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ニュースの現場で考えること

「自由記者クラブ」設立の構想

記者クラブ制度に関連し、私はいま、ぼんやりとした「構想」を持っている。構想だから頭の中に描いているだけであって、それを実行できる物理的・財政的根拠は、何も持ち合わせていない。でも、こういうものがあれば、いいだろうなあと。まあ、夢想と紙一重かもしれないが。

記者クラブ制度の問題は各所で議論されていたし、今も議論されている。それはそれで大事なことなのだが、私自身は、この制度に関する問題点の洗い出しは終わっており、論点は整理し尽くされたと思っている。あとは、どこをどう変えていくかの具体論しかない。で、その具体論のところで、既存メディア側はなかなか動かず、物事はまったく進んでいない。私は記者の集団としての「記者クラブ」は、あってしかるべきだと思っている。それについては、過去のエントリ(例えばココ)でさんざん書いてきたので、関心のある方はそちらに目を通してもらいたい)。

新聞やテレビによる報道の一番の問題は、「発表依存」「官依存」「当局依存」の構造になっている点にある。いわば、「発表ジャーナリズム」に陥っているのであって、どんな理屈を並べようと、現状を俯瞰すれば、当局(大企業等の民間も含む)の広報機関になっている事実は疑いようが無い。その点は、ジャーナリストの岩瀬達哉氏浅野健一氏らが早くから指摘しているし、事実、その通りだと感じる。最近では、ジャーナリスト寺澤有氏の指摘と行動が鋭い。

そうした「発表ジャーナリズム」を取材現場の日常風景に置き換えれば、こういうことだ。多少大袈裟な書き方かもしれないが、「毎日、役所等の記者クラブに出社する。役人等の話を聞く。役所側の発表を聞く。同業他社に役所ネタが抜かれていないかチェックする。役所の人と夜の街へ繰り出す」・・・そんな感じである。記者の日常は、多くが役所の庁舎内で終わり、取材相手は役所関係者だけで終わる。この場合、「役所」は「警察」でも「検察」でも「政治家」でも「大企業」でも、まあ、なんでも良い。要するに、「狭い」のだと思う。記者はよく、「付き合いの幅が狭い」と言われるが、それは一面で当たっている。日常のビジネスシーンに、役所関係者と同業他社と社内関係者しか登場しないのだ。そして、そうした日常風景を支える場所として、いまの記者クラブがある。

私の考えによれば、「発表ジャーナリズム」を支えているのは、記者クラブの存在よりも、記者の日常の仕事様式・思考様式そのものにある。記者クラブ所属している記者の中には、当たり前の話だが、素晴らしい仕事をする記者もたくさんいる。記者クラブの机から、その当該役所を揺るがすような記事もたくさん発信されている。それは間違いない。ただ、多くのケースでは、役所との関係の中でのみ記者の日常が終わり、記者の思考も役所的になっているのも、また事実だ。権力悪を暴き出すような原稿が「記者クラブ発」で世に出たとしても、多くの記事・多くの記者は「脱当局」の行動様式がなかなか取れない。そりゃそうだ。記者クラブに出社して、毎日そこに通って、役所関連の記事を書けと仕事で言われたら、開き直ってサボる場合は別にして、会社員はふつう、役所通いを続けるのだ。自由な取材ができる立場を組織内で得ようとすれば、10年くらいはかかる。そこに到達したとしても、その他大勢の記者・若い記者は、役所通いが続くのだ。これでは、「構造」は変わるはずがない。

だから、現行の記者クラブ制度が変わり、自由化されたとしても、取材者の姿勢・目線・行動様式が変わらない限り、おそらく、報道の内容は大きく変わらないのだ。今の日本では、メディア側の権力への「すりより」が一層激しくなっている。それは記者クラブ制度が存在するからではなく(もちろん大いなる関係はある)、記者の姿勢・性根にかかわる部分が根本にあると思う。

で、私の「構想」の話である。



前置きが長くなってしまったが、私の「構想」「夢想」は、だれでも参加できる「自由記者クラブ」をつくれないか、ということだ。考え方の基本は、「脱・当局」「脱・官依存報道」「市民からの情報発信を増やす」である。まだ整理しきれていないが、以下に少し綴ってみる。

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(1)自由記者クラブには、記者が個人単位で会員として加盟する。新聞社やテレビ局の記者か、雑誌記者か、ネット記者か、フリーランスか、日本人かどうか、そういった「所属組織の有無」等は問わない。記者専業でなくても、自分が記者であると考える人は、原則、だれでも参加できる。

 →→日本新聞協会等の加盟社記者でないと事実上、既存の記者クラブには所属できない。その壁を突き崩す。そのためには参加資格を「加盟社」という組織単位から、「個人」に移す必要がある。


(2)自由記者クラブは、東京の霞ヶ関近辺の民間ビルに広い部屋を確保し、あらゆる団体・個人がプレス発表できる場所として存在させる。ただし、政府関係者・団体等は既存の記者クラブにおいて発表の場を確保できているので、特別の事情がある場合を除き、当面は自由記者クラブで発表の機会を設けることはできない。
 
 →→種々の発表の場所は、記者が多く居る場所・その近辺でなければならない。そうしないと、既存メディアの記者が物理的に参加しにくい。本来は、そこまで既存メディア側にいわば「便宜」を図る必要はないのだが、既存メディアの報道姿勢・報道内容・記者の日常行動のパターンを変えることも大きな目的であるから、現状では「場所」は大きな要素だ。中央省庁の発表を聞いたあと、その足でそれに反対する団体等の会見を聞きに「自由記者クラブ」に足を運ぶ、というパターンができれば、それは理想形の一つかもしれない。


(3)自由記者クラブにおける記者会見、簡単な事情説明(レクチャー=業界用語で「レク」)、資料配布等は、原則、だれでもできる。自然保護・環境問題、人権問題をはじめ、憲法改正問題、労働、教育、医療、福祉、国際関係、メディア問題等々で活動するNGO、NPO、市民団体、労働団体、オンブズマン組織等々のほか、訴訟の原告・被告などの会見もできる。既存記者クラブにおいてレクを受け付けてもらえなかった場合も自由記者クラブは歓迎する。発表者の思想信条は問わない。

 →→政府や政治家・当局等々に言いたいことはたくさんある、でもそれを広く伝える方法がなかなか持てない。そんな団体・個人等こそ、この自由記者クラブで意見表明してもらいたい人々である。そうした団体等は世の中に数え切れないほどあるのだが、実は、メディアに向かってきちんとそれを言える場所は、ほとんどない。市民側に統一された発表の場が無い。それをきちんと確保することは、「脱・当局依存ジャーナリズム」への第一歩になりうる。
 →→例えば、大きな訴訟等では現在、霞ヶ関の司法記者クラブで原告・被告らの会見が行われている。司法記者クラブは他のクラブよりは自由度が高く、フリー記者や雑誌記者の方々が参加しているが、それでも種々の制約は多い。一方では、この司法記者クラブ発の訴訟関連ニュースは、しばしば全国ニュースになる。だったら、原告・被告らの会見は、司法記者クラブではなく、すぐ近くの自由記者クラブでやればよい。「オブザーバー参加の方は質問をご遠慮ください」みたいな話もない。それに、全国ニュースで「原告たちは判決後、東京の自由記者クラブで会見し・・・」などと流れたら、宣伝効果は抜群かも。


(4)自由記者クラブでの発表は全国から受け付ける。配布したい資料がある場合は、自由記者クラブ内に掲示するほか、専用棚に一定期間整理して保存し、会員が自由に持っていくことができるようにする。

 →→日本の各種報道は、なんだかんだと言っても、「東京一極集中型発信」である。各地域で実際に何が起こっているか、東京に居ると、なかなか見えない。それを防ぐためには本来、東京の記者が地方の現場へ足を運ぶべきだが、その一助として、地方の情報を東京に集めることも欠かせないと考える。当面は、単に「集める」「情報を寄せてもらう」だけの作業かもしれないが、永田町・霞ヶ関・大手町・茅場町等の界隈にしか目が向いていない「視野狭窄」を脱する手がかりにはなるのではないか。


(5)自由記者クラブは、記者発表の予定やその場で配布された資料、配布のみされた資料等々をインターネット上で広く公表する。自由記者クラブにおける実際の記者発表・会見の様子も、一部あるいは要約が、インターネット上で公開される。

 →→後段の「実際の記者発表・会見の様子も、一部あるいは要約が、インターネット上で公開される」は、それに時間を費やすことが可能な事務局的機能があれば、の話。重要なのは、実際に自由記者クラブ内で配布された資料等が、ネット上でも公表されている、ということ。これによって、物理的に東京の自由記者クラブに足を運べない地方の記者も、ある程度の参加が可能になる。


(6)自由記者クラブの発表・会見等を希望する際は、事前に事務局に届け出る。事務局は、時間・部屋の都合等を勘案し、調整する。それらの日程は速やかにネット上で公開されるほか、会員には電子メール等によって通知される。

 →→自由記者クラブの物理的なスペースにもよるが、時間調整等は絶対に必要になる。これは当たり前。


(7)自由記者クラブは、月に2回程度ゲストを招き、記者会見を兼ねた講演を行う。

 →→例えば、任意団体の「アジア記者クラブ」は毎月1回、その時々の話題の人を招いた例会(講演会)を東京で開催している。9月は沖縄返還秘密協定に関する「西山事件」の西山太吉氏だったし、10月は外務省元主任分析官で「国家の罠」の著者でもある佐藤優氏だ。アジア記者クラブに限らず、この種の興味深い講演会は、各地で頻繁に行われている。それらは通常、公民館みたいな場所で開かれることが多いが、この自由記者クラブが機能すれば、同記者クラブはそれら講演の「場所貸し」みたいな存在になるかもしれない。なお、内幸町の日本プレスセンターでもこの種の講演会・昼食会が定期的に行われているが(主催は「日本記者クラブ」)、事実上、広く開かれた行事にはなっていない。

(8)自由記者クラブは、会員同士および発表者である市民が、それぞれの所属会社等の枠を超えて、意見交換し、自由に交流する場を目指す。

(9)自由記者クラブ会員は、同クラブ内での取材については自由に各種媒体に公表できる。ただし、その報道内容に関する責任は、会員個人が負う。

(10)自由記者クラブの会員は、会費を支払う。

 →→本当はこの自由記者クラブ内に各種資料、各新聞の縮刷版、基本的な参考文献もそろえることができたらいい。自由に記者が集まり、市民たちが自由に発信し、それを自由に取材し、報道していく。その場所を確保し、既存メディアも無視できない存在になっていく。
 →→「会費」についていえば、既存記者クラブの場合、どこも1人月500円程度だと思う。年換算で6000円だ。

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長々と書いてしまったが、ぼんやりしたイメージは理解いただけるのではないかと思う。私は最近、ネットメディアの新しい形について考えを巡らせることがあるが、媒体の形はどうであれ、大事なのは「何をどう報じるか」である。だったら、官依存・発表依存に陥っているメディア側の思考様式・行動様式をどう変えるか、しかも具体的に何を契機に変えるか、という視点・具体論が欠かせない。現状では愚にもつかない話だが、その一つが、この「自由記者クラブ」だ。

もちろん、最大のネックは「資金」である。ふだん、霞ヶ関・永田町・虎ノ門あたりをぶらぶら歩いている感じでは、場所自体はある。空き室のあるビルも多い。ただし、あのあたりのビルは任意団体や個人には貸してくれないだろうから、やはり、篤志家が必要かもしれない(笑)。

それはそれとして、こういう、「真の意味での記者クラブ」ができたら、なかなか面白いだろうと思うのだが。よろしかった是非、ご意見を聞かせてください。メールでのご意見も歓迎です。

メールアドレスは masayuki_100★hotmail.com  ← 実際は★を@に変えてください。
Commented by jolly at 2005-10-08 17:25 x
はじめまして。
自由記者クラブ、いいですね。

今まで発表の場を持たなかった、いわゆる『弱い』立場の方々が、こういった形でメディアへの発表の機会を得られるというのは、とても画期的なことですね。

一市民としても、この会見絡みの記事やTV放映を見てみたい気が致します。

新しい風は、新しい時代をもたらします。
動いてください。楽しみにしています。
Commented by masayuki_100 at 2005-10-08 19:24
jollyさま、こんにちは。

新しいメディアをつくる動きはあちこちにありますし、ネット専業メディアとしては、実際にJANJAN等も活動を始めています。しかし、新メディアをつくるにしても、既存メディアが変わるにしても、問題は「目線」だと思います。「何をどう報じるか」という視点を熟成させることなしに、「新メディア」を立ち上げてみても、なかなか上手く運ばないのではないかと。それに、新であれ旧であれ、メディア側だけでジタバタしても、そうそう物事は動かないようにも感じます。ですから、日本にあふれるほど存在するNPOやNGO等々の意見表明・種々の発表の場を整えることで、役所等々の「当局」以外にもきちんと「目線」が向くようになるのではないか、と。

まだ自分でも整理できていませんが、そんなことをぼんやり考えています。方向は間違っていないように思うのですが(^^;

>新しい風は、新しい時代をもたらします。動いてください。楽しみにしています。

できる範囲のことは、やってみようと考えています。コメント、ありがとうございました。
Commented by 質問ですが・・・ at 2005-10-08 19:33 x
素人にはわかりにくいのですが、記者クラブを作る=今まで世に出なかった真実が報道される ということなのですか。

情報にアクセスしやすくなっても、選挙のときの大本営発表のような小泉賞賛態勢の各社が、それを紙面に反映させてくれるのですか。

やる気があったら、ネットでいくらでも情報は転がっているし、実名を出しているサイトもあるから、いくらでも取材は可能でしょう。やる気しだいで。実際の場があるかどうかという問題なのか?と。そもそもなぜ群れなければならないのか、理解ができないのですが。
Commented by エスペラ at 2005-10-08 19:57 x
TBありがとうございました。
自由記者クラブの発想は面白そうですね。ただ、このことを理解してもらうためには、現存の記者クラブの細かな制度(例えば家賃は誰が払っているかとか、幹事社制度とか)や、そもそも記者会見とは誰が主催で何のためにやっているのかとか、新聞社における記者の一般的な昇進の仕方などをきっちり説明しないと、なかなか一般の方に理解してもらうのは難しいと思います。
世の中の記者クラブ批判はあえて表面的な批判でガス抜きをし、「当局広報部」の温存を図っているような気さえします。その辺を含めて、また、特集記事など考えてみますので、その際はぜひご協力ください。
もっとも、部数が伸びてないので廃刊の危機が迫っているのですが・・・。
Commented by masayuki_100 at 2005-10-08 20:20
質問ですが・・・さま。こういう試みが仮に実現したとしても、それ自体で「官依存ジャーナリズム」が消えるなどとは思ってもいません。やる気があれば、今すぐにでも種々のことができる、もその通りだと思います。こんなことしなくても、報道にかかわる人々が、きちんと視野を広く持って仕事をしていれば済む話、という指摘も当然です。

ただ、ここでは既存の記者クラブ制度をどう変えるか、という課題の延長で考えています。既存の記者クラブのように記者がそこにほぼ1日中居座っている、という現状とは全く違うイメージを抱いています。(1)(2)で書いたように、「群れる」感じからも随分と距離があると考えています。

>ネットでいくらでも情報は転がっているし、

この↑の部分は少し違うのではないかと思います。ネットには例えば、当局に都合の悪い「情報」はほとんどありません。都合の悪い意見や論評はあるかもしれませんが、例えば、当局の奥深くで何が行われているかといった「事実に即した情報」は、とんど無いと思います。あったとしても、大半は何かの引用か孫引きではないでしょうか(この点は別の問題ですので、また別の機会に)。
Commented by 北澤 at 2005-10-08 20:26 x
エスペラさんのご指摘の通りですね。記者クラブの歴史的な沿革と現状などを一回説明して欲しいです。でないと、ネットで全ての情報が拾えるという誤解が解消できないかも知れない。ブログ万能主義とかね。
「表面的な批判でガス抜きをし」というご指摘は言いえて妙。
Commented by masayuki_100 at 2005-10-08 20:31
エスペラさま。

>このことを理解してもらうためには、現存の記者クラブの細かな制度(例えば家賃は誰が払っているかとか、幹事社制度とか)や、そもそも記者会見とは誰が主催で何のためにやっているのかとか、新聞社における記者の一般的な昇進の仕方などをきっちり説明しないと、なかなか一般の方に理解してもらうのは難しいと思います。

おっしゃる通りだと思います。そして、そうした現状と課題、どう変えるかという話を具体的提案も交えて組み立てていくのは、結構、ホネの折れますし、私の手には余る仕事です。そのことも改めて実感しています。

いずれにしても「論は論」、実現しない限り「構想は構想」に過ぎません。現実には、例えば寺澤有さんたちがやっている訴訟や仮処分といった動き等々が絡み合いながら、物事は進んでいくのでしょう。

Commented by masayuki_100 at 2005-10-08 20:34
北澤さま。コメントありがとうございます。

>記者クラブの歴史的な沿革と現状などを一回説明して欲しいです。でないと、ネットで全ての情報が拾えるという誤解が解消できないかも知れない。

記者クラブの歴史・沿革・現状みたいな話は、今度、暇をみつけて、私なりの解釈でアップしてみたいと思います。
Commented by 小松玲子 at 2005-10-08 20:57 x
こういうの、待ってました。上記のような形式で結構かとは思うのですが、わたしとしては、
(1)自由記者クラブには、……記者専業でなくても、自分が記者であると考える人は、原則、だれでも参加できる。
という部分ですが、「すべてのひとに開かれている」必要はないと感じます。聴いた話では、オランダやフランスなどでは、こうした記者クラブの所属資格に対し、組織に所属しているしていないの有無はともかく、「所得の半分がジャーナリストの仕事で得ている人」という基準を設けているそうです。(副業であったり、それで生計をたてているかとはどうでもいい)
ちなみにフランスなどでは、こうした記者クラブ所属の記者章を持つジャーナリストには、取材時の交通費が半額免除になるそうです。
こういう方向になってくれたらいいですな。
フリーランスの職業的地位をきちんと認めさせ(ジャーナリストという仕事は、ときに組織に所属していない方がよい場合もあるのだから)、仕事がしやすくなり、職業を守ってくれるような形のものを望みます。

Commented by azarashi_salad at 2005-10-08 22:21
高田さん、こんばんは。
ネットには「当局に都合の悪い情報はほとんどない」とは言い得て妙ですね。
では、こうした情報はどこにあるかというと、全て「現場」にあるのだと思います。
踊る大捜査線ではありませんが、まさに事件は現場で起きているのですから、笑。
そこで、どうやって現場の情報をオープンにするかが必須課題となるのですが、現場にいる人達は立場が弱い者が圧倒的に多いので、どうやって情報提供者の身分と立場を守るか。
勝ち組、負け組の二極化により、立場の弱い者はますます弱くなる今の社会では、非常に難しい問題ですね。
Commented by azarashi_salad at 2005-10-08 22:44
と思いきや、こんなところに当局に都合の悪い情報がありました。
http://www.asyura2.com/0505/senkyo12/msg/528.html
うーん、ネットは奥が深い。
Commented by ダウナー at 2005-10-08 23:01 x
世界でただひとつ日本にのみ残る記者クラブ制度は、当局側に何か問題があった場合、クラブ所属のメディアが束になって突くことができますが、実はそんなことはほとんど無きに等しいのが現状ですね。紙面を見ればわかります。特に地方欄。新聞各社を見比べると、日にちを1日くらいずつずらして、全く同じ内容の記事が載る。文章は当然違いますが、ネタ元は全く同じ。これこそ、当局が記者クラブ加盟社向けにファクス等を使って情報を一括配信してるからなんですよね。んー、面白く無い。
自由記者クラブ、面白い。個人で属すことができるということが魅力。自由に、そして会社組織とは離れた場所での活動こそ尊重されるべきものと思います。私もそんな組織があったら入りたいです。
Commented by 村田 at 2005-10-08 23:54 x
記者クラブ依存は、楽ですよね。
○時報道解禁として、結構、的確なサマリーになった発表文が配られるので、後は、少しの追加事項を加えると、1本の記事が出来上がってしまう。もう、記事の主導権は、プレスリリースを書いた広報マンにとられている。
そのぬるま湯が我慢ならないジャーナリストが、結集する「クラブ」はあってもいいのではないかと思います。裾野は、素人ブロガーが形成するのでいいと思いますが。
後、是非、欲しいのが、1次資料の蓄積場所。新聞社のネット上の昔の特集記事(かなり1次資料が含まれる)が、何時までも、検索で追跡できるとは限らないので。
是非、構想を進めてください。
Commented by news-worker at 2005-10-08 23:59
高田さま
 TBありがとうございました。最近、思うのですが、既存の記者クラブももともとは個人加盟のはずだったのですね。それが形骸化していて、運用の実態としては、新聞「社」、放送「局」、通信「社」が加盟の主体となっています。これはメディア界の労働組合が企業単位に構成されていることと符合します。海外では労働組合も個人加盟の職能別がスタンダードです。韓国でも東亜、朝鮮、中央の3大紙をのぞくメディアの各労組は2000年に単一組織の全国言論労組に移行しました。「組織の呪縛から解放された個人」が存在しうるかどうかが、カギではないかという気がしてなりません。
Commented at 2005-10-09 00:43
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by ガ島通信 at 2005-10-09 01:18 x
一番のキモは、高田さんがよくおっしゃっている「隠している情報をいかにとるか」そして、「そのために記者、ジャーナリストが結束できるか」、その「場」=物理的場所ではなく、としての、記者クラブと言うことになるのでしょうね。

その際に、やはり記者クラブという名前はどうなのでしょう?どうも、クラブと言うとハコをイメージしてしまいがちです。
それに、物理的な場所は、事務所的な意味合いであってもよいかもしれませんが、それもそのうち形骸化して「ネタ待ち」の場所になるかもしれません。

個人的には、記者集団のような組織があってもいいとは思います。
それも、いろいろな形があっていいのではないでしょうか。
例えば労組も個人加盟できるなら、フリーの方でも「組織」できますしね・・・ 記者によるNGOとかもあってよいのでは?
Commented by えい! at 2005-10-09 04:48 x
はじめまして。いつも興味深く読ませていただいてます。
 自由記者クラブの発想。大変面白いです。市民からすれば何か行動を起こしても、取材されるのを待つか、各新聞社に売り込むかしか無かったものが、一箇所に集められるということですね。現在のNPOセンターがもっと集約的になり、情報を提供する場所となったと思ってもいいでしょうか。ともすれば情報交換の場として市民活動の活性化にもつながるかもしれません。
 ですが市民であれば小規模なものが多いでしょうから、各県に一つぐらいは必要でしょう。また、東京に情報を集めるのであれば、その取捨選択も必要になってくるのではないでしょうか。

 最も気になるのは果たしてこれによってマスコミが市民の方を向くかどうかでしょうね。一般人(市民)が記者会見を開くのは、拉致事件に関するものしか見たことが無いです。行政と企業と市民が同じ立場になればいいですね。
 ただどうやって実現するかというにとても難しい感があります。
Commented by 質問ですが・・・ at 2005-10-09 13:05 x
お返事ありがとうございます。

やっぱり、現在のジャーナリズムは記者クラブのような箱がないとだめなんですか。一人で自由にどこにでも取材に行くというジャーナリズムはだめなんですか。やっぱり「群れて同じ情報源から記事書いて横並びの記事なのかな」と思ってしまうのですが。

>ネットには例えば、当局に都合の悪い「情報」はほとんどありません。

この間の靖国冤罪事件はどうでした?
マスメディアはほとんど報道されていなかった。でもネットでは写真まで出て詳細な記事が。
あるいは、労組の記事。実際の現場を映していますよ。
NPOの記事も。強制送還のクルド人の記事はどうでした?
どれも「現場」です。ネットの問題は、「責任」がない、ということであって、実際の情報がないということではない。プロには、その裏をとる作業をしてほしい。

個人的にはネット万能論ではありませんが、それ以外にも講演やデモ、いろいろソースはあるでしょう。そこに行って、聞いてくればいいでしょう。写真をとりに行けばいいでしょう。何で箱の中にいなければならないのかが素人にはわからないし、不信感がある、ということなんです。
Commented by masayuki_100 at 2005-10-09 13:25
質問ですが・・・さま。再度のコメントをありがとうございます。

おっしゃる通り、「群れる」必要は全くありません。基本は「個人」ですから。ただし、組織が巨大化した既存メディア等は、そうした個人の善意・資質みたいなものに賭けるだけでは、もうどうしようもないところまで、来てしまっていると感じています。ですから、既存メディアも含め、その取材の立ち位置をどう変えるかを考えていくと、「自由記者クラブ」みたいな発想も一つかなと。もっとも、それだけですべてが変わるなどとは思ってもいません。

ネット上の「情報」に関する議論は、私と質問ですが・・・さんとでは、見ている場所・ポイントが全く違っていますので、前のコメントでも書いたように。別の機会に改めてエントリを立てるつもりでいます。
Commented by fratdrive at 2005-10-09 13:50 x
自由記者クラブ、原則賛成です。また、ガ島通信さんのおっしゃるように、記者NPOがあると良いですね。ステップとしては、記者NPOを発足させ、まずはネット上で認知度を高めるところから始めると良いかもしれません。
フリーランスの立場上、私は記者クラブには否定的ですが、それなりの意義も感じます。ネット上にありがちの「無責任な消費者」としての情報発信とは一線を画した、「責任ある発信」が、記者クラブによって確保されていると思いますし。
これまでの社会は企業と行政を中心に回ってきたので、情報ソースは企業と行政にほぼ限られましたし、そこに記者クラブを置く意味は大きかったはずです。一方、今後は、企業と行政に加え、市民という第3の勢力が台頭してくるでしょうから、自由記者クラブが市民直結の記者クラブとして機能し、匿名性を確保したまま問題告発等の情報発信をしたい多くの市民に代わって責任ある発信をしていければ、社会的な意義も大きいのではないでしょうか。
Commented by masayuki_100 at 2005-10-10 12:10
みなさん、コメントをたくさん、ありがとうございます。この「自由記者クラブ」構想(名前はあんまり良くないですね)については、大きな方向は外していないように自分では感じています。もちろん、もう少し熟成させる必要あり、です。またぜひ、種々の意見を聞かせてください。
Commented at 2005-10-11 09:42 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by 匿名元記者 at 2005-10-11 15:12 x
さすがによく分かってらっしゃる。現在ジャーナリズムが抱えている最大の問題はクラブ問題などではないと思います。

「クラブがあるから、記者が怠慢になって役所の発表を垂れ流すんだ」という批判をよく耳にしますが、それしか出来ない・やってない記者はあっという間に抜かれまくって飛ばされるのが現実です。大方の記者は発表を「出席原稿」として出しつつ、スクープを狙って走り回っている訳で・・・。(続)
Commented by 匿名元記者 at 2005-10-11 15:13 x
問題は、記事の軽重の業界標準が時代に合わなくなっていることです。典型的なのがサツ回り。逮捕前打ち原稿をいかに打つかの競争になっちゃっているのが現状ですが、正直、私はそれがホトホト嫌になって記者を辞めました。”夜討ち朝駆け”リーク取りは確かに、比較的確実性の高い取材手法です。しかし、それに終始していては、記者は刑事の御用聞きになってしまいます。挙句の果てに、捜査幹部の思惑から発した意図的なリークの片棒を担がされるはめに陥る。冗談じゃないですよ。(続)
Commented by 匿名元記者 at 2005-10-11 15:13 x
結局、効率が悪かろうが、コツコツ現場を回って調査取材をしていくしかないと思うんですよね。スクープの出稿本数は恐らく数分の1に激減するでしょう。半年走り回って1本も書けず仕舞いっていうのが調査報道ですから。それを許容し、そこに重きを置くような価値基準の転換こそが、日本のジャーナリズムに今一番求められていることだと思います。まあ、サツ回りに終始してきた偉い人にはそこが分からんのですが・・・。(了)
Commented by happy! at 2005-10-12 01:25 x
誰でも自由に参加できる記者クラブの理念は素晴らしいけど、そうすると過激派や民族派や詐欺師が「ジャーナリスト」を名乗って大量に加盟し、自由記者クラブ所属です」と名乗って信用を誇示しつつ、思想運動や詐欺行為を繰り返すかも知れない。また、イラクで拘束された○○君や○○さんみたいな○産党系市民団体のプロ市民もいっぱい集まってくることでしょう。まずは加盟者の信用性や公共性を確認・担保した方がいいのでは?

ところでガ島通信さん、あなたは自身のブログで高田さんの構想をほぼ全面的に否定し、「どうも『マスコミの中の人』の発想から抜け切れていない」などと酷評しながら、高田さんのブログでは理解者のような口ぶりでコメントしている。その二枚舌ぶりには呆れました。おまけに自分のブログはコメントを受け付けないし…。まるで高田さんのブログを売名行為に利用しているようにも見えます。善処願います。
Commented by hakohugu at 2005-10-12 01:47 x
TBありがとうございました。私なりに、少し考えて、TBさせていただきました。誤解している部分もあるかもしれませんが…。
今ある記者クラブを廃止して新しい概念のクラブを作るのではなく、自由記者クラブを作ることで、いままでの役所広報的なクラブを無意味化するというご意見ですよね?
Commented by masayuki_100 at 2005-10-12 02:41
匿名元記者さま。はじめまして。

>現在ジャーナリズムが抱えている最大の問題はクラブ問題などではないと思います。
>価値基準の転換こそが、日本のジャーナリズムに今一番求められていることだと思います。

私も全く、その通りだと感じています。このような仕組みが仮に立ち上がったとして、それだけでどうなるものではないでしょうが、組織内で身動きが取れなくないっている記者が、なんとなくであっても、目線を変える契機くらいにはなるかもしれない、と思うのです。ぼんやりと、ですが。
Commented by masayuki_100 at 2005-10-12 02:56
happy! さま。コメントをありがとうございます。

以前も書きましたが、既存の記者クラブ問題を議論する際、ほとんど焦点が当たっていないのが「セキュリティ」の問題です。政府要人等のVIPに対しては、やはり厳重な警護が必要なわけで、そのVIPの傍らで取材する以上、記者の身元は一定程度、当局が掌握するのは止む得ないと私は感じています。既存記者クラブに対しては、私は原則加盟を自由化し、門戸を大解放すべきだと思っていますが、最後に残る問題は、このセキュリティの部分だと思っています。

happy!さんが指摘されている「過激派や民族派や詐欺師が・・・詐欺行為を繰り返すかも知れない」の部分も、似たような意味を持っているのかもしれません(もちろん全然別個の話ですが)。最後には、そこのところをクリアにしないと前に進まない。何らかの形で登録制にするとしたら、何が基準になるのか等々、それこそ収拾がつかないかもしれません。外国の記者組織(日本の記者クラブとは全く違う)の事例を勉強するなどして、どういう方法が一番良いのか、頭の中で整理しなければならないな、と思っています。
Commented by masayuki_100 at 2005-10-12 02:59
hakohuguさま。一方的に当方からトラックバックを送り、無理にエントリを立てさせたみたいで申し訳ありませんでした。そのエントリでは、私の言いたかったことを、私より遥かに的確に書いてもらったような気がします。いただいたコメントの「いままでの役所広報的なクラブを無意味化する」も、おおむね、その通りです。

Commented by fratdrive at 2005-10-12 11:42 x
TBありがとうございます。
happy! さんご指摘の「エセ・ジャーナリスト」にも関連するかもしれませんが、発信者責任ということをこのところずっと考えています。
その記事を発信することで生じるさまざまな影響について、少なくとも自覚を持たないと、ただの口うるさい消費者集団になってしまいます。
何らかのチェック機能は必要かと。デスクなりにチェック機能を集約させる従来型もあるでしょうし、コミュニティがチェック機能を持つというやり方もあるでしょう。
*チェック機能をオープンソース化することも一瞬考えましたが、それじゃチェックになってませんね。
Commented by ととと(*^.^*) at 2005-10-15 14:01 x
お久しぶりです.
私も,happy!さんのコメントに書いてあることを,少し心配していました.
実際に情報を出す側としては(広報担当者です.覚えていらっしゃったらすみません),どのようなメディアがその情報を受け取るのかが気にかかります.中には,噂話のような内容を断定的に記事にしたり,こちらに確認しないまま誤った数字を出してしまったりする報道機関もあります.また,その紙面に載ること自体,ちょっと遠慮したいような新聞もあるので,もし実際にそのようなクラブができても,高田さんの書かれている最後の問題がクリアされないと,リリースはしないでしょうね.

それとは違う話ですが,記者の方々の経費削減って進んでいるような気がするんですけど・・・.ニュースは現場で起きているんだけど,その現場になかなか行けない.出張旅費が出にくい社もあるようです.経費に見合ったニュースが期待できない場合でも,行かなきゃわからないことや次のニュースにつながる何かを持って帰れることもあると思うのですが.
そのため,クラブでニュースを待ってしまう記者さんも多くなるのかな?
Commented by masayuki_100 at 2005-10-17 12:20
ととと(*^.^*) さま ご無沙汰しております。

おっしゃることは良く分かります。ただ、既に経済記者クラブ等で記者発表を行っている企業等は、当然それを続けるでしょうし、私の想定でも「自由記者クラブ」で企業等が発表する姿は想定していません。ここでは、「なかなかメディアにアクセスできない側」が、どうやったらアクセスしやすくなるか、を考えています。「自由記者クラブ」のようなものができたとしても、従前から書いている通り、既存記者クラブに原則公開を求める作業は必要だと思います。

「現場」は地理的に遠い場合ばかりではなく、足元にも存在するケースが相当にあると思うのです。それは「タテ方向」に遠いのかもしれませんが。
Commented by 匿名元記者 at 2005-10-17 14:59 x
>クラブでニュースを待ってしまう記者さんも多くなるのかな?

私の狭い見聞の範囲ですが、これは記者一人当たりの担当範囲が広くなりすぎてカバーし切れないからだと思います。海のものとも山のものとも分からないネタを仕込んでいる暇が無くなっているんですね。だから余計、刑事や役人への夜討ち朝駆けリーク取りに流れる、と。ネタを引けば裏取りなしで一発で書けますから。
Commented by ととと(*^.^*) at 2005-10-17 20:00 x
「なかなかメディアにアクセスできない側」だからこそ,初めに接する報道機関に対しては,慎重になるのではないかという気もするんですが・・・.
(・-・)・・・ん?
ということは,今の記者クラブって,リリースを行う側にも制限があるのでしたっけ?すみません,勉強不足で・・・.
Commented by masayuki_100 at 2005-10-18 01:26
ととと(*^.^*) さま。

>今の記者クラブって,リリースを行う側にも制限があるのでしたっけ?

それぞれの記者クラブによって事情が違うでしょうし、同じクラブであっても「幹事社」の考え方、多忙な時期か否か等によっても対応は異なると思います。が、おおむね、ニュースリリースや会見の申し込みを受けるかどうかは、クラブ側の「自主判断」ということになっています。その中で、(本音は別にして)お断りしている事例も結構あるのではないかと思います。きちんと調べた訳ではないので、数値等は示せませんが。経済取材に関わっていたころ(随分昔です)は、「そんな会社聞いたことないな」とか思って、幹事社業務を担当していた私は何件か会見(新製品の発表か何かだったような・・・)をお断りした記憶もあります。
Commented at 2005-10-22 09:06 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by 小林恭子 at 2005-10-28 17:39 x
突然お邪魔します・・・。

途中の他の方のコメントを全部読んだわけではないのですが(傲慢不遜ですみません・・・)、自由記者クラブの意味、意義、とてもよくわかるような気がしました。これはすごいし、本当にこうなると、いいな・・と思います。実現可能でもあるように見えます。

今日本の外に住んでいますが、実際に、自由記者クラブとまではいかなくても、「ジャーナリスト」であれば、ほとんどのところにいくことができます。ある意味、非常に風通しがいいいというか、自由です。もちろん、「会見」では全部はでませんから、個別取材もやっている、という状態です。

このアイデア、かなりリアルだなと思いました。本当に実現できそう・・・。
Commented by masayuki_100 at 2005-10-29 02:43
小林恭子さま。コメント、ありがとうございます。

本当に実現できるかどうかとなると、種々のパワーが必要であり、頭の中で思い描くだけの世界から飛び出させる必要があります。。。結局、そこなんですよね。当たり前の話ですが。まあ、もう少し、もごもごとやっていますので、知恵&ちからを貸して下さい、とお願いすることがあるかもしれません。そのときは、どうぞよろしくお願いします。
Commented by as3450 at 2005-10-31 09:21 x
>個人として強い存在になっておかないと、ダメだろう

分かっていますよ(少なくとも分かっているつもりです)。だからこそ、それは「当たり前」のことだとして、先のコメントを書いたのです。「来た球をガッ!と打つんだ」というのは、まったくそのとおりだし、長島さんが言うと不思議に説得力もあるんだけれど、やはり「それで打てない人が打てるようになるのかな?」と考えると、そういうわけにもいかないだろうと。だからと言って、長島さんが間違っているというわけではないです。要は視点の違いなのですね。

フリージャーナリストの訴訟に証言者として立つ高田さんの行動は立派だし、個人としての強さにも敬服しています。ただ、本当にメディアを「変革」していくためには、高田さんのように「ガッ!と打てない人」を「コツンとでもいいから打てる人」に変えていくことも重要だと思うのですよ。
Commented by as3450 at 2005-10-31 09:22 x
以前、高田さんもおっしゃられていたように、韓国のオーマイニュースのようなメディアの形には、私も限界があると思います。調査報道のようなものをすすめていくためには、やはりプロのジャーナリストの存在が必要不可欠だからです。しかるに、プロがなぜ動けないことがあるかというと、それがまさにプロ(それで生計を立てているという最低限の意味において)だからなのですね。
Commented by as3450 at 2005-10-31 09:22 x
私は自分自身が大手企業を退職、起業したという経歴もあって、いわゆる「サラリーマン・プロ」の気持ちもよく分かるのです。今でこそ、ある程度の覚悟というか、心の備えもできてきましたが、30半ばで独立した時は、正直言って、大変不安でした。家を建てたわけでもないのに数千万円の借金を抱え、収入はゼロ(正確には源泉徴収後の給料をそのまま会社貸し)。堀江氏のように徒手空拳から始めた人、あるいは20代ならいざ知らず、それまで、それなりの収入も得ていただけに、なおさらそれが骨身にしみました。だからサラリーマン・プロの人が、「サラリーマンを外した」プロになることの困難さもよく分かるし、それを勧める気など毛頭ありません。脱サラする人は勧められなくてもするし、たとえ止めてもするだけなのです。
Commented by as3450 at 2005-10-31 09:22 x
しかるに、それではいつまでたっても、「サラリーマンを外した」プロが集まらないので、新しいあり方のメディアができそうにもない。素人ないしはそれに準ずる人(メディア業界にいても20代で辞めてしまったような人)をいくら集めても、既存のメディアを凌駕するようなメディアはできっこありません。フリーの人を中心に、個人レベルでは色んな発言をする人もでてきているようだけれど、今のままではもう一つだな…。そう考えているところに出てきたのが、何やら極端な考え方を持っているけれど、既存のメディアに不満を抱いている点では共通し、できればその取り込みを計りたいと考えている殿様たちだったわけです。
Commented by as3450 at 2005-10-31 09:23 x
個人と組織の関係というのは、個人あっての組織だとか、あるいはその逆に、組織のための個人という「理念的」な捉え方もあるでしょうが、一方で、お互いがそれぞれを利用しあっているという「実利的」な捉え方もあるはずです。だからそういう見方に立てば、それぞれを対立的、もしくはどちらかを優先的に見なくても、双方にとってうまくことが運べばいい。私などはけしからんことに、すぐそう考えてしまうのです。殿様は既存メディアを買収するよりもはるかに安いコストでそれに比肩、もしくは凌駕するメディアを持てるようになる可能性があるし、「サラリーマン・プロ」も「サラリーマン・プロ」のまま世の中を変革するドライビング・フォースになれる可能性がある。そしてそのことによって、第三者的に今より少しでも良いメディアができるのなら、それはそれでいいじゃないかと…。

Commented by as3450 at 2005-10-31 09:23 x
まぁ、世の中には実利よりも理念を優先する人たち(多分そういったメンタリティの人たちが間違ってしまうと、爆弾抱えて死ぬしかなくなってしまうのだろうけど)が一定いるのは事実なので、そう簡単にはいかないこともあるだろうけれど、多くの人たちはそこに道を作ってあげれば、そんなに強くなくても、意外と戦力になってくるんじゃないか? そう思えるのです。

ついでながら、NPOというのはそれに関連した理由から反対なのです。誤解を恐れず一言で言えば、「NPOというものは楽しみでやるもの」です。それが世間のためになるとか、社会のためになるという動機で始めると、将来必ず泣き(自分たちはこんなにいいことをしてあげているのに、というある種の押し付けがましさ)がはいってきます。組織で物事をすすめていくには、どうしても「つまらないこと」、「意義を感じられないこと」、「空しいこと」が避けられません。家族的に少人数でやっているうちはいいのですが、組織が大きくなってくるにしたがって、外だけではなく、内にも、そういった泣きがはいってきかねないからです。
Commented by as3450 at 2005-10-31 09:24 x
そんな時に人の行動をつなぎとめられるのは、悲しいけれどもやはり「お金」という対価しかないのではないでしょうか? 多くの人の良心というものは、大事をなすほど強くはなれない。だからこそ、一部の強い良心を持っている人たちには、それほど強くない人でもついてこられる「しかけ」を作っていってもらいたいと考えるのです。

自分のことを棚にあげ(実は私の得意技ですが)、何やらえらそうなことを書いてしまいましたが、私は決して高田さんに現職を捨て、新メディアを立ち上げることを期待しているわけではありませんので、そこのところだけは誤解しないでください。既存のメディアの中にいて、奇特な発言を公にしている高田さんだからこそ、その立場を生かしてできることがあると思います。先のコメントも、今度のフォローも、高田さんというよりは、実は、高田さんのもとに集ってきつつある、どちらかというとフリーの立場の人に向けての発言だと考えていただければ幸いです。
Commented by as3450 at 2005-10-31 09:24 x
最後にお詫びを二点。前のコメントで「シーラカンス的発想」とか「脳みそが化石化し始めている人たち」との表現を用いたのは不適当でした。それぞれ「いわゆる紙の新聞屋さんとしての発想」、「メディアのあり方を問われても、現状維持の必要性以上を実感できない人たち」と訂正させてください。できるだけ過激な表現は慎むよう気をつけているつもりですが、読み直しが不十分でした。不快感を感じられた方がいたら、心からお詫び申し上げます。申し訳ありませんでした。
Commented by 犬笠銀次郎 at 2005-11-19 13:46 x
高橋さん、こんにちは。犬笠銀次郎と申します。

記者クラブの閉鎖性や行政との癒着に関しては、自分のサイトを含め、随所で何回にもわたって批判してきましたが、未だに直る気配がありません。

各行政機関が長野県のようにやってくれればいいのにと思う一方で、国民自身もこの問題に気づき、声を上げるべきだし、大手メディアもこの問題に向き合うべきでしょう。

そもそも wikipedia にあるように、記者クラブなんて民主主義の国には無いんです。そんなものがなぜ我が国にあるんでしょう。

朝生なんかでも田原総一朗が「朝生にタブーは無い!」とかほざいてますが、記者クラブ問題は、私の記憶の限り一度も議論されてません。

以上より、「言論の自由」「知る権利」を騙って、行政と癒着したり中小メディアを排除しようとする、談合組織まがいの記者クラブは不必要であり、廃止した方が良い、というのが私の考えですが、いかがでしょう。
Commented by 犬笠銀次郎 at 2005-11-19 13:47 x
↑すみません、間違えました。「高田さん」ですね。
Commented by masayuki_100 at 2005-12-05 02:32
犬笠銀次郎さま。ずいぶんと遅いレス(半月が経過していますね(^^;にて、失礼します。

「今の記者クラブ」の「制度」は廃止した方が良いと、私も思っています。ただ、そう言うと誤解を招きやすいので、私は「現行の記者クラブは原則として誰でも入れるようにすべきだ」と言っています。会社員記者も雑誌記者もフリーランスもブロガー等々も、基本的には全部の記者に対して開放せよ、ということです。

ただし、そうした人々が集まれる「部屋」は、今のように、例えば、大臣室の近くなどにあった方が良いと(光熱費等の負担は当然に記者側が行う)。「記者」と言っても、フリーランスの方々は、役所等から時にひどい仕打ちを受けたりするので、そういう場合は多くの記者が集まって、それに対抗すべきだし、そういう集まり(=権力に対する圧力団体)はあった方が良いと。この問題、語ればキリがありませんが、とにかく、「全面開放せよ」が今の私の意見です。
Commented by 犬笠銀次郎 at 2005-12-06 18:30 x
高田さん、ご返事ありがとうございました。

「記者クラブ」というよりは「プレスルーム」のことですね。外国でやっているという。日本でも鎌倉市や長野県は既に似たようなことをやってますね。

現行の記者クラブ制度は、一極集中の報道を引き起こしやすく、報道内容の多様性を損ねます。そうすると、世間の関心も「ムラ社会」的に一極に集まり、権力者による世論の誘導が容易になります。そうならないためにも、この制度は早いこと変えなくてはなりません。

ただ、私は無力な学生です。いくら声をあげようとも、その伝播性は極めて低い。だから今は、高田さんのような良心的な記者の方が、もっと沢山いてくれることを期待するばかりです。
Commented by 華氏451度 at 2005-12-25 18:07 x
自由記者クラブの構想、非常に興味深く読ませていただきました。私もジャーナリズム界で働いている者です。

以前ある大組織に属しており、現在はフリーランスなのですが、フリーになった途端に「記者クラブ」の壁をまざまざと感じました。同時に、自分達が「守られていたのだ」と実感したことも覚えています。

現行の制度は変えねばならず、ジャーナリストの姿勢も問われねばなりません。マスコミの片隅で棲息する者として、高田さんの構想実現に向けて応援し、ご協力もさせていただきたいと思います。
by masayuki_100 | 2005-10-08 14:50 | ■ネット時代の報道 | Comments(52)