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ニュースの現場で考えること

■札幌から■ 「豆腐屋の四季」 2003年3月14日

9・11直後のニューヨークタイムスの外交コラムをまとめた本をいま読んでいます。その中で、とりわけ印象に残ったのは、「みんな普通の暮らしをしよう」という執拗な呼びかけです。当時はブッシュ大統領も同じ呼びかけをしていましたが、恐らく、大統領の意図したこととは別の意味で、これは非常に大切なことだと最近感じています。

作家・松下竜一に「豆腐屋の四季」という作品があります。

学生運動などで、世間が揺れていた1970年代。東京で繰り返される「闘争」を横目に、豆腐屋の丁稚だった松下は「あんなことを繰り返しても世の中は変わらない。大事なのは今、豆腐を作ることだ」といったことを感じます(私の記憶です。違っていたらごめんなさい)。

日常の積み重ねこそ、社会です。
メディアはこれから次々とイラクの「戦況報道」を続けるでしょう。
それが、「日常」になるのも時間の問題です。

しかし、日本には多くの豆腐屋が今もあります。
それを忘れないでいたいと思っています。
抽象的な表現ですが、今はそう思っています。
by masayuki_100 | 2003-03-14 16:49 | ■本