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「真実 新聞が警察に跪いた日」を柏書房から出版しました。北海道警察の裏金問題をめぐる報道、その顛末を「私」の目線で切り取った1冊。一連の問題の総括です。


by masayuki_100

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「@Fukushima 私たちの望むものは」の前作とも言える「希望」はこちらです。ふつうの人々の声に耳を傾け、聞き取ることの大切さ、すばらしさをお分かりいただけると思います。クリックすると、「まえがき」を読むことが出来ます。

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この先、地域(過疎地)はどうなるのか

もう5年くらい前の話です。

東京である大手シンクタンクの研究員を囲む勉強会があって、私もそれに参加しました。テーマは市町村合併で、その研究員は「日本は早く合併を進めないといけない、国家財政も地方財政も成り立たなくなる」という点を強調していました。理屈の上では、私も「ああなるほどね」と思ったのですが、話が弾んでいくに従って、彼と私とで論争に。

細かなやり取りは忘れましたが、研究員は「北海道みたいな広大な地域では多少生活が不便になるのは仕方ない。街が消えて商店街も消えて、そしたら街に移るしかない。文化が田舎にないのは仕方ない」といった、いかにも経済効率最優先論を展開したわけです。私は地方自治や地方交付税、国から地方への補助金問題について、彼ほど詳しくはありませんでしたから、大した反論もできませんでしたが、田舎を切り捨てる(もちろん財政的に、です)のは仕方ないんだよ、という論調に多いなる違和感を覚えたのも事実です。

先日、法曹関係のシンポジウムにパネリストとして顔を出し、そこでこの議論を思い出しました。法曹3者が中心になって、いま、「日本司法支援センター」づくりが進んでいます。要するに、国民がひとしく司法サービスを受けられるように態勢を整えよう、司法過疎を無くそう、という試みなのですが、それでも、過疎地に対する考えが希薄なように思いました。


例えば、弁護士1人が受け持つ人口は全国平均で約7000人です。これに対し、稚内や留萌といった北海道北部をエリアとする(そのエリアは四国より広い!)旭川弁護士会は、弁護士1人当たり、約25000人です。司法支援センター構想のうち、刑事分野では被疑者段階で国選弁護人をつける予定ですが、いやはや、こんな広いエリアで、いったい、どこまで迅速な弁護が可能になるのでしょう? いまは北海道の郡部でも公設の弁護士事務所づくりが進んでいますが、そういう弁護士が増えれば増えるほど、受理案件も増えています。近くに弁護士がいなかったときは弁護士に相談することもできず、泣き寝入りかウラの世界で紛争を処理していたのか、まあ、そんなところだと思います。ですから、弁護士が駐在するようになったとたん、新たな需要が掘り起こされているのでしょう。

別に司法の世界だけではありません。一昨年から昨年にかけて問題になった「地域医療」もそうです。とにかく、田舎に医師がいない。生死にかかわる問題ですから、田舎の自治体は必死で大学病院を回り、「医者を派遣してください」と頭を下げ、なけなしの予算から巨額の寄付を行い、もうこれ以上は頭の下げようがないよ、というくらい頭を下げてやっと医師を派遣してもらう。で、大学病院はそれをきっかけにして、さらに寄付金や賛助金を要求する、、、そういう構図です。

そういう中で、いま、自治体合併が進んでいます。地方自治のありようを根本から考えて、言うなれば理想を追い求める形で合併が進むなら救いがあるようにも思うのですが、地方交付税交付金や種々の補助金カットを梃子にして、自治体財政を締め上げるような形で、追い立てられるように合併が進む。そこに、言いようの無いものを感じます。

小泉政権の構造改革では、三位一体とか何とかキャッチフレーズが付きましたが、私の理解では、要は90年代に怒涛のように国債を発行して景気対策を実施し、それによって積み上がった長期債務を地方や国民にツケ回ししているだけではないか、という気分になるときがあります。実際、「構造改革」と言ったって、その基本的な考えは小渕政権末期のころに大蔵官僚たちが作成したペーパーが基になっているわけで。国債乱発の自民党がその責任を何ら取らぬまま、今度は地方切捨てに走るのか、、、そんな感じでしょうか。

少し前の話ですが、同じように過疎を抱えて苦しむ岩手県の増田知事は、過疎地には今後、行政サービスを提供をできなくなるので、強制的な移転(転居)も考えているというようなことを発言した記憶があります。どんな美しい言葉で飾っても、いまの自治体合併の大波は、一に財政問題、二に財政問題、そしてたぶん、三も四も五も財政です。

北海道の場合、かつて人口12万人だった夕張市がいま2万人弱、とか、そんな自治体がたくさんあります。炭鉱の街はみんなそんな感じだし、漁業基地だった街もそうです。世の中は常に変わるし、どんな地域だって産業構造の変遷や国家的な政策と無縁であるはずはありません。変化を恐れて、あるいは現実を前に、ただ嘆いていても始まりません。こういった困難を前にがんばっている行政マンや地域の人も、たくさんいます。そういう人には少しでもエールを送りたいと思います。。。でも、冒頭で紹介したシンクタンクの研究員のように、実際にそういう過疎地に足を踏み入れたこともないような人が、経済や財政の合理性ばかりを全面に押し出し、「地域が疲弊していくのは仕方ないんですよ」みたいなことを堂々と意見発表しているのを目の当たりにすると、「そりゃ違うでしょ」という言葉を発したくなるんだよなあ。。。




by masayuki_100 | 2005-03-17 02:48 | |--世の中全般 | Trackback(7) | Comments(15)
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この先、地域(過疎地)はどうなるのか 経済効率優先論に立ち、人口を都市部に集中させ、これからの人口減少社会(低成長)を乗り切ろうと言う意見と、それは地方の切り捨てにつながり、経済効率優先だけでは豊かな社会をつくることはできないという意見がある。(←大雑把に言えば。詳しくはトラバ先を。) 地方在住のものとしては、やっぱり地方が寂れ、廃れていくことに寂しさと戸惑いを感じるけれど、心のどこかには、そうは言っても日本そのものが衰退していっては仕方ないしと考えたりもする。 この問題は、これから......more
Tracked from せとうちタイムズ at 2005-04-04 02:19
タイトル : 【傍目八目】国主導の平成の大合併 地方切り捨ての時代にな..
 市町村の行財政再建を促したアメとムチの合併特例法が3月31日で失効した。国主導で進められた平成の大合併。住民は賛否両論に分かれ町を二分した。......more
Commented by あさひ素材 at 2005-03-17 09:57 x
はじめまして。よく拝読しています。
少し前に書いたブログですが TB させてもらいました。
地方の問題を率先して打破していけるのは、民間=経済だろうと信じています。
簡単ではないけれど、少なくとも率先するのは行政であるべきではない筈です。
地方のみんな、がんばれ!
Commented by hirosan551 at 2005-03-17 13:16
この問題、そろそろ真正面から話し合う必要あるでしょうね。ちなみに僕は集中居住派です。もっと言えば、災害が起こりやすいところからも、撤退すべきだと考えています。「どこでも快適に暮らせる」は理想ですが、贅沢な欲求でもあると思います。空白地域の治安をどうするのか?という問題は残りますが。。
Commented by とと at 2005-03-17 16:18 x
最近物凄い勢いで森が無くなって行く現状を見ると、
人が居なくなって自然に任せることの出来る場所が増えてゆくのは、
個人的には嬉しい事です。
それだけ人間以外の動物が利用できる土地が広がる訳ですから。

私見ですが…この国は、面積に比して人口が過度に多いと考えています。
食料の自給が出来ない現在、中国は今食料輸出国から輸入国になり
日本と輸入量を争うような状況になるのは明らかです。
今から人口をある程度減らしてゆかないと、国内で飢餓に陥る人間が
そう遠くない将来において発生する可能性があります。

ちなみに田舎が取るべき選択肢は2つあるかと。
一つはここで書かれているように、都市への移住です。
もう一つは、完全に自給可能な小さい集落を形成する方法です。
良くも悪くも閉鎖された社会は保守的な事が多いので、
文化を守ると言う点においてならば、こちらの方が有利かもしれません。

色々書き散らしてしまいましたが、まぁアレです。
視点は一つじゃ無さそうだよって事で。
Commented by さすらいの道民 at 2005-03-17 17:30 x
自分は高田氏と同様に地方の切捨てには基本的に反対です。

日本の経済を支えてきた陰の一面には、地方の低所得水準を利用し、大都市もそこの居を構える企業も成長してきた部分があるのですから。

ただ、この機会はチャンスにも成り得るのも事実です。
地場産企業を育成し、本州へ流れていった資本を地元へ循環させる事から始めなければ地方の再生は不可能です。

現在の合併論は「自立」を選択しただけで、将来のビジョンが全く見えてこない。これはとても危険な事だと思います。自立を目指すならば具体的な計画を道へ提出し、支援を取り付けることが急務であり、経済基盤を確固たるものにしなければ、過疎化は進行し続ける。
これが出来ないのならば、合併勧告を発動し住民の公的サービスを最優先で確保しなければならなと思うのです。

自立・躍進のチャンスや支援(アメ)を与えながらも、「必要な切捨て」と「そうでない切捨て(合併の対象)」の見極め(ムチ)はそこに暮らす者を本気にさせる為に必要だと思います。

誰か(道や国)がなんとかするだろう・・・と、甘えている自治体があるのも事実ですから。

では、乱文にて失礼いたします。
Commented by masayuki_100 at 2005-03-18 02:53
種々のコメントをありがとうございます。
札幌から富良野方面へ車で行くとき、歌志内近辺の抜け道を時々利用します。道沿いには、炭住の跡がたくさんあって、それも「あんな山の上まで?」と思うほど高い場所にも跡があって。。センチメンタルなことを言っても仕方はないのでしょうが、戦後の経済産業政策で(もちろん戦前も)炭鉱にどんどん人が送り込まれ、でも、半世紀もしないうちに、あんな姿になったのかと思うと、哀しい気持ちになってしまいます。
Commented by さすらいの道民 at 2005-03-18 20:53 x
ひょっとして悲別の辺りの抜け道でしょうか。

高田氏のコメントを見て思い出したのは・・・
自分が以前勤めていた会社の先輩は夕張の方でして、夕張への商用で同行した際に閑散とした彼の郷里へ立ち寄った時の事。

「ここもダムの底になるんだよなぁ・・・」

彼のこの言葉にグッときたのを思い出しました。
Commented by Baatarism at 2005-03-18 23:53 x
>要は90年代に怒涛のように国債を発行して景気対策を実施し、それによって積み上がった長期債務を地方や国民にツケ回ししているだけではないか、
その景気対策=公共事業の多くは地方で行われ、地方の景気を下支えしたのではないでしょうか?
もしこの景気対策がなければ、地方の苦境は十年前に訪れていたかもしれません。
だから、結局地方のツケを地方が払わされているように思うのですが。
Commented at 2005-03-19 00:08 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by masayuki_100 at 2005-03-19 04:40
Baatarismさん、コメントをありがとうございました。

>その景気対策=公共事業の多くは地方で行われ、地方の景気を下支えしたのではないでしょうか?もしこの景気対策がなければ、地方の苦境は十年前に訪れていたかもしれません。だから、結局地方のツケを地方が払わされているように思うのですが。

一つは金額ベースで本当に地方優遇だったのかどうか。資料が見つからないのですが、必ずしもそうではなかったというデータがあったように思います(ご存知の方がいたら教えてください)。

それと、地方が本当に進んで当時、景気対策を迎え入れたかどうかは、大いに疑問です。国の公共事業といっても大半は補助事業であり、自治体も出費を強いられたわけですが、私の親戚(西日本のある都市の幹部)は「もう事業を思いつかない。それなのに金があるから考えろと言われて大変だ」と盛んに言っていました。「もうやることはない」と言うと、自民党の有力者に呼び出され、連日叱責を受ける状態でした。
Commented by masayuki_100 at 2005-03-19 04:42
さすらいの道民さん。まさにその通り! 「悲別」という倉本聡がつくった架空の街の辺り(本当は上砂川?)のことです。
Commented by hiroponZ at 2005-03-20 13:31 x
地方切り捨てと一極集中は問題ですが、同時に自立できない地方もまた問題ではないでしょうか。

公共事業で潤っても、土木系の工事を支えるのは日雇いや短期雇用、契約などの形での雇用形態の労働者です。公共事業が地元に金を落としても、過ぎ去った後の未来の保障はどこにもない。そんな公共事業依存体質は地方の中央への依存症を高めてしまった要員のひとつだと思います。自分の立場が危うくなれば、自分を守ることを優先しそれ以外を切り捨てて行くという考えが出てくるのはある意味で自然なことです。たとえそれが中央の政府であっても、です。地方がもっと未来を見据えて金があるうちに自立策を立てていれば、事態はここまで悪化しなかったのかもしれないのかもしれません。限度はありますが。

北海道は観光資源と農業資源の分野では全国でもトップクラスです。これらの資源を有効に利用しつつ、中央を「助けてくれる相手」としてではなく「北海道の資源をさばく市場」として活用できるようになればよいのですが。
Commented by ko-ji_n at 2005-03-20 16:40 x
「地方切り捨て」といいますが、「地方優遇」が廃止されると言ったほうが妥当かもしれないと思いますがどうでしょうか。

以前、北海道の町村の1人あたりの予算額を計算したところ、多くの町村で1人あたり100万円以上になっており、200万円近い額のところもありました。住民の納税額がいくらかということもありますが、道や国の予算もあることを考えると、こんなに多額の予算(=他地域の税金)をかけることが妥当なのでしょうか。

過疎か否かではなくて、住民の生活が不便でないようにすれば良いのではないでしょうか。
高田さんは否定的なようですが、住民サービスが提供しえない地域の住民には集団で移転してもらうのも取りうる選択肢だと思います(当然地域での話合いのもと行うべきですが。)。
東京や大阪では通勤に1時間というのは普通です。田畑へ自動車で最大1時間程度となるよう主要な駅や幹線道路沿いに集まって居住することで除雪費用も減りますし、学校や病院へのバス、商店などの存続も容易になります。また、街の活気も出てくるでしょう。

各地域が知恵を出してhiroponZ さんのいうように儲ける方法を考えつつ、無駄をなくすことが必要です。
Commented at 2005-03-20 16:50 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by masayuki_100 at 2005-03-24 00:40
ko-ji_nさま。コメントをありがとうございました。。。何をもって「優遇」というかは、なかなか難しいことではないかと思います。1人当たりの予算額や国からの補助金等の額は目安ではあります。ただ、いつも思うのですが、それこそ徳川幕府の時代から(少し極端ですね(^^;)インフラ整備を進めていた東京と、戦後になってやっとまともに社会資本整備が進み始めた地方とを、その時々の数字で比較してもダメなのではないかと。

それに、経済力や人口等のみを基礎とした比較自体に疑問を感じるのです。どんどん公共事業をやれ、と言っているわけではありません。種々の「改革」なるものを見ていれば、結局、国は財政だけ絞って、権限は委譲しない、組織はスリムにしない、、、そういう姿を見ていると、なんか違うぞ、と感じるのです。「無駄をなくすことが必要」なのは、政府も同じ(いや、自治体以上にそれが必要)です。
Commented by あかね at 2005-03-29 23:41 x
少し前に、「地方交付税」たたきをしている週刊誌をみました。「お年寄りが温泉に通うことを支援して健康を高める」といった福祉や保健や母子事業を「税金泥棒ども」と中央の議員がいってたと、ひどい扱いでほんとうに哀しくなりました。都会のひとは、同感するのでしょうか。私はとても、ほほえましく、がんばれーと思いました。北海道の小さな町で保健師をやっていたので、他のところはよくわかりませんが、一概に予算のことは結論だせないと思います。政府が必死にさけんでいる高齢者医療保険、黒字まではいかなくても、少なくとも保健・介護事業は良好経営してましたよ?

極端なことをいえば、わたしは少々見得さえはらなければ、北海道も自給自足できると思ってますが。地におけばイモは土をかけてるだけで自然にできる。あとは電気さえありゃなんとかなります(暴言)

今、わたしは関東にいます。でも、もう少しがんばって、きっときっと帰ります(・∀・)/保健師なんでたいして役にたちませんが・・・「外貨(笑)」と「経験」をつんで帰ります☆
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