選挙後、名前は忘れたがどこかのブログで、「この選挙で敗北したのは、労働組合という特権階級だ」という記述があった。また最近では、例のオーマイニュース日本版に関連して、(これも有名なブログだったが、名前は失念)、「小...more
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タイトル : なんだかなあ
ニュースの現場で考えることで気になる記事を見つけた。「格差社会は悪くない。悪いのは、あなただ!」 「しかし、そういう「反格差社会」的な行為・言説自体が、もう影響力を持ちえていないのではないか。なにしろ、長く伸びたマラソンレースの後方に位置する人々が、その現状を受け入れ、「格差は悪くない」「悪いのはそれを言い立てるあなただ」と叫んでいるのだ。」あーこれどっかで聞いたことあるぜい、リアルでなあ。期限付き雇用の人間が、期限なし雇用の人間に向かって、「あんたらみたいな無能なのがのさばってるからいかんの......more
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 「下層」とか「負け組」とか負け組とか言われる低所得者層や不安定就業者層(パート・派遣など)とか言われる人たちが、新自由主義(=市場原理主義)路線による「(勝ち組・負け組の)二極分化」とか「格差社会化」と言われる現象を受け入れている傾向があるらしい。 例えば、以下の記事にあるように。*『なんだかなあ』(tsurezure-diary 2006年9月19日記事)http://blog.goo.ne.jp/tbinterface.php/c91a10821052ffec04e71a4f1a8......more
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タイトル : 『論争 格差社会』に終止符
『論争 格差社会』(文春新書)を読んだ。 小泉内閣も終焉を迎え、「格差社会」や「ニート」が本格的に政治問題化してこれからしばらくは対立軸として与野党の論争が繰り広げられることだろう。 このテーマはNHKの「日本のこれから」で第一回目に採り上げられるほど、国民的な関心事となっている。皮肉にも当時「勝ち組」の代表として番組に出演していたホリエモンは逮捕されてしまった。...more
Tracked from 志村建世のブログ at 2006-11-04 14:06
タイトル : 橘木俊詔「格差社会」を読む
岩波新書の「格差社会」を読みました。副題に「何が問題なのか」とついています。その通りに、現在起きている日本社会の格差の拡大が、明確な政策によって起きていること、その結果が国民の幸福にとって深刻な脅威になるであろうことを説いています。「格差は成長のた......more
Tracked from ぱふぅ家のサイバー小物 at 2007-02-16 12:50
タイトル : 【最低賃金より生活保護がお得!?】格差社会
厚生労働省やOECDの統計に基づき、日本国内だけでなく、各国と比較したうえで、日本には格差がある事実を伝えようとしている。統計データに基づくという点では説得力があるのだが、現場の取材=たとえば、本書の中で問題にしている母子家庭、フリーター、ニートなど=が無い点で、迫力には欠ける。とはいえ、日本の都市部では最低賃金が生活保護支給額より低いなど、ワーキングプアの原因を論理的に明らかにするあたり、「勝ち組/負け組」といった感情論で終始するよりは建設的である。...more
Commented at 2006-09-12 20:10 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by てけてけ at 2006-10-12 08:16 x
> そうだろうな、と実感。種々の「格差」を当然のように人々が受け入れている

ここが、ネットから視える風景だけをみていると見誤る点だ
と感じます。
Commented by F-15J at 2006-10-12 11:13 x
個人的には、「結果の平等を実現するのは不可能」
ってのが大前提ですねぇ。

個々の能力には歴然とした差が存在するのに、結果だけは
平等にしようとしても、所詮無駄な足掻きです。

かといって、福祉・平等の名のもとに「再分配」をやったところで、
計り知れない無駄とある特定の場所に利権と不平等を生む
だけですしね。

「再分配」をいくら大きくしても、自分からは取られる一方で
還元する事がないという現実を踏まえれば、いっそのこと
「再分配」そのものをなくしてしまえば、自分から取られる量を
大幅に減らせるというのは非常に合理的な考え方です。

それに抵抗するのは弱者ではなく、現在の「不正な・不平等な」
利益を貪っている「自称弱者」とその取り巻きなのですから
(しかも自覚が無い。)そりゃ攻撃対象になるのは政府ではなく
そちらの方々でしょう。
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