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ニュースの現場で考えること

フリーランス記者にも法廷取材の自由を <2>

法廷取材の件に関して早速何件かコメントをいただきました。ありがとうございました。「このブログについて」で記しましたが、私はブログの仕組み自体まだ十分に理解していない初心者なので、単純に「わー、すごいなあ、ブログは本当に媒体として有望かもしれないなあ」と思いました。

で、「フリーランス記者にも法廷取材に自由を<1>」に対していただいたコメントについてですが。

■Tombowさん■
フリーランスの記者と「自称」記者との区別をどうつけましょうか。件のクラブに自称フリーランスの記者が大量に押し寄せればどうしようもありません。抽選を行いますか?それで抽選から漏れ、且つ傍聴席の抽選もはずれたらどうなりますか?どうやって区別をつけたらよいと思いますか?それとも、記者と自称する人々をすべて受け入れるのが正しいですか?・・・・


事前にクラブ側に名前や連絡先を登録しておいてもらう、その登録に際し、誰でもが常識的に納得できる基準(この言葉はイヤですが)を設けておくことは必要だと思います。基準と言



っても、過去の記事の発表例とか、とりあえず取材を仕事にしている(専業かアルバイト的かは問わず)ことを証明してもらう、という感じでしょうか。既存のクラブに右翼が記者として登録したいと言ったときに思想的に区別するなんて、現実的にできないでしょう。とも書かれていますが、私が考えているのは記者クラブの正式メンバーとしての登録ではないのです。正式登録というなら、幹事業務など裁判所との折衝や各社との事務連絡など山のような雑務を相応に分担してくださいということになります。そうではなくて、何らかの形でたとえば事前に登録しておいてもらうことで、判決要旨を渡すことはできないか、と。そんなことを考えているのです。そのほかのことで(たとえば裁判所側が「記者クラブ員でないので地裁所長の取材は受けない」とかの例)何か問題が生じても、後方支援するようなことができればいいなあ、と。。。こうやって真面目に物事を進めていけば、仮にヘンな方がやってきても、それ多くの真摯なフリーの方が許さないと思うんだけどなあ。。。

また「件のクラブに自称フリーランスの記者が大量に押し寄せればどうしようもありません」と書かれていましたが、確かにそのとおりと思う一方、現場の具体論としては、この種のことを考え始めると前に進みません。ですから、この部分は走りながら考え、問題が生じたらその都度修正していくしかないでしょう。「記者と自称する人々をすべて受け入れるのが正しいですか」についても同様です。まあ、実感としては、札幌でそれをやったとしても、そんなにはフリーの方々など来ないだろうな、という感じはあります。今の日本の情報発信は極度の東京一極集中型ですし、東京から北海道は遠いですし。

それと、あまり知られていないと思いますが、北海道司法記者クラブは現在、記者会見はクラブ員以外の参加も認めており、実際にフリーの方や雑誌の方も参加しています。それによって大きな問題は生じていません。記者クラブは札幌市中央区の合同庁舎1階にあるのですが、何かの会見でざわざわしていると目立つようで、大きな会見のときは普通の市民の方も「お、なんだなんだ」という感じで端っこから覗かれているようです(笑)。そうそう、それから一番の現実的問題はフリーランスの方々との事務的やり取りだと私は思っています。東京とちがって、何せ、常駐する記者の数も少ないし、クラブに訪ねてこられても誰も居ないということもあります。ただ、その点も、十数年前から、庶務的なことをやってもらう方をクラブ各社が金を出し合って雇う形で運営していますから、何とかなるのではとも思います。

この手のことは私の知る限り、日本で実現例がありません(司法関係に限定して、のことです)。で、思うのですが、何かを始めようとするとき、やらない理由を探し始めたらきりがないのではないかと。それよりも、やれる方法、具体論を一生懸命考え、少しでもいいから現実に足を踏み出す、それが大事だと思います。議論そのものが目的ではないわけですから。

■井上さん■
傍聴はともかく、判決要旨ぐらいは即日で裁判所のページにアップロードできないものでしょうか。すでに電子情報になっているはずですので、簡単でしょう。


確かにそうですね。ただ、各裁判所のHPを見ていただければ分かるとおり、ものすごく貧弱で、当面は期待できそうもありません。アップロードについては、新聞社でそれをやったらどうだろうか、と思っています。もちろん注目される裁判についてのみ、ということですが。北海道警裏金事件の際は、実験的に、監査委員の特別監査報告をPDFで生のまま即刻アップしてみました。したがって、記事として新聞に出ていないナマの資料がHPで閲覧できる形になったのです。判決でも、この方法は有効だと思います。
ただ、新聞に載る判決要旨などは一般読者に読みやすいように、言葉を分かりやすく繋いでいる(文言の加筆はなく削除でそれをやっています)のでなんとなく読めますが、あれをナマで読みたいと言う方が一般にはどれくらい居るのかなあ、とは思います。
フリーランス記者にも法廷取材の自由を <2>_c0010784_17453890.gif
by masayuki_100 | 2005-01-10 13:24 | |--自由な裁判取材を